2021年04月16日

◆ COCOA 失敗の理由

 コロナ接触通知アプリ COCOA が失敗した理由を調べた報告書が出た。厚労省が ITに無知な素人だらけだったのが理由だ、と。

 ――

 概要は NHK の記事。
  → 「知識乏しくテストせず」 接触確認アプリ「COCOA」不具合 | NHK

 詳細は朝日新聞の記事。
 報告書は、ITの知識を欠く厚労省が業者任せにするなど、責任をあいまいにしたまま開発を進めたことが背景にあるとしている。
 報告書は、不具合の放置に至るまでに三つの「局面」があったとした。@9月のアップデート時に通知が実際に届くかどうか、動作確認のテストをせずに提供したこと、A10月に動作確認のテスト環境が整ったにもかかわらずテストをやらなかったこと、B11月にCOCOAのプログラムを公開していたサイト「GitHub(ギットハブ)」に不具合を指摘する書き込みがあったにもかかわらず、対応しなかったことの3点だ。
( → COCOAの不具合放置、厚労省「認識不足や業者任せ」:朝日新聞

 その他いろいろの無責任体制があったとも指摘されている。
 厚労省の人材不足や業者任せの対応に加え、厚労省、事業者双方の無責任な「思い込み」が連鎖し、不具合が見逃された。
  報告書では、不具合の放置に至るまでに、9月のアップデート時に動作確認のテストをせずに提供したこと、テスト環境が整ってもテストをやらなかったこと、11月に不具合の指摘を放置したこと、という三つの「局面」があったとした。そのいずれも厚労省や事業者は「ほかがやっているだろう」といった思い込みにとらわれ、問題は置き去りにされた、と指摘した。厚労省の担当者は「どのようなテストができていないのか認識できていなかった」「事業者から報告がなかった」と語るなど、業者任せの姿勢が際立った。
報告書によれば、コロナ対応に追われる厚労省内の体制は脆弱(ぜいじゃく)だった。業務が分かる職員は数人に限られ、しかも短期間で入れ替わっていた。
 開発には民間から登用された政府のCIO補佐官も加わったが、補佐官は「(担当する)結核感染症課はITを所管する部署でもない。能力に疑問を持っていた」と証言した。ただ、補佐官も開発への関与は「週1、2回」程度だったという。
( → COCOA問題、業者任せが連鎖 厚労省の能力「疑問」:朝日新聞

 業務を分かっている人は数人に限られ、しかもどんどん入れ替わる。増員を求める声は聞き入れてもらえない――接触確認アプリCOCOA(ココア)の不具合について検証した厚生労働省の調査報告書からは、4カ月間も不具合を見過ごした背景に、業務を担った厚労省のお寒い人員体制があることが読み取れる。
  厚労省内に情報技術(IT)に詳しい人材は乏しかった。民間から登用された政府のCIO補佐官も担当する体制をとっていたが、報告書によるとCIO補佐官が関与できたのは「週1、2回」ほど。民間企業からの出向者もいたが、1〜2カ月で入れ替わっていたという。
 結果として、問題を引き起こした昨年9月のバージョンアップをめぐって「意思決定などの業務は数人の限られた厚労省職員に集中すること」(報告書)になった。CIO補佐官の一人は「人がどんどん入れ替わるので、ノウハウをインプットしてもすぐリセットされてしまう」と指摘した。
( → 「人も専門知識も足りず」 COCOA業務のお寒い体制:朝日新聞

 以上のすべてをひとことで言えば、「厚労省にはITに無知な素人が開発担当だったから、必然的に開発に失敗した」となる。
 制度的に失敗せざるを得ないような仕組みになっていたわけだ。

 ――

 では、どうすればいいか? 
 菅首相ならば、こう言うだろう。
 「デジタル庁を作るので、デジタル庁が担当すればいい。そうすれば専門的な知識をもつ職員が担当するので、問題はなくなる」
 これは、うまい案のようだが、駄目だ。デジタル庁の職員なら、IT知識は十分にある(そういう人を人選する)のだが、そのかわり、各省庁の専門知識が備わっていないからだ。たとえば、ただのプログラマーならば、保健衛生の知識がない。これでは厚労省の要求する水準を満たせない。
 困った。どうする?

 ――

 そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
 「各省庁の内部に、デジタル局を設置する。そこの人員は、基本的にはIT技術者であるが、研修を受けることで、その象徴の専門知識の基礎を学習する」
 たとえば、厚労省のデジタル局ならば、職員はIT知識があるだけでなく、保健衛生の知識も学習する。(
 同様に、国交省、防衛省、外務省などでも、それぞれの内部にデジタル局を備える。そして、そのデジタル局の職員が、知識を得た上で、その省庁におけるソフトウェアの発注や管理を担当する。

 こういう「デジタル局」は、あって当然なのだが、どういうわけか、日本には設置されていない。その必然的な結果として、IT知識のない無知な素人が、COCOA を発注して、欠陥品を受け取り、それが欠陥品であるとも気づかなかったわけだ。
 ともあれ、現状には制度的な欠陥があるのだし、その制度的欠陥を正すことが必要だと言える。

 () 補注
 職員は各省庁内で必要な知識を得るように学習する。ここで、特に重要なのは、省内各部の業務内容を理解することだ。そして、「この問題ならばどこそこの部局に質問すればいい」ということを理解する。細かな専門知識は必要ないが、どこ部局の人に専門知識があるかを知っておく必要がある。そうすれば、担当部局と連携を取ることができる。
 逆に、何の知識もないと、どこの部局と連携を取ることができるかわからないので、右往左往するハメになる。今回の COCOA でも、同様のことが起こったのだろう。プログラマーと保健専門家との連携を取る人がいなかった。




 [ 付記 ]
 実は、そもそも最初からマイクロソフトや富士通のような大手に発注して、「欠陥品には不払い」という契約を結んでおけば、今回のような失敗は起こらなかった。まともな契約をするという最低限の知識もない阿呆が発注していたことになる。(賄賂(わい ろ )の額で決めていたのかも。)



 【 関連サイト 】
 厚労省の報告書。
  → 接触確認アプリ「COCOA」の不具合の発生経緯の調査と再発防止の検討について(概要)
  → 接触確認アプリ「COCOA」の不具合の発生経緯の調査と 再発防止の検討について(詳細)
 


 [ 余談 ]
 「ココア」で思い出したが、豆乳にはココアがよくマッチする。どちらも似た味だが、混ぜるとおいしい。(似て非なる、第三の味ができる。)
 既製品もあるが、ネットには「豆乳ココア」というのがいっぱい見つかる。ツイッターにもある。





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posted by 管理人 at 23:08| Comment(0) | コンピュータ_04 | 更新情報をチェックする
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