石炭は製鉄所でもたくさん利用されているので、これも削減したい。では、どうすればいいか?
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発電所における石炭の利用を削減する、という話は、前項で述べた。
一方、製鉄所でも石炭は利用されている。これを削減するには、どうすればいいか?
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まず、基本として、次のことがある。
「石炭発電ならば、そんなものはやめてしまえと言えるが、製鉄所ならば、そんなものはやめてしまえとは言えない」
石炭発電ならば、他の代替発電(石油や原子力や水力や太陽光や風力)があるので、なくなっても困ることはない。
一方、製鉄所ならば、他の代替物もないので、なくなると困る。「おまえは邪魔だから消えてしまえ」と命じるわけには行かないのだ。
とすれば、たとえ石炭を利用して、炭酸ガスを排出するとしても、製鉄所については大目に見てもいいだろう。他の業種とは違って、「炭酸ガスの削減義務」というものを一律に課す必要はないだろう。
ただ、それでも、長期的には何らかの対策が進むことが望ましい。
・ 炭素を水素で代替する方法 (技術的なメドは立っていない)
・ 石炭を廃物プラスチックで代替する方法 (すでに一部で実現済み)
後者の方法は、本サイトでも以前、推奨したことがある。
→ 製鉄の炭酸ガスを減らすには?: Open ブログ
なお、この傾向を促進するものとして、炭素税を使うこともいいだろう。
他に、前項で示した「石炭税」というものも有効だろう。(石炭に特化した炭素税)
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結論。
製鉄所でも、脱炭素を推奨するべきだろうが、製鉄所については、めくじらを立てなくてもいい。脱炭素は、できるところでやればいいのであって、できそうにないところで無理にやる必要はない。
炭素税や石炭税が導入されると、製鉄所では多大な納税義務が発生するだろうが、そうだとしても、全世界でそうすれば、単に鉄が値上げになるだけであって、製鉄会社が倒産することにはならない。特に問題は生じない。
価格上昇がいくらか問題になるとしても、価格引き下げの圧力が働くがゆえに、脱炭素の新たな技術が開発されるだろうから、特に問題はない。(たとえば、課税のコストを引き下げるために、石炭の代わりに廃プラスチックを使う動きが推進される。)
【 関連項目 】
炭素税については、前に言及したことがある。そちらも参照。
→ 炭素税と石炭発電: Open ブログ
※ ここでは、炭素税だけで話を片付けている。だが、それではちょっと物足りない……という話は、前々項で示した。
→ 脱炭素にはコジェネ: Open ブログ
2021年03月04日
過去ログ
Cの持つ脱酸素力は強大で、
Hで代用するには大量の水素が必要。
実は現実的にエネルギー運搬上、NGです。
なのでバイオコークスくらいしか、
カーボンオフセット手段はないと推定されます。
先ずは炭素税。至極当然な考えだと思います。
方策でバイオコークスを海外で作っていく。
というのが現実的。
但し、鉄の高騰は
日本がいよいよ外貨獲得できなくることに直結
タイミング次第では日本から工場が半減かも。
何か打ち出の小槌は無いものでしょうか。
日本国民が飢えて、トヨタなどが海外に残る
なんてことも、韓国の三星を見てると同じ道に。