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ひっくり返すのは、分子と分母だ。ここで、
「分数で割るのは、分子と分母をひっくり返してかける」
というふうにすればいい、と学ぶ。
たとえば、「 2/3 で割る」というのは、「 3/2 をかける」というふうにすればいい、と学ぶ。
では、どうしてそんな操作をするのか? 大人にとっては当たり前だし、頭ごなしに覚えていれば済むことだが、小学生ではここで壁に突き当たる生徒が多いそうだ。「どうしてそうするの?」と。
ここで、大人がうまく説明できればいいのだが、説明できない事例が多い。
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たとえば、朝日新聞で、必死に説明した記事がある。
→ 分数の割り算、なぜひっくり返す? 分母をそろえて…:朝日新聞
しかし、これを読んでも、私にはとうてい納得が行かなかった。
「この例では、一定の操作をしたら、ひっくり返してかけるのと、同じ結果になる」
というのはわかったが、一般的に同様のことが言えるのかはわからないからだ。
「常にひっくり返してかけるのでいい」
とまでは言い切れないからだ。
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そこで、ネットを調べてみたが、どれも大同小異である。
→ 分数の割り算はなぜひっくり返してかけるのか?その理由を説明する3つの教え方
→ 分数の割り算はなぜひっくり返してかけるのか : Z-SQUARE | Z会
→ 分数の割り算はなぜひっくり返してかけるのか|その理由を解説
→ 分数のわり算、なぜ「ひっくり返す」の? 筋の通った説明、あります | 講談社
具体的な例でわかりやすく説明しているつもりらしいが、具体的な例はあくまで特定の場合の例だけであって、それが一般化できることまでは示していないのだ。
そして、一般化できていないということは、物事の本質を示すことができていない、ということだ。
一般化している形で説明するには、代数を使うとよさそうだ。そこで、代数を使って説明しているページもある。
→ なぜ分数の割り算はひっくり返してかける? 分数の定義と逆数について
これは比較的わかりやすい説明なので、一応、きちんとした説明にはなっている。しかしどうも、

そこで私が、以下で説明しよう。
§ 私の説明
分数の割り算は、(分子と分母を)ひっくり返してかける。
その理由は、次の二点だ。
・ 割り算は、逆数をかけることだ。
・ 分数の逆数は、(分子と分母を)ひっくり返した数となる。
この二点について、以下で説明しよう。
割り算は、逆数をかけることだ
割り算は、逆数をかけることだ。
たとえば、「 3 で割る」というのは「 1/3 をかける」ということだ。これはどうしてかというと、天下り式の定義だと思えばいい。つまり、ここでは、
1/3
という分数が新たに示されているのだが、それは、
3 で割る
というのと同じ操作だ、と見なすわけだ。
つまり、
「割り算は、逆数をかけることだ」
というのは、
「その数で割るのと、その数の逆数をかけるのが、同じになる」
というように定義された数が、逆数だ、と言えるわけだ。
これは、逆数の定義なのだから、どうしてもこうしてもない。ただの定義の問題である。
分数の逆数は、(分子と分母を)ひっくり返した数となる
整数の逆数は、簡単に得られる。
たとえば、3 の逆数は 1/3 である。
では、分数の逆数は? たとえば 2/3 の 逆数は?
それについては、
「分数の逆数は、(分子と分母を)ひっくり返した数だ」
と言える。
たとえば、 2/3 の逆数は、(分子と分母をひっくり返して) 3/2 となる。
では、どうしてか? それは、次のように説明できる。
2/3 の逆数は、
1/(2/3)
である。これの分子と分母に 3 をかけても同じとなる。つまり、
[1×3] / [(2/3)× 3]
であるが、これは、
[3] / [2]
であるから、 3/2 となる。つまり、最初の分数の、分母と分子をひっくり返した数となる。
上のことは、 2/3 に限らず、一般の a/b についても成立する。
かくて、
「分数の逆数は、(分子と分母を)ひっくり返した数となる」
ということがわかった。
結論
以上から、次の二点がわかった。
・ 割り算は、逆数をかけることだ。
・ 分数の逆数は、(分子と分母を)ひっくり返した数となる。
この二つのことから、こう結論できる。
「分数の割り算は、(分子と分母を)ひっくり返した数をかけることだ」
こうして、初めのテーマとなったことが説明された。
Q.E.D.
