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接種の回数
ワクチンの接種の回数は、2回が標準だが、これを1回にする、という案がある。自民党が検討するそうだ。
新型コロナウイルスのワクチンの供給スケジュールが見通せないことから、自民党は1人が2回接種するのをやめて1回だけ接種することを党内で検討していくことを決めました。
確保状況がなかなか見通せない状況に、自民党の会合では2回の接種を1回にして多くの人に接種した方が公平なのではないかといった意見が複数出たということで今後、党内で検討していく方針です。
( → ワクチン接種“2回をやめ1回に” 自民党内で検討|テレ朝news-テレビ朝日 )
これを受けて、はてなブックマーク では批判が続出している。
shields-pikes 専門家じゃないクソ政治家が、雰囲気で大事なことを決めようとするの本当やめてもらえませんかね。
whkr 科学的思考の欠片もないな…。
niagado 半ワクチン派が増えるな
unamuhiduki12 十全な効果ないワクチン打ってどうすんだよ!?アホか
しかしながら、1回でもかなり大きな効果があることがすでに知られている。
米製薬大手ファイザーとドイツのバイオ企業ビオンテックが開発した新型コロナウイルスのワクチンについて、イスラエルの研究者らが、1回だけの接種でも発症を85%減らす効果があるとする論文を英医学誌ランセットに発表した。このワクチンは2回の接種が必要とされるが、1回の接種でも効果があれば、より多くの人が早く接種できる可能性がある。
( → ファイザーワクチン「1回で効果あり」 英医学誌が発表:朝日新聞 )
これはファイザーのワクチンだが、ジョンソンのワクチンも1回でも有効だということだ。
米食品医薬品局(FDA)は24日、米製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が開発する新型コロナウイルスのワクチンについて、1回の接種でも十分な有効性があるとする分析結果を公表した。
J&Jのワクチンは米国や南アフリカなどで4万人以上を対象にした臨床試験(治験)をし、1回の接種で新型コロナの発症率を66%減らす効果があった。
( → 接種1回のJ&Jワクチン、米FDAが初の使用許可へ:朝日新聞 )
1回で十分な有効性があるとのことだが、66%減という数値である。こえれはファイザーの 85%減という数値より効果が弱い。それでも「1回で十分な有効性がある」という評価だ。ファイザーの方は1回でも、もっと上の数値が出ている。
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以上は報道だが、ここで私の独自の見解を示そう。こうだ。
「回数だけでなく、接種の時期が大切だ。春ごろに接種すると、夏ごろまでは感染を防げるだろうが、半年後の秋以降では、(春に打った)ワクチンの効果が減衰してしまっているかもしれない。だとしたら、春に2回まとめて打つよりも、春と秋に分けて打つ方が、次の冬における有効性は高いだろう。
理想的には、春に2回打って、晩秋にも2回打つといい。しかし、それだけの数量のワクチンが供給されるとは思えない。だとしたら、2回打つことにして、春に2回打つよりは、春と秋に分散して2回打つ方が、次の冬における有効性は高いだろう」
これはあくまで「見解」であって、科学的に実証された事実とは異なる。度力と言えば「推測」に近い。とはいえ、実証される可能性の高い「推測」だ。「事実」に近い扱いをしてもいいだろう。
この場合には、「春には1回だけ打つ」という形の方が好ましいことになる。(ただし1回だけで終わりではない。秋にまた1回が追加される。)
ともあれ、こういうアイデアもあるので、十分に検討することが好ましい。(選択肢の幅を広げるわけだ。)
接種の順序
ワクチンの接種の順序は、下記に記されている。
→ 【ワクチン接種】スケジュールは? 優先接種となる基礎疾患は? | NHKニュース

つまり、次の順だ。
・ 高齢者 3600万人
・ 基礎疾患 820万人
・ 施設職員 200万人
この順序は、妥当だろうか? 「否」というのが私の判断である。
