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どういうときに香りが飛ぶかというと、瓶の酒が残り少ないときだ。瓶のなかで、少量の酒だけが残っていて、大きな空間が空いているときだ。
この状況で、気温が寒冷でないと、揮発成分がどんどん酒から蒸発して、瓶の中に溜まる。それが、瓶を空けたときに、一挙に外に逃げていく。残った少量の液体には、もはや揮発成分が残っていない。すると、そのウイスキーは、もはや安酒のような味になる。
冬ならともかく、春先ゴロになると、気温が 10度を超えるので、こういう現象が起こる。
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スーパーニッカの瓶は、もともと断面積が広いので、液体が蒸発しやすい。この瓶で、残りの酒が少ないと、しばらく放置して置いたあとで、酒がすっかりまずくなる。香り豊かなスーパーニッカが、安酒のホワイトホースみたいになってしまう。
逆に言えば、ホワイトホースがどうしてあんなに安酒っぽいかというと、揮発成分がないからだ。
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で、結局、酒がまずくなってしまったわけだが、残った分量は、もともと少量だけだったので、たいした損害にはなっていない。
ウイスキーを飲むなら、冬の間に飲みきる……という方針だったが、ついつい、飲みきらずに、少し残しておいたら、こんなことになってしまった。大失敗。(というほどでもないか。)
ウイスキーは冬の飲物だ。春まで少し残しておいたのが失敗だった。
春以後は、ワインや日本酒やリキュールなどを飲もう。夏になったら、ビールもいいが、今はまだその時期ではない。
あ、そうだ。梅酒がそろそろできてきたころだ。梅酒の梅は、おいしいな。
次の冬になったら、またフロム・ザ・バレルや余市でも飲もう。
飲んべえの話でした。