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当初は女性蔑視発言が話題になった。オリンピッグというダジャレで、女性タレントの体型を揶揄したことだ。
ところがこのあと、問題が急拡大した。女性蔑視発言をした佐々木氏が辞任したあとで、佐々木氏が就任したのにともなって MIKIKO 氏がいつのまにか勝手に解任状態になっていたことが判明した。
電通に問い合わせを入れました。その際、すでに別の演出家がアサインされ、新しい企画をIOCにプレゼン済みだということを知りました。
( → MIKIKO 氏 のコメント )
MIKIKO 氏は正式に依頼され、その出来映えは素晴らしいものであったそうだ。渡辺直美が証言している。
「MIKIKO先生を含むチームと打ち合わせした」と話し始めると、「その演出がマジ鳥肌! かっこいいし、最高の演出だった。それに参加できるのがうれしかった」
( → 渡辺直美、五輪開会式への出演は「最初の演出でやりたかったから悔しかった」 : スポーツ報知 )
渡辺直美はただの肥満タレントではなく、米国で活躍している、日本では稀有な才能の持ち主だ。
→ 渡辺直美、4月からの米国移住を発表 - ねとらぼ
この人にそれだけ絶賛される MIKIKO 氏の才能も十分なものだ。
にもかかわらず、この人がいつのまにか解任状態なり、そのことの連絡さえも行っていなかったという。これはどうしてか?
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この件については、週刊文春が報じていた。その記事は有料なので読みにくいが、3月19日の LITERA がまとめふうに報じていた。
→ 排除されたMIKIKO氏は突発性難聴に 森喜朗が「あなたが女性だから」と追い打ち|LITERA/リテラ
一部抜粋しよう。
五輪の開催延期が発表されると、森氏と「親密」な関係にあり、佐々木氏と同期である電通代表取締役社長補佐の田佳夫氏が、佐々木氏を「コロナ緊急対策リーダー」に抜擢。このとき佐々木氏が「自分一人で式典をイチから決めたい」という条件を出したことから、すでに500名ものキャスト・スタッフを固めて企画が完成に近づいていたにもかかわらず、MIKIKO氏は責任者を降ろされてしまうのだ。
しかも、それまでも「天皇」のように振る舞ってきたという佐々木氏は、自身の企画案がIOCからダメ出しされると、なんとMIKIKO氏の企画案を借用し、さらには電通や組織委を丸め込んでMIKIKO氏を「排除」していったというのだ。
佐々木氏は森氏や電通の高田氏を後ろ盾にすることでMIKIKO氏を蹴落として演出トップの立場に登り詰め、挙げ句、森氏はこのときも「あなたが女性だったから」などと差別丸出しで辞任に追い込んだことを正当化した上、黙らせようとしていたというのだ。
この記事では、佐々木氏、森元首相、電通の高田氏という三名の名前が挙がっていることに注目しよう。
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さらに、文春で新しい記事が出た。
→ 「このやり方を繰り返す怖さ」五輪開会式前責任者・MIKIKO氏が電通幹部に送った“悲痛メール” | 文春
- ※ 記事の本体は、有料(330円)だが、当初は無料で公開されていた。また、書店では週刊誌が 440円で買えるので、こちらがお買い得だ。
その記事から一部抜粋すると、こうだ。
彼女が綴ったメールには開会式の責任者を佐々木氏に交代させ、演出の現場からMIKIKO氏を“排除”していった人物の名も記されていた。それは、広告業界の巨人、「電通」でナンバー2のポジションに座る最高幹部である――。
「佐々木氏を責任者に指名し、MIKIKO氏の排除を主導した“黒幕”がその後も、東京五輪を仕切っているからです」(同前)
その“黒幕”こそ、電通代表取締役という立場の田佳夫氏(66)である。
ではなぜ、電通はそんな強引なゴリ押しをしたか? 巨額の利権のためである。
「(五輪の)代理店業務の収益は、4年間で6000億円から9000億円ほどになるはずです」
いかに電通が開会式を支配しているか。その一端を示す資料がある。
そこには、以下のようなことが記されている。
すべての商流は電通から。
製作会社、スタッフすべての発注は電通が行う。
他広告代理店系のスタッフはNG
こうして業務を独占して、利益も独占しようとするわけだ。そのためには、電通以外の関係者が権力を握っていてはまずい。だから電通以外の関係者を排除しようとしたのだ。
「田氏にとってMIKIKO氏は、要望を聞いてくれず、扱いづらい存在でした。その彼女の演出チームに昨年1月から加わったのが、それまで花形とされる五輪の開会式からは外れ、主にパラを担当していた佐々木氏だったのです」
こうして、金銭の権利を独占して、巨額の利益を懐に入れようとしているわけだ。
以上が、文春の報道でわかったことだ。

