2021年05月09日

◆ 分数の割り算:ひっくり返してかける

 小学生の算数で、「分数の割り算は、ひっくり返してかける」と学ぶ。その説明は?


 ――

 ひっくり返すのは、分子と分母だ。ここで、
 「分数で割るのは、分子と分母をひっくり返してかける」
 というふうにすればいい、と学ぶ。
 
 たとえば、「 2/3 で割る」というのは、「 3/2 をかける」というふうにすればいい、と学ぶ。

 では、どうしてそんな操作をするのか? 大人にとっては当たり前だし、頭ごなしに覚えていれば済むことだが、小学生ではここで壁に突き当たる生徒が多いそうだ。「どうしてそうするの?」と。
 ここで、大人がうまく説明できればいいのだが、説明できない事例が多い。

 ――

 たとえば、朝日新聞で、必死に説明した記事がある。
  → 分数の割り算、なぜひっくり返す? 分母をそろえて…:朝日新聞
 
 しかし、これを読んでも、私にはとうてい納得が行かなかった。
 「この例では、一定の操作をしたら、ひっくり返してかけるのと、同じ結果になる」
 というのはわかったが、一般的に同様のことが言えるのかはわからないからだ。
 「常にひっくり返してかけるのでいい」
 とまでは言い切れないからだ。

 ――

 そこで、ネットを調べてみたが、どれも大同小異である。
  → 分数の割り算はなぜひっくり返してかけるのか?その理由を説明する3つの教え方
  → 分数の割り算はなぜひっくり返してかけるのか : Z-SQUARE | Z会
  → 分数の割り算はなぜひっくり返してかけるのか|その理由を解説
  → 分数のわり算、なぜ「ひっくり返す」の? 筋の通った説明、あります | 講談社

 具体的な例でわかりやすく説明しているつもりらしいが、具体的な例はあくまで特定の場合の例だけであって、それが一般化できることまでは示していないのだ。
 そして、一般化できていないということは、物事の本質を示すことができていない、ということだ。

 一般化している形で説明するには、代数を使うとよさそうだ。そこで、代数を使って説明しているページもある。
  → なぜ分数の割り算はひっくり返してかける? 分数の定義と逆数について

 これは比較的わかりやすい説明なので、一応、きちんとした説明にはなっている。しかしどうも、隔靴掻痒(かっ か そうよう)というか、もどかしい感じがする。話の核心をとらえ切れていないのだ。


sansuu2.gif


 そこで私が、以下で説明しよう。




§ 私の説明       


 分数の割り算は、(分子と分母を)ひっくり返してかける。
 その理由は、次の二点だ。
  ・ 割り算は、逆数をかけることだ。
  ・ 分数の逆数は、(分子と分母を)ひっくり返した数となる。

 この二点について、以下で説明しよう。


 割り算は、逆数をかけることだ 


 割り算は、逆数をかけることだ。
 たとえば、「 3 で割る」というのは「 1/3 をかける」ということだ。これはどうしてかというと、天下り式の定義だと思えばいい。つまり、ここでは、
   1/3
 という分数が新たに示されているのだが、それは、
   3 で割る
 というのと同じ操作だ、と見なすわけだ。

 つまり、
 「割り算は、逆数をかけることだ」
 というのは、
 「その数で割るのと、その数の逆数をかけるのが、同じになる」
 というように定義された数が、逆数だ、と言えるわけだ。

 これは、逆数の定義なのだから、どうしてもこうしてもない。ただの定義の問題である。

 分数の逆数は、(分子と分母を)ひっくり返した数となる

 

 整数の逆数は、簡単に得られる。
 たとえば、3 の逆数は 1/3 である。

 では、分数の逆数は? たとえば  2/3 の 逆数は? 
 それについては、
 「分数の逆数は、(分子と分母を)ひっくり返した数だ」
 と言える。

 たとえば、 2/3 の逆数は、(分子と分母をひっくり返して) 3/2 となる。
 では、どうしてか? それは、次のように説明できる。
 2/3 の逆数は、
  1/(2/3)
 である。これの分子と分母に 3 をかけても同じとなる。つまり、
  [1×3] / [(2/3)× 3]
 であるが、これは、
  [3] / [2]
 であるから、 3/2 となる。つまり、最初の分数の、分母と分子をひっくり返した数となる。

 上のことは、 2/3 に限らず、一般の a/b についても成立する。
 かくて、
 「分数の逆数は、(分子と分母を)ひっくり返した数となる」
 ということがわかった。

 結論


 以上から、次の二点がわかった。
  ・ 割り算は、逆数をかけることだ。
  ・ 分数の逆数は、(分子と分母を)ひっくり返した数となる。


 この二つのことから、こう結論できる。
 「分数の割り算は、(分子と分母を)ひっくり返した数をかけることだ」

 こうして、初めのテーマとなったことが説明された。

                         Q.E.D.
  
posted by 管理人 at 23:59| Comment(0) | 科学トピック | 更新情報をチェックする
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