2021年02月20日

◆ 川崎フロンターレ、独走の理由

 昨季のJリーグは、川崎フロンターレが空前の独走をして、他を圧する優勝をした。では、その理由は? 

 ――

 強いことは強いが、あまりにも圧倒的すぎるので、ずっと不思議に思っていた。とうてい同じ国のチームだとは思えないほどにも圧倒的だった。そこで、不思議に思いながら、いくつかの解説記事を見たのだが、もっともらしいことが書いてあるだけで、「これぞ真相だ」という解説は見つからなかった。
  → 川崎フロンターレ 強さのヒミツ | NHKスポーツ
  → なぜ川崎Fは記録尽くしの独走Vを果たせたのか?(THE PAGE)
  → なぜフロンターレは覚醒したのか? 快進撃のカギは「ルール変更」を強みに変えた試行錯誤

 こうして、謎は謎のまま残っていた。

 ――

 ところがこのたび、興味深い記事が出た。欧州から戻った酒井高徳が、「日本サッカーは世界のサッカーと全く違う」と語っている。
  → 酒井高徳「日本サッカーは世界のサッカーと全く違う」

 要するに、こうだ。
 (フリューゲルスから日本代表監督となった加茂監督以来のゾーンプレスという戦術を取って)、とりあえず相手のボールを奪うというところまではできるのが、日本のチームだ。ところが、ボールを取ったあとは、仲間内でボールを回すだけで、のんびりしている。
 一方、海外では、(ドルトムントのクロップ監督のゲーゲンプレスというふうな)高速カウンターアタックが主流となった。ボールを奪ったあとは、一挙にボールを前線にまで運んで、あっという間にボールでゴールを揺らす。
 その典型的な例が、先のワードカップで、ベルギー代表が日本代表を粉砕した場面だ。高速カウンターアタックで、あっという間にゴールを揺らした。




     → 別の動画 もある。


 この意味で、欧州のサッカーは、日本よりもはるかに先に進んでいる。「方式が違う」というような、単なるスタイルの違いではない。サッカーとしてのレベル格段に違うのだ。「大人と子供」と言えるほどのレベル差がある。
 ※ 以前の日本は、欧州に近いレベルにあったが、今では大きな差ができてしまっている。大幅に遅れている。

 酒井高徳自身は、「日本のレベルが低くなった」とは言っていないが、実質的にはそうなっていることを明らかに告げている。
 そして、ここまで読んで、私は氷解した。冒頭の疑問への理由が得られたからだ。

 ――

 日本では唯一、高速カウンターアタックをしているチームが、川崎フロンターレだ。そのことは、広く知られていることだが、次の話からもわかる。
  → 首位独走の要因は?山形へ移籍したGK藤嶋栄介が明かすフロンターレが“強い理由”「川崎に行って概念が変わった」

 この違いは、それまでは「単なるチームスタイルの違いさ」と思っていた。だが、そうではないということが、酒井高徳の話からわかった。
 要するに、川崎フロンターレだけは、欧州流の戦術を取っているのだ。だから世界レベルの試合ができるのだ。
 そして、他のチームは、昔ながらの和風の戦術を取っているのだ。だから世界レベルの試合ができない。結果的に、得点力は川崎の約半分以下でしかない。(マリノス・柏・鹿島 以外は)

 この戦術差こそが、川崎フロンターレ独走の理由だったのである。

 ※ 簡単に言えば、川崎フロンターレが特別に優れていたからではなく、他のチームが(時代遅れなほど)劣っていたからである。どれもが日本ふうのガラパゴス戦術を取っていたからである。



 [ 付記1 ]
 日本も以前は、高速カウンターアタックができたことがある。それは、フランス代表との親善強化試合で、1−0 の勝利をしたときだ。2012年。





 このころが、日本サッカーの絶頂期だったかもしれない。今はすっかり腑抜けになったが。(ハリルホジッチ監督のころは最悪だった。彼を解任しなかったら、どうなっていたことやら。)

 [ 付記2 ]
 もう一つある。歴代最高と言える、鈴木選手の爪先ゴールがあるが、これもまた、高速カウンターアタックから生まれたものだった。通常の動画には、直前のシーンがないが、次の動画には直前のシーンがある。





 ベルギー側が前線にボールを送ったあとで、日本側がボールを奪い返して、その直後に、あっという間の電光石火で、敵のゴール前までボールを運んでいることがわかる。
 なお、アシストしたのは、小野である。( → 出典
 
 このゴールに「感動した」という声はたくさんある。下記で読める。
  → YouTube コメント欄



 【 関連サイト 】

 → 高速カウンターアタック - Google 検索
 
 → ゲーゲンプレス  - Google 検索
 
posted by 管理人 at 20:52| Comment(5) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
縦に速い攻撃を日本代表にやらせようとしたのが、ハリルホジッチだったのでは?

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/55304

解任して出来た西野ジャパンがベルギーの高速カウンターにやられたのですから、日本サッカーの問題点はあの時点で明瞭だったような気がします。
Posted by 飛び魚 at 2021年02月22日 12:07
 「縦に速いサッカー」は良かったんだけど、
 「デュエル」がまずかったのでは?
 日本人の体格では、1対1でなく、1対多のプレス戦術でないと、無理でしょう。
Posted by 管理人 at 2021年02月22日 14:06
1対1で勝てないとボールも取れません。速い攻撃を行うにはボール奪取が前提だから、これはハリルも引けないでしょう。フロンターレのサッカーを代表でやっても、ボールが取れないから有効ではないのでは?

速くしろ、強くなれ、と嫌なこと(しかし正論)ばかり言われて従わなかった代表選手が多かったのが、解任劇の発端ではなかったでしょうか?
Posted by 飛び魚 at 2021年02月22日 15:29
 本項と似た趣旨の記事。

>  現役選手は育成世代のころ、2010年W杯南アフリカ大会で優勝したスペイン代表のように、ボールを保持することが守備につながるという戦術になじんできた。
> 欧州ではいま、ボールを奪った瞬間に攻撃のスイッチを入れるのが主流だ。「海外の方が勝負の縦パスをどんどん入れていく。Jリーグでも必要だ」

  https://www.asahi.com/articles/DA3S14814619.html
Posted by 管理人 at 2021年02月27日 09:33
興味深い記事のご紹介、ありがとうございます。

私からも2つ紹介させて頂きます。

https://news.livedoor.com/article/detail/9465132/
https://www.kouenirai.com/kakeru/column/sports/yamamoto_lead/2358

日本サッカーは同じことを繰り返してきています。

縦に速いサッカーはトルシエ時代に山本昌邦コーチ(当時)が口酸っぱく言っていましたが、トルシエはよく選手と問題起こしていました。ザッケローニもコレクティブカウンターを取り入れようとしましたが、選手が言うことを聞かず断念。優しいおじさんでした。アギーレもハリルホジッチも縦に速いサッカーをやらせようとし、ハリルはさらにデュエルを取り入れようとしたため、総スカン。

デュエルについても同じことを繰り返しそうな気がします。

福田氏の文を読むと、自分たちのサッカーを他に求めて、速いサッカーもデュエルもどこかでまた拒否しそう。パス回しのうまいボランチが格好良いと思っているんですよ。

朝日の記事にある「勇気を持った決断の少なさ」が国民性とありますが、ラグビー代表に対して失礼でしょう。体の当たりを嫌う「エエ格好しい」がサッカーを選び、厭わない子がラグビーを選ぶのでは、と私は思っています。
Posted by 飛び魚 at 2021年03月01日 19:20
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