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だが、以上の報道では、まったく不明なことがある。次の二点だ。
・ どうして電通という私企業が、それほどの権力をふるまえるのか?
・ どうしてその時期が、昨年末ごろという時期なのか?
これらは不思議である。
(1) 電通という私企業は、権力では国よりもはるかに下に位置する。下に位置するものが上に位置するものを動かすというのは、道理が通らない。そんなことは原理的にはありえない。そもそも森元首相は、すでに国会議員でもないし、ただの引退者だ。国に大きな影響力を行使できるはずがない。
(2) これまではずっと電通は権力をふるまえなかった。本当に電通が権力を持つのなら、初めからずっと権力をふるまっていたはずだ。なのに、昨年の末ごろになって、急に権力をふるまうようになった。それまでの方針を一変させて、すべてをひっくり返した。そういうふうに急激な方針転換が起こったのは、どうしてか?
この二つの問題を出した上で、その回答を与える。そういう形で、物事の真相を暴き出すことができる。名探偵ふうに。

その真相とは、こうだ。
「この問題の黒幕は、電通の田氏だと言われているが、そうではない。本当の黒幕は、菅首相である。プランを立てて指令をしているのは、田氏であるが、田氏の意を受けて、五輪開会式の方針を根本的に転換するように命じたのは、最高権力者である菅首相である。菅首相が GO という命令を発したから、五輪開会式の方針は根本的に転換することになったのだ」
これは当り前だ。そもそも菅首相の許可なくして、こんな大転換がなされるはずがない。森元首相が何かをしようとしても、森元首相にはそんな権力はない。そういう権力を持つのは、首相の任にある人物だけだ。そして、首相の任にある人物は、安倍晋三から菅義偉へと替わった。だから、この替わった時期以後に、電通は(菅首相を通じて)五輪開会式の権限を根本的に転換させたのだ。莫大な金儲けのために。
そして、その莫大な金の一部は、裏金を通じて、自民党の懐に入る。そしてまた、菅首相の懐にも入る。


だから菅首相は、ろくに髪の毛もないくせに、高額の床屋に行ける。
→ 【なかなか高額!】菅内閣総理大臣の散髪代が判明
→ 【画像】菅義偉はかつらか増毛?髪型の変化を時系列でまとめてみた!
ひょっとしたら、MIKIKO 氏や野村萬斎氏がクビになったのは、菅首相の髪の毛を増毛する費用をまかなうためだった……ということかもしれない。首相の毛を(見せかけで)増やすために、MIKIKO 氏は犠牲になった……ということかもしれない。
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#演出振付家 #MIKIKO さんが今夜、再放送されます!ネット上で大きな反響のあった番組をアンコール放送する #NETBUZZ #ネトバズ にて。
— プロフェッショナル仕事の流儀 (@nhk_proff) February 14, 2019
今夜11:55〜#NHk #プロフェッショナル pic.twitter.com/e5zTxF8Nez
→ 野村萬斎の娘(画像一覧)
記事:
→ 野村萬斎さん「断腸の思い」。東京オリパラ、開会式・閉会式の演出チーム解散が決まる | ハフポスト