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「一番おいしい野菜は何か?」
という問いには、なす・トマト・きうり などの名が上がることが多いが、私としてはカブを掲げたい。深い玄妙な味わいが得られるからだ。
私がカブの美味しさを知ったのは、高級和食店で、カブのお吸い物を食べたときだ。ダシがよく利いていて、そこに煮込んだカブが、精妙な味わいを出していて、あまりにもの美味しさにびっくりした。
これを再現しようとして、自分でも作ろうとしたのだが、インスタントの鰹だしや昆布だしを使っている限りでは、再現は遠く及ばなかった。たぶん、きちんとした昆布だしを使う必要があるのだろう。日高昆布のような。……とはいえ、それにはコストがかかりすぎるので、凡人の家庭料理の域を超えてしまう。(上級者の腕と金が必要だ。)
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一方で、カブのお新香は、簡単にできる。カブを薄く包丁で切って、塩で揉んで柔らかくして、しばらく塩水にひたすだけでいい。(塩で揉むだけでもよさそうだ。塩で揉んで、水で洗えば、すぐに食べることができる。)
これだけでもおいしいカブのお新香だが、さらにおいしくする方法がある。下記の商品をトッピングするのだ。
小野万 三陸産 子持ちめかぶ
https://amzn.to/2SGBVDi
価格はイオンで 298円(税別)。
カブのお新香の上に、このめかぶをトッピングすると、すごく良く合う。高級和食店の料理を食べているような玄妙な味わいを得られる。白いカブの複雑な味と、緑のめかぶの濃いソース感が、絶妙なハーモニーを醸し出す。

これは、「イチゴのアイスクリーム」のようなデザートとは対極的だ。それには、強烈な甘酸っぱさがあり、多幸感がある。子供にもよくわかる味だ。
ひるがえって、上記の「カブとめかぶ」は、大人の穏やかな複雑さがある。和風の庭園の雰囲気とか、高級緑茶の美味しさとか、そういった感じの味わいだ。
高級な和食というと、たいていは時間と手間をかけて、複雑な技術を要する。しかし本項の「カブとめかぶ」は、素人でも簡単に、あっという間に作ることができる。コストも、カブは今では激安だし、めかぶも、ソースとして考えれば高くない。(少量を何回も使えるからだ。)
カブが安くておいしいのは、今だけだ。なるべく鮮度のいいものを選んで、葉っぱも生きのいいのを選んで、おいしく頂こう。
ただし、ぬか床の手入れが面倒なので、横着な自分は数か月で断念しましたが。