(1) 高齢者が最初になるが、高齢者の数が多すぎる。そのせいで、基礎疾患が後回しとなる。しかし、それでは危険だ。基礎疾患の方を優先するべきだ。数も少ないので、基礎疾患を最優先とするべきであり、高齢者はその後でいい。
( ※ そもそも、高齢者は余命が短いので、接種の価値が少ない。たとえば、余命が 20年の高齢者は、余命が 60年の若者に比べて、接種の価値は3分の1でしかない。)
(2) 高齢者を優先しても、施設職員が接種されないのであれば、施設職員を媒介として、コロナが施設内に蔓延しやすい。これでは、高齢者に優先的に接種したことの効果が薄れる。(高齢者施設の)職員については、「一人で多数の高齢者を扱うので、接種の優先度は高い」と言える。少なくとも、一般の高齢者よりも優先して、接種されるべきだ。(さもないと、その職員がスーパースプレッダーになりかねない。)
(3) 高齢者については、「施設在住」と「自宅在住」とに分けて、前者を後者よりも優先するといいだろう。前者は(集団生活で)クラスターが発生する可能性があるので、優先度が高くなるからだ。(年齢は不問)
(4) 高齢者にも、75歳以上の超高齢者と、65歳以上の普通高齢者とがいる。この二つは分けて、前者を優先した方がいい。致死率が高いからだ。(自宅分のみ)
以上の(1)(2)(3)(4) からして、接種の優先順位は、次のようにするべきだ。(左が優先)
基礎疾患 > 施設職員 > 施設の高齢者 > 超高齢者(自宅) > 普通高齢者(自宅)
これを私の見解とする。
※ 最大の比率を占める「普通高齢者(自宅)」は、現状では最優先で接種となるが、私の見解では、最後に回される。
※ 基礎疾患であることの証明は、現状では「本人の自主申告だけ」でいいことになっている。だが、「基礎疾患を証明する、薬剤履歴」(お薬手帳)を義務づけるべきだ。薬剤履歴を見れば、基礎疾患はわかる。(例外があれば、医者の証明書で。)
→ 参考: 優先接種の対象となる「基礎疾患」とは?
予約の電子化
接種のスケジュールがいまだに未定なので困る、と世田谷区長が文句を言っている。
東京都世田谷区の保坂展人区長が出席し、新型コロナウイルスのワクチンの接種のスケジュールを早急に示して欲しいと政府に訴えた。4月からの高齢者の接種に向けて、住民に接種券(クーポン)を送る作業に影響が出かねないと指摘した。
世田谷区は人口92万人。保坂氏は「いつワクチンが供給されるのかが見えない。クーポンに何月何日から始まると書けない状態で、これが続くと4月から検査を大きく回すことができない」と語った。
( → ワクチン接種「基礎自治体の声を聞いて」 世田谷区長:朝日新聞 )
この言い分はわからなくもないが、「クーポンに何月何日から始まると書けない」というのは、別に大きな問題とはならないだろう。
それよりも大切なのは、接種の日程を決めるのを、電子化することだ。そのことで、接種を受ける各人の都合と、接種をする病院の側の都合とを、うまくすりあわせることができるからだ。
これは、ホテルの予約を取るのと同様のシステムをつくればいい。既存の「ホテル予約システム」を流用することで開発できるだろう。
システムは、自治体が個別に開発するのは無理だから、政府が一括して用意して、あとはネット上で自治体別の分類をすればいいだろう。(というか、病院別の分類さえあれば十分なので、特に自治体という地域で分類する必要はなさそうだ。これはホテルの予約と同様だ。)
クーポン券は、最終的な確認のために使うだけで足りる。現実には、健康保険証か、マイナンバーカードだけでも足りるようにするべきだ。
このシステムのキモは、パソコンまたはスマホで、電子的に予約が取れるということだ。補完的な措置として、電話による受付も用意していい。(ただし手数料 500円ぐらいを取ることにする。電話応対には人的な経費がかかるので、初診料みたいなものを取るわけだ。)
こういうふうに「パソコンやスマホが使えない人向けの措置」を補完的に用意しておけば、原則的には、パソコンまたはスマホで、電子的に予約が取れるようになる。
そうすれば、クーポンに日付を記入するというような、時代遅れのアナログ的な方法を取る必要はなくなるだろう。
以後、番号繰り下げ。