――
朝日新聞が報じている。
《 日産、3年連続赤字へ 拡大路線の傷なお深く 22年3月期 》
日産自動車の純損益が、3年連続の赤字になる見通しだ。
ゴーン元会長の時代に新工場を各地に建てるなどして生産を拡大。一方、新型車の開発費を抑えた結果、発売から年月がたった「古い車」ばかりになり、値引きせざるを得なくなってブランド力が低下。そんな悪循環から、まだ抜け出せない。
主力の米国市場で販売店の値引き原資となる1台あたりの販売奨励金は、足元も高水準だ。関係者によると、トヨタやホンダの2倍ほどで推移している。
将来に向けた新型車の開発費を積み増すわりには、生産も販売も十分には回復しない見通しだ。
( → 朝日新聞 )
新車開発ができていないことが赤字の要因だ……と分析している。確かにその傾向はあるが、それだけではない。
実は日産は、新車開発をけっこうやっている。たとえば、
マーチ(マイクラ)、ティアナ(アルティマ)、シルフィ(セントラ)、ラティオ(ヴァーサ)、エクストレイル(ローグ)
→ 自動車産業の現状: Open ブログ(2019年05月10日)
これらは、ちゃんとモデルチェンジして、新車が出ている。なのに、現地車(カッコ内に名称あり)は販売しているのに、同じモデルの国内向けの車は、旧モデルのままか、販売中止だ。
何をやっているんですか。国内での生産が難しいなら、せめて部品を運んで組み立てる(ノックダウンする)ことにすればいいのに、そうもしない。
また、最新技術を導入して、優秀な新型ノートを作ったと思ったら、これは日本国内向け限定なので、たいして生産台数が増えないし、輸出もしない。どうせ優秀な車を作るのなら、世界向けの戦略車に新技術を導入すればいいのに、そうすることができない。かくて、トヨタはヤリスを、ホンダはフィットを、それぞれ世界規模で販売しているのに、日産はもっと優秀なノートを開発しながら、日本国内で販売するだけだ。それも、半導体不足で、需要を満たすだけの生産ができなくなっている。
馬鹿丸出しというしかない。
そして、そのすべては、社長の責任だ。
内田 誠(うちだ まこと、1966年7月-[1])は、日本の実業家。日産自動車株式会社取締役兼代表執行役社長兼最高経営責任者。
1991年3月、同志社大学神学部 を卒業。
1991年4月-日商岩井(現双日)株式会社 入社。
( → 内田誠 (実業家) - Wikipedia )
技術のことを何もわからない機械の会社の社長になって、方針が迷走する……というわけだ。IT のことを何も理解できない人間が社長になった、NEC ・富士通・家電各社が迷走したのと、同様だろう。
どうせなら、理系の 関潤 副社長(当時)を社長にすれば良かったのに、ルノーの反対で、そうできなかった。
→ 欧州排ガス規制 CAFE: Open ブログ
日産の諸悪の根源は、ルノーだね。ルノーは日産を食い物にした結果、日産そのものを破壊してしまった。金の卵を産むガチョウを、我欲に目が眩んで、切り裂いて殺したようなものだ。
【 追記 】
トヨタは、米国と中国の販売が好調で、増益。
トヨタ自動車は5月12日、2021年3月期(2020年4月〜2021年3月)の連結決算を発表。コロナ禍における有事の決算となったが、最終利益は前期比10.3%増の2兆2452億円と増益を確保した。
( → トヨタ自動車、純利益1割増の2兆2452億円 2021年3月期決算 | レスポンス(Response.jp) )
――
一方、日産の株価は:
→ 日産株が約9カ月ぶり下落率、業績見通しは「ネガティブサプライズ」 - Bloomberg