ワクチンを高齢者に接種しようとしても、環境や能力で、格差が生じるそうだ。では、その対策はどうする?
――
フランスの話だが、ワクチンを高齢者に接種しようとしても、格差が生じるそうだ。
・ ネットで予約を取るので、IT弱者は後回しになる。
・ 交通の便利な都市住民が有利なので、交通の不便な過疎地の人は後回しなる。
こういうふうに格差が生じるそうだ。日本でも同様の問題が起こりそうだ。困った。どうする?
――
そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう……と言いたいところだが、実は、うまい案などはない。私の案は、こうだ。
「何もしないでいい」
なぜか? 理由は二つ。
(1) どっちみち、需要が供給を上回っている。その状況では、誰かが後回しになる。ここで、IT弱者が後回しになるとか、過疎地の人が後回しになるとか、そういうことが発生するとしても、仕方ない。かわりに別の方式を取るとしても、それならそれで、やはり誰かが後回しになる。結局、誰かが後回しになるのだから、どっちにしても格差は生じるのだ。
50個しかないものを 100人に配ることはできない。先に得る人と後に得る人が出るのは不可避である。ここでは、「格差が生じるのをなくす」というのは、原理的に不可能である。すでにある格差を消せば、別の形で格差が生じるだけだ。
だから、ここでは、「格差だ」などと騒がないことが大事だ。騒ぐだけ無駄というものだ。
(2) 先に得る人と後に得る人が出るとして、先に得る人の方が有利だとは言えない。なぜなら、ワクチンというものには、有効期限があるからだ。「1回ワクチンを打てば、それが生涯続く」とは言えないのだ。
インフルエンザのワクチンなら、毎年毎年、新たに打つ必要がある。(主な理由は、インフルエンザの型が変わるので、去年のワクチンは本年のウイルスには有効性が低いからだ。)
コロナのワクチンも、数カ月ぐらいで、どんどん変異していく。こういう状況では、先に打ったワクチンは、新たに出たウイルスには有効性が下がっていることが多い。
また、本人の中でも、ワクチンの効力がしだいに減退していく。酒の酔いが醒めていくように、ワクチンの効力がだんだん衰えていく。となると、春に打ったワクチンは、次の年の冬には効果が弱まっていそうだ。だったら、春に打つよりは、もっと後の夏や秋に打つ方が有利だとも言える。
――
以上の二つの理由で、「格差がある」などと騒ぐ必要はない。ゆえに、対策もしなくていい。
ワクチン格差なんてのは、素人の騒ぐ与太話だと見なして、放置するのが最善なのである。
[ 付記 ]
大切なのは、最終的に、取りこぼしなく全員に接種することだ。
・ IT弱者も、取りこぼさずに。
・ 過疎地の人も、取りこぼさずに。
こういうことが大事だ。
一方、その途中過程で、これらの人々が後回しになることは、別に問題はない。しょせん、誰かが後回しになるのだから、誰かがそうなるのは仕方ない。
この二つの問題を混同しないことが大切だ。「後回しになるのがけしからん」のではなく、「取りこぼしになることがけしからん」のである。なすべき対策を間違えてはならない。
2021年03月14日
この記事へのコメント
コメントを書く
過去ログ