2021年07月09日

◆ 土石流の正体は産廃

 熱海市で下った土石流の成分を調査してみたところ、山頂の土壌に由来するものではなく、産廃に由来するものだと判明したそうだ。

 ――

 下記に連続ツイートがある。







 もっと詳しい話は下記。
  → 伊豆山土石流の発生源で何が起きたか? - Togetter

  ※ ここに記してあるツイートは、時間的には逆順です。注意。




 次の報道もある。





 ここでも、産廃があったことが指摘されている。




 [ 付記 ]
 以上は紹介だ。
 私の見解を言うなら、こうだ。
 「こういうことを調査するのは、民間人や自治体に任せないで、政府がきちんとやるべきだ。政府は事故調を立ち上げるべきだ」

 とはいえ、「真相の解明」というのは、菅首相が一番やりたがらないことだけどね。
 また、安倍首相なら逆に、「真相の隠蔽」というのを、せっせとやっただろう。



 【 関連項目 】

 (1)
 盛り土の量がどのくらいあったかについては、前項で図(2枚)とともに示した。
  → 盛り土は大量にあった: Open ブログ

 (2)
 盛り土をした事業者は、二つある。
 1回目は、小田原の「新幹線ビルディング」という会社。
 2回目は、東京の「ZENホールディングス」という会社(のオーナー麦島善光)。
 → メガソーラーと盛り土の会社: Open ブログ

 ――

 本項では「産廃だ」とわかったわけだが、土石流の主要部分は、1回目の産廃であったようだ。2回目の盛り土も、産廃であったらしいが、山頂部の土壌が含まれているかどうかは不明らしい。(流れ落ちた土壌からは、両者を区別できないので。)
 


 【 追記1 】
 上記のツイートの紹介の最後に、下記サイトを紹介した。
  → 伊豆山土石流の発生源で何が起きたか? - Togetter

 ここには、次のツイートも在る。




 この人は、こう書く。
例のメガソーラーは盛り土エリアの集水域から外れていて、「保水効果が失われたので」という説は概ね棄却できそう。

 だが、「盛り土エリアの集水域から外れていて」というのは、理屈にならない。なぜなら、盛り土が崩れても、その土砂は谷間の中流域に留まるのが当然だからだ。それならば、何の被害も生じなかったはずだ。
 現実にはどうか? 話は逆だろう。盛り土の土砂は、いったん崩れたが、そのあとで、中部の土砂を根こそぎ削りながら、下部に達して、さらにはその外側(平野部)にまであふれ出た。
 これは、中部の V 字形の斜面が根こそぎ削られたからである。そのまた理由は、メガソーラーで保水力を失った山稜部の水が、(盛り土でなく)中部に注いだからだ。(詳しくは下記。)
  → 土砂崩れはどう起こったか?: Open ブログ

 上のツイートの人は、盛り土ばかりを見ているせいで、盛り土以外のことが見えなくなってしまうようだ。困ったことだ。
 
 【 追記2 】
 冒頭ではこう述べた。
 「熱海市で下った土石流の成分を調査してみたところ、山頂の土壌に由来するものではなく、産廃に由来するものだと判明した」

 しかし本サイトでは、前に異なることを述べた。
 「盛り土は、山頂部のソーラーパネルの場所で伐採した樹木の残骸を含むのだろう」と。
 また、別の証言では、次の話もあった。
 「1回目の盛り土がなされたあとで、2回目の盛り土がなされた。最初の会社が産廃の盛り土をしたとで、次の事業者が別の盛り土をした」

 以上の二点では、「産廃以外の盛り土があった」と判明している。とすると、本項の冒頭の話は、間違っていることになる。これはどういうことか? 不思議だ。困った。

 そこで、困ったときの Openブログ。うまい解釈を出そう。こうだ。
 「盛り土は上から順に流れた。まずは、盛り土の上側にある部分(2回目の部分)が流れて、下部の谷間に広がった。次に、盛り土の下側にある部分(1回目の部分)が流れて、下部の谷間に広がった。下部の谷間に広がった土壌を調査すると、深いところには2回目の部分があるが、浅いところには1回目の部分(産廃)がある。それを見て、産廃ばかりだと誤認した」

