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中国の船舶が尖閣諸島に接近したら撃破する……と政府が方針を示したことで、批判を浴びた。
→ 政府、中国海警局船への「危害射撃」可能と説明 自民部会で - 産経
→ 国際法を無視する日本政府と与党に主に軍事&海保クラスタが唖然とした日 - Togetter
単に接近しただけで(まだ上陸していないのに上陸するという意図を認めて)攻撃してもいい……と政府が見解を示した。
しかしこれは、船舶の無害通航権を侵害するものであって、国際法違反だ、という批判が出た。
これでは日本が先に攻撃して戦争を始めたのと見なされる、という批判も出た。
※ 「攻撃」は「危害射撃」。つまり、危害を与える射撃。
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25日の昼に見解が出たあとで、夕方に産経の報道が流れ、 twitter でさっそく批判が湧き起こった。
26日になると、騒動を聞いた政府が「マズった」と思ったらしくて、一転して、方針を曖昧にした。
危害射撃が可能となるケースについて、加藤勝信官房長官は26日の会見で「適用は個別具体的な状況に応じて判断する必要があり、一概にお答えするのは困難」と述べるにとどめた。
( → 尖閣上陸への対応「危害射撃も可能」 政府が見解:朝日新聞 )
「ぼかしておけば失言にはならない」と思ったのだろう。だが、これはもっとまずい。原則が示されないからだ。
原則がないと、行動の指針がない。すると、相手が行動したときに、末端の裁量に任されることになる。これでは末端が何をするかも、末端任せだ。
すると、とんでもない暴走が起こるかもしれない。二つの方向で。
・ 上陸前に、攻撃する。(その後は、日中で戦争になる。)
・ 上陸されても、何もしないで放置する。(その後は、侵略される。)
どっちになっても、まずい。 困った。どうする?
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そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
・ 上陸前は、警告射撃のみを認めて、危害射撃は認めない。
・ 上陸後は、逮捕する。
・ 相手が逮捕に抵抗して、武器を使用したら、軍事的に制圧する。
この方針ならば、問題ないだろう。次の意味で。
・ こちらが攻撃するのは、相手が逮捕に抵抗して、武器を使用した場合のみである。(この場合は、既存の方針のままとなる。)
・ 相手が武器を使用しない場合には、こちらからも危害射撃をしないので、何も問題は生じない。
唯一、問題があるとしたら、相手が武器を用いないで、カンフーで抵抗した場合だ。その場合は、日本からも格闘技の強い対抗馬を出す必要がある……と思いそうだが、そんな必要はなくて、催涙ガスやスタンガンで足りる。(これは危害射撃ではない。)
これにて一件落着。
というわけで、こういう方針を、事前にきちんと明示するべきだ。(曖昧にぼかしてはならない、ということ。)