2021年05月12日

◆ 日産の赤字が拡大(2021)

 米国や中国はコロナ渦から脱しつつあるというのに、日産自動車の業績は赤字が拡大している。

 ――

 朝日新聞が報じている。
 《 日産、3年連続赤字へ 拡大路線の傷なお深く 22年3月期 》
 日産自動車の純損益が、3年連続の赤字になる見通しだ。
 ゴーン元会長の時代に新工場を各地に建てるなどして生産を拡大。一方、新型車の開発費を抑えた結果、発売から年月がたった「古い車」ばかりになり、値引きせざるを得なくなってブランド力が低下。そんな悪循環から、まだ抜け出せない。
 主力の米国市場で販売店の値引き原資となる1台あたりの販売奨励金は、足元も高水準だ。関係者によると、トヨタやホンダの2倍ほどで推移している。
 将来に向けた新型車の開発費を積み増すわりには、生産も販売も十分には回復しない見通しだ。

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( → 朝日新聞

 新車開発ができていないことが赤字の要因だ……と分析している。確かにその傾向はあるが、それだけではない。
 実は日産は、新車開発をけっこうやっている。たとえば、
   マーチ(マイクラ)、ティアナ(アルティマ)、シルフィ(セントラ)、ラティオ(ヴァーサ)、エクストレイル(ローグ)

    → 自動車産業の現状: Open ブログ(2019年05月10日)







 これらは、ちゃんとモデルチェンジして、新車が出ている。なのに、現地車(カッコ内に名称あり)は販売しているのに、同じモデルの国内向けの車は、旧モデルのままか、販売中止だ。
 何をやっているんですか。国内での生産が難しいなら、せめて部品を運んで組み立てる(ノックダウンする)ことにすればいいのに、そうもしない。
 また、最新技術を導入して、優秀な新型ノートを作ったと思ったら、これは日本国内向け限定なので、たいして生産台数が増えないし、輸出もしない。どうせ優秀な車を作るのなら、世界向けの戦略車に新技術を導入すればいいのに、そうすることができない。かくて、トヨタはヤリスを、ホンダはフィットを、それぞれ世界規模で販売しているのに、日産はもっと優秀なノートを開発しながら、日本国内で販売するだけだ。それも、半導体不足で、需要を満たすだけの生産ができなくなっている。
 馬鹿丸出しというしかない。

 そして、そのすべては、社長の責任だ。
内田 誠(うちだ まこと、1966年7月-[1])は、日本の実業家。日産自動車株式会社取締役兼代表執行役社長兼最高経営責任者。
 1991年3月、同志社大学神学部 を卒業。
 1991年4月-日商岩井(現双日)株式会社 入社。
( → 内田誠 (実業家) - Wikipedia

 技術のことを何もわからない機械の会社の社長になって、方針が迷走する……というわけだ。IT のことを何も理解できない人間が社長になった、NEC ・富士通・家電各社が迷走したのと、同様だろう。

 どうせなら、理系の 関潤 副社長(当時)を社長にすれば良かったのに、ルノーの反対で、そうできなかった。
  → 欧州排ガス規制 CAFE: Open ブログ

 日産の諸悪の根源は、ルノーだね。ルノーは日産を食い物にした結果、日産そのものを破壊してしまった。金の卵を産むガチョウを、我欲に目が眩んで、切り裂いて殺したようなものだ。



 【 追記 】
 トヨタは、米国と中国の販売が好調で、増益。
 トヨタ自動車は5月12日、2021年3月期(2020年4月〜2021年3月)の連結決算を発表。コロナ禍における有事の決算となったが、最終利益は前期比10.3%増の2兆2452億円と増益を確保した。
( → トヨタ自動車、純利益1割増の2兆2452億円 2021年3月期決算 | レスポンス(Response.jp)


 ――

 一方、日産の株価は:
  → 日産株が約9カ月ぶり下落率、業績見通しは「ネガティブサプライズ」 - Bloomberg
posted by 管理人 at 22:48| Comment(1) | 自動車・交通 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
欧州で販売されている日産車はルノーの工場で造られ出荷されているものも多く、外装は日産のデザイン・エンブレムでも中身はルノー製です。国内販売の日産車もプラットフォームはルノーと共有、エンジンはルノー製なのも珍しくないです。新型ノートもハンドリングの味付けはルノーの技術者が全て担当して、日産はノータッチだと何時かの記事で読んで驚きました。
Posted by miinoboss at 2021年05月16日 03:53
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