2021年05月27日

◆ 選手の個人情報(身長・体重)

 五輪選手の個人情報を守るという名分で、選手の身長・体重を非公開にしている。

 ――

 「五輪選手の身長・体重を非公開にする」と聞くと、「そんな馬鹿な」と思う人が多いだろうが、事実である。朝日新聞の記事に、次の記述がある。
 日本オリンピック委員会(JOC)も東京五輪の日本選手団名簿から身長、体重の情報を削除する決定をしていた。
( → (取材考記)アスリートの身長・体重非公開、JOCが決定 選手の努力伝わる数字、個人情報か:朝日新聞<

 これは本日の記事だが、この件が決まったのは2月15日のことで、当時の記事に詳報がある。
 日本陸連は 15日、選手の身長、体重を非公開にすると発表した。個人情報保護意識の高まりを背景に「大会運営上、必要な要素ではない」と判断し、今後は情報の収集も控えることを決めた。
 女子選手の無月経などが問題となっている中で身長、体重から算出されるBMI(体格指数)など「数値だけに注目が集まり、情報が独り歩きしてしまう」と説明。インターネット上での誹謗中傷や誤情報拡散も背景に挙げているが、これまでに陸上関連で具体的な被害は確認されていないという。
( → 日本陸連が選手の身長、体重非公開に 個人情報保護を理由に - サンスポ

 「インターネット上での誹謗中傷や誤情報拡散」を懸念しているそうだが、そんなことは実際には起こっていないとも記されている。心配しすぎの過剰反応とも思える。

 朝日の記事にもあるが、スポーツ選手の身長・体重は、重要な選手情報だ。これを隠蔽するというのは、いかにも「やりすぎ」だ。
 もちろん、「何が何でも公開しろ」というわけではない。たとえば、次のような情報は、非公開でいい。
  ・ バスト、ウエスト、ヒップのサイズ
  ・ 股下(長さ)のサイズ
  ・ 各種の筋力数値
  ・ 髪や皮膚の色

 一方、「身長と体重」ならば、選手の情報として最小限のものだし、このくらいならば公開してもいいはずだ。ついでに、「足のサイズ」(cm)も公開してもよさそうだが、これはまあ、どっちでもいい。
 
 そこで、以下では論拠を示す。三つある。

 (1) 顔写真・氏名     


 身長と体重を隠すのならば、顔写真と氏名も隠すべきだ。こちらの方が個人情報としての重要性が高いからだ。
 一般に、顔写真と氏名は、個人情報の中でも最重要である。前項では「顔写真と氏名の流出」という話題を扱った。
  → 個人情報(顔写真)の流出: Open ブログ
 ここでは、「顔写真と氏名」が最重要の個人情報と見なされている。これこそ、流出を防ぐべきだ。一方で、身長や体重などは、漏れたところで、たいして実害もない。「身長や体重を知られると、クレカを偽造される」というような心配はないのだ。身長や体重などは、どうでもいいのだ。
 だから、JOC が本当に「個人情報の保護」をめざすのであれば、「選手の顔写真と氏名を非公開にする」というふうにするべきだ。
 つまり、五輪において各人は(氏名のかわりに)番号だけで表示するべきだ。たとえば「日本選手の J2346 さんが銅メダルを取りました」というふうに。ついでに、顔写真を非公開にするために、テレビ放送をやめるべきだ。

 ※ そんな五輪はまったく無意味になるし、スポーツ大会も無意味になる。ナンセンスの極みだ。このことからしても、JOC の主張がメチャクチャだとわかる。

 (2) 準プロ     


 一般のアマチュア選手ならばいざ知らず、五輪の選手はすべてプロまたは準プロである。完全に自腹で費用をまかなっている選手など、一人もいない。五輪クラスになれば、必ず、多額の補助金が給付されている。栄養費のような名目でスポーツの連盟や JOC から給付されることもある。スポンサーから協賛費をもらうこともある。所属の会社から「ノンプロ」扱いで、給料をもらうこともある。(これは日本独特の制度だ。他国にはない補助金なので、日本のスポーツ選手はきわめて恵まれている。)


sports_money_nenpou_soccer.jpg


 これらの選手は、プロとしての性質を帯びているのだから、「ファンあってのプロ」となる。ゆえに、プロとして、ファンサービスをする必要がある。その一環として、身長と体重ぐらいは公開するべきだ。
 どうしても「あらゆる情報を非公開にしたい」というのであれば、プロとしての性質を返上して、完全にアマチュアとしてふるまうべきだ。つまり、一切の補助金や給付金を返上するべきだ。特に、海外遠征費の補助を返上するべきだ。(ファンをないがしろにするなら、他人に頼らず、全部自腹でやれ、ということ。)

 (3) 本人意思     


 もっとも、普通の選手は、そんなに傲慢ではあるまい。「多額のお金をもらっているのだから、ファンサービスの一環として、身長と体重の公開に同意します。ファンあっての選手ですから」と思うだろう。
 だから、そう思う選手については、身長と体重を公開するべきだ。いちいち同意を得るのは面倒だから、「一律に公開にする。ただし非公開にしたい人だけは自己申告で非公開にできる」というふうにすればいい。
 たぶん、実際には、「非公開」を申告する人はいないだろう。ま、少しはいるかもしれないので、「非公開」を選択肢として残しておいていい。とにかく、「公開してもいい」という人については、公開するべきだろう。

 ※  ついでだが、「非公開」を望む人については、顔写真や氏名も「非公開」にして上げる方がよさそうだ。



 [ 付記 ]
 そもそも、身長と体重で中傷を受けたとしても、どうってことはない。そんなくだらないことは、無視すればいいだけだ。世の中のゴミ発言にいちいち過剰反応する必要はない。
 どうせ似た心配をするのなら、「あの選手はブスだ」というような中傷を避けるべきだ。そのために、顔を非公開にするべきだろう。競技の最中、お面を付けたりして、仮面舞踏会ならぬ仮面競技会をするわけだ。「個人情報の非公開」を重視するなら、そうするべきだろう。
 そんなものを見に来るファンもいないし、テレビの視聴者もいなくなるだろうが、どうせ「ファン無視」が JOC の方針なのだから、それを徹底すればいい。沈没するタイタニックのように、JOC もまた沈没すればいいのだ。


posted by 管理人 at 21:11| Comment(0) |  東京五輪・豊洲 | 更新情報をチェックする
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