2021年05月30日

◆ ワクチン接種の遅れの理由

 コロナのワクチンの接種が遅れているが、その理由を探る記事が朝日新聞に掲載された。

 ――

 言っていることは従前通りで、「国内治験の遅れ」だ。
 12月に英国で緊急承認されたのを皮切りに世界各国で同社製ワクチンの接種が急速に進んだ。一方、「国内治験」が思うように進まず、日本のワクチン承認は各国から遅れていた。
( → ワクチン確保、焦った政権 供給も遅れ、駐米大使に交渉指示:朝日新聞

 だが、他国が日本に比べて大幅に早く治験を済ませたわけではない。他国は国内治験など、しなかったのだ。米国が治験を済ませていたのだから、自国で二重に治験をするという無駄手間を重ねなかったのだ。

 だから、ここでは、日本がワクチンが遅れた理由は、「治験が遅れたこと」ではなく、「国内治験という無駄手間を加えた」ことである。これが決定的な理由となって、世界でも最低の接種率となった。
 接種率は、前に別項で示したが、最新データを改めて掲載しよう。


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出典:Our World in Data


  * 参考記事:日本、ワクチン接種率OECD37カ国で最下位 (高橋浩祐)

 ――

 ともあれ、治験というものは、米国が(モンゴロイドを含めて)あらゆる人種で実施済みである。なのに、屋上屋を架するようにして、国内治験という無駄手間にこだわったせいで、日本はワクチンの入手が大幅に遅れた。
 ワクチンの安全性にこだわって、慎重になりすぎたせいで、命を守るという肝心のことがなおざりにされた。「頭隠して尻隠さず」というか、「本末転倒」というか。……目先の小さなことにこだわりすぎたあげく、最も大切なことを見失ってしまったのである。これこそが、本当の理由だ。
 朝日の記事は、そのことに気づいていない。

 ※ このことは前にも別項の (3) 以後で述べた通り。
    → ワクチンの早期実施は?: Open ブログ
  


 [ 付記1 ]
 同様のことは、アビガンにも成立する。「アビガンの治験に無駄にこだわりすぎたせいで、アビガンによる治療の機会をなくして、多数の死者を出す」という結果になっている。
 のみならず、アビガンの権利まで、中国に奪われてしまうありさまだという。(コメント欄で指摘を得たとおり。)
  → 中国人民解放軍がコロナ治療薬として期待される「アビガン」の特許を取得 巧妙な手口に日本の関係者は危機感 | デイリー新潮
  → 中国、アビガン特許“乗っ取り”か。承認をダラダラ遅らせ横取り許した厚労省に「売国」の声 | マネーボイス

 [ 付記2 ]
 「大規模接種(集団接種)というのが非効率だ。素人がやるから不手際だからだ。個別病院ならば、もっと能率的にやれる」
 という指摘もある。下記。
  → 大規模接種はパフォーマンス? 進み出した「個別接種」 :朝日新聞
 
 ここでも、「接種の実施の遅れ」が示されている。(ワクチン不足とは別の理由で。)
 


 【 関連サイト 】
 先のグラフでもわかるように、現在は接種率が急上昇している。ゼロ近辺ではない。その意味では、「最悪を脱した」とは言える。これを好意的にとらえる人もいる。
  → 日本のワクチン接種スピード、予想以上に早くなっている?…という話 - Togetter

 とはいえ、「3周遅れ」が「1周遅れ」に縮まった程度だし、相も変わらず最下位だ。
 現状ぐらいで喜んでいるのは、よほどおめでたい人たちだろう。(最悪の事態になれすぎたのか、洗脳されたのか。)

 そもそも、順調に行っても、65歳以上が摂取し終えるのが7月末。30代、40代の人が摂取してもらえるのは、秋頃になりそうだ。とても喜ぶ状況ではない。
posted by 管理人 at 14:44| Comment(2) |  感染症・コロナ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 しかもその国内治験(日本人対象の治験)は、各種報道のとおりわずか160人で行われたので、本当にかたちだけで、全く意味はないでしょうね。
Posted by かわっこだっこ at 2021年05月30日 17:42
 失礼、上のことは、すでに本ブログの別記事で言及されていました。

 ※「ワクチンの接種を中止せよ」
  (1)効果の有無 のところ

 http://openblog.seesaa.net/article/481344059.html#comment
Posted by かわっこだっこ at 2021年05月31日 18:24
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