2021年04月24日

◆ コロナ薬が効くのは初期だけ

 コロナの治療薬が効くのは、初期の二日間だけだ……ということが判明した。

 ――

 このことは前項でも示したように、実証的・経験的に判明していた。
  ・ コロナには(特に感染初期には)アビガンが有効である、と先に示した。( → 1月30日の記事 )  重要 

 ただし、どうしてそうなのかという、医学的・理論的な説明はなされなかった。
 ところが新たな研究では、その理由が判明した。コロナウイルスは、他のウイルスに比べて、ウイルス量は初期だけに多い(以後は急減してしまう)のだ。
 ウイルスの量が急減してから薬を投与しても、すでに減り始めているので、今さら投与しても意味がない……というわけだ。

 以上のことは、下記記事にある。
  → (新型コロナ)ワクチン確保・接種、各国の工夫 イスラエル・米・UAE・チリ:朝日新聞

 一部抜粋。
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 新型コロナウイルス感染症を発症後、薬がよく効く期間は2日程度で、類似ウイルスのSARS(重症急性呼吸器症候群)やMERS(中東呼吸器症候群)より大幅に短いことが九州大や米インディアナ大などの研究でわかった。
 患者30人の記録を収集。同じコロナウイルス科のウイルスが原因のSARS患者14人、MERS患者13人のデータも集め、ウイルスが体内の細胞に感染して増殖する様子を最新の数理モデルで解析した。
 その結果、発熱などの発症からウイルス量がピークを迎えるまでの時間が新型コロナ患者では約2日間だった。SARSでは3倍以上の7日間、MERSでは12日間あったという。
 さらに新型コロナの体内での増殖モデルをつかって投薬の効果をコンピューターでシミュレーションすると、発症1日後の投薬ではウイルス量がすぐに減るなど効果が大きかったが、発症4日後の投薬では効果が小さくなることが確認された。
 こうした結果から、新型コロナでは症状が出てから治療が特に有効な期間は2日程度しかなく、時間がたった人には投薬による十分な効き目が望めないことが明らかになったという。
 「本当は有効な薬でも、投薬を始めるタイミングが遅すぎて効果が見られないだけかもしれない」と指摘する。

 すでに前項で紹介したとおりの結果だとはいえ、ウイルス量の変化という指標で、定量的に物事を示したのは、大きな成果だと言える。

 ――

 このあと、新たな課題について、二つ示しておこう。

 (1) インドでは、(昨年夏以後の)第二波は収束したのに、(今年初め以後の)第三波は急拡大した。アビガンを使うという点では共通しているのに、かくも大きな差が出た。これは、第三波では、アビガンの初期投与が間に合わなかったからかもしれない。「発症したらすぐにアビガンを投与する」ということで、第三波も克服することが可能かもしれない。

  ※ インドでは上水道が普及していない(ガンジス川の水を使う)という点で、衛生状態が良くないので、アビガンを使っても限界はあるが。

 (2) コロナでは体内のウイルス量が急減するにもかかわらず、症状が悪化するのは発症してから6日目以後というふうに、かなり遅い。インフルエンザならば、ウイルス量の増加と症状の重さはだいたい比例するのに、コロナではウイルス量が大幅に減少してから症状が大幅に悪化する。それはどうしてか? ……(本項で判明した)ウイルス量の変化から、新たな謎が生じた。



 【 補説 】
 謎が謎のままでは、気分がスッキリしない。そこで、この謎について、私なりに仮説を出しておこう。

 コロナで症状が悪化する(重症化する)というのは、発熱の増加を意味しない。発熱ならば、発症して二日目ごろに高熱になるようだ。
  → コロナウイルス感染記録(体験記)

 コロナで重症化するのは、6〜7日目ごろが多い。このころは、ウイルスが多くて高熱を発するというよりは、肺が悪化して肺炎になっているという身で重症化している。
 ここでは(おそらく)全身のウイルス量が問題なのではなく、特に肺に限ってのウイルス量が問題となる。体の大部分は、コロナに対する自然免疫でウイルスを撲滅しつつある。ところが、肺に限っては、自然免疫の力が及ばずに、ウイルスが大幅に増大する。……このことが、コロナで多くの死者が出る(重症化する)理由となる。
 つまり、全身のウイルス量と、肺のウイルス量が、必ずしも比例しないのだ。多くの人にとっては、肺のウイルス量はあまり多くはならないで済むのだが、少数の人にとっては、肺のウイルス量が制御不能なほど増大してしまう。
 こういうふうに「肺でだけウイルス量が増大する」(局所的な制圧不能)ということが、コロナウイルスのタチの悪いところだと言えよう。また、それが肺の重症化の理由だろう。