 物事の上面(うわつら)だけを見ていて、物事の深層を見なかったのだ、と言える。実質的にも、比喩的にも。
 
posted by 管理人 at 23:10 | Comment(4) |  地震・自然災害 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 最後に 【 追記 】 を加筆しました。
Posted by 管理人 at 2021年07月10日 07:22
 最後に 【 追記2 】 を加筆しました。
Posted by 管理人 at 2021年07月10日 09:36
>【 追記1 】
>(前略)現実にはどうか? 話は逆だろう。盛り土の土砂は、いったん崩れたが、そのあとで、中部の土砂を根こそぎ削りながら、下部に達して、さらにはその外側(平野部)にまであふれ出た。
> これは、中部のV形の斜面が根こそぎ削られたからである。そのまた理由は、メガソーラーで保水力を失った山稜部の水が、(盛り土でなく)中部に注いだからだ。(詳しくは下記。)→ 土砂崩れはどう起こったか?: Open ブログ
> 上のツイートの人は、盛り土ばかりを見ているせいで、盛り土以外のことが見えなくなってしまうようだ。困ったことだ。

⇒ 筆者の提示するメカニズムはかなり真実に近づいていると、以前のコメントで書きましたが、ひとつ引っかかるのが、「この盛り土より下流部分の崩落が、住宅地域をおそった土石流の規模(量・勢い)にどのように影響したか」という点です。

 『盛り土は大量にあった』の稿の冒頭、朝日の記事(@)によると、盛り土の欠損体積は約4.8万立方メートル(2019年時点のデータと現状とを比べたとき)なので、(2019年以降に盛り土がさらに積まれた可能性も考えられるが)実際に流出した盛り土もそのくらいだろうと推定しています。

 また、本稿中で紹介された TOGETTER の中の、静岡大の小山教授の解析(A)や静岡新聞の記事(B)の内容を合わせると、「流出した盛り土は約5.55万立方メートルで、そのうち0.75万立方メートルが400m下流の砂防ダムによってくい止められたので、残り約4.8万立方メートルが住宅地域にまで達した。発生当初は土石流の総量は10万立方メートルとされていたが、これは間違いだ」となります。

 この2つのことから、土石流の総量に占める、「中部のV字形の斜面地層が削り取られたり崩落して混じった量」の割合は少なく(ぜいぜい10〜15%?)、ほとんど(85〜90%)が盛り土由来だと考えられるのですが……

 @ https://digital.asahi.com/articles/DA3S14966003.html
 A https://scii-my.sharepoint.com/personal/koyama_masato_cii_shizuoka_ac_jp/_layouts/15/onedrive.aspx?id=%2Fpersonal%2Fkoyama%5Fmasato%5Fcii%5Fshizuoka%5Fac%5Fjp%2FDocuments%2F%E4%BC%8A%E8%B1%86%E5%B1%B1%E5%9C%9F%E7%9F%B3%E6%B5%81%2Fizusan210709report%2Epdf&parent=%2Fpersonal%2Fkoyama%5Fmasato%5Fcii%5Fshizuoka%5Fac%5Fjp%2FDocuments%2F%E4%BC%8A%E8%B1%86%E5%B1%B1%E5%9C%9F%E7%9F%B3%E6%B5%81&originalPath=aHR0cHM6Ly9zY2lpLW15LnNoYXJlcG9pbnQuY29tLzpiOi9nL3BlcnNvbmFsL2tveWFtYV9tYXNhdG9fY2lpX3NoaXp1b2thX2FjX2pwL0VVRVUyTHFYWnZoSmhOOVR1dVZTMG93QmdZemFmTFJDWDN6dnBaSDNlTEdqdFE%5FcnRpbWU9QmRFMFZUNUQyVWc
 B https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/926783.html
Posted by かわっこだっこ at 2021年07月10日 13:11
 大部分が盛り土だというのは事実でしょう。
 しかし私が言っているのはそういうことではなく、「盛り土が途中で止まらなかったこと」です。上記で

> 盛り土が崩れても、その土砂は谷間の中流域に留まるのが当然だからだ。それならば、何の被害も生じなかったはずだ。

 と記してある通り。
 中部が崩れたことの影響は、中部の土砂が多かったことではなく、上部の土砂を止めなかったことなのです。
 この意味で、中部が崩れたことの影響は、決定的な大きな影響であると言えます。(二つの主因のうちの一つ。どちらが欠けても、大規模被害にはならなかった。)
Posted by 管理人 at 2021年07月10日 16:00
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