 ――

 なお、どうして肺でだけ悪化するかというと、コロナという病気が風邪の一種であって、呼吸器から感染する疾患であるからだろう。鼻・喉・気管支などを経由して、肺が悪化するわけだ。「最もウイルスを浴びるから、最も感染する」とも言える。(他の臓器は、直接的には感染せず、血液を経由して感染するのだろう。)

 重症化に個人差が現れるのは、どうしてか? これは、老化による免疫力の低下に差があるせいらしい。
 リンパ球はT細胞B細胞が主な構成要素ですが、機能低下は主としてT細胞系の機能に起こり、最大でピーク時の十分の1以下に低下します。T細胞の加齢変化に先立って胸腺の退縮が起こります。それに反してB細胞の増殖能はT細胞のような大きな変化を示さず、低下しても1-2割程度です。T細胞は免疫の主役を担うものですが、その産生や機能獲得には胸腺の存在が必須です。しかし、胸腺は体の中で一番早く老化・退縮します。
( → 免疫老化と新型コロナ感染症(COVID-19)

 老化による胸腺の機能低下が、免疫力低下の理由であるということだ。
 胸腺については、次の説明がある。
 T細胞だけは胎児期も、生まれてからも胸腺という臓器でつくられます。
 リンパ球のできてくる道筋をひとつの図にまとめて見てみましょう(図3)。骨髄で造血幹細胞から分化する過程でB 細胞はそのまま骨髄でつくられますが、T 細胞になるべき前駆細胞は胸腺へ移行し、T細胞は胸腺でつくられます。別な場所でつくられた B 細胞と T 細胞ですが、それぞれ骨髄、胸腺を出てから、リンパ節や脾臓で出会って、協力し合って免疫反応を起こします。骨髄や胸腺のようにリンパ球が最初に分化するところを一次リンパ組織、免疫反応の場となるところを二次リンパ組織といいます。

( → 免疫細胞はどこで、どんな細胞からつくられるの?




 [ 付記 ]
 結論ふうに言えば、次のように言える。
  ・ 今年に流行している変異ウイルスでは、アビガンが有効かどうかは不明。
  ・ アビガンを投与するなら、初期に投与するべきだ。初期なら有効かも。
  ・ はっきりと有効なのはワクチンだが、日本は大幅に遅れているので入手難。


 個人でできる対策は、次のことだ。
  ・ 免疫力の低下を防ぐ。(睡眠不足や、仕事の過労を避ける。)
  ・ 脂肪の増加は免疫低下をもたらすので、肥満を避け、ダイエットに励む。


posted by 管理人 at 23:50| Comment(2) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
すごいブログだと思います。
要するに他のコロナウィルスと違って、端的に言えば感染したのち軽快するか重篤化するか最初の二日間が重要ということですね。
気管の病気であって、鼻、咽頭、咽喉で止めてしまえばまずは軽快するということです。
ワクチンが待望されていますが、昨年10月頃ファイザーのワクチンが日本で申請されたときは第三相試験、日本の治験者は100人以下、欧米人とアジア人では効果も副作用の異なると言われました。オリンピックに向けて無茶苦茶じゃないかと思いました。故に、老人と医療従事者が第三相試験のモルモットで、それで医療従事者の中には接種拒絶の人も出ています。数年後、身体に何が出るかわからないというのは、フェイクかもしれませんが恐ろしい話です。接種した人は5年後死ぬなどとも言われています。フェイクであっても、そう聞くと私は接種する気持ちが失せていきます。
Posted by SM at 2021年04月26日 12:59
インドではコロナになるとアビガン、イベルメクチンを渡されると思っていましたが、少なくともイベルメクチンについては8州だけで、その8州については感染爆発は起こっていません。アビガンも同様の可能性があります。また管理人さん言われてたように、アビガンとフサンで重症患者に効果有り、という内容との関連性も気になりました
Posted by gunts at 2021年04月28日 05:50
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