2021年02月22日

◆ 重国籍を認めるべきか?

 日本と外国の、二重に国籍を持つことを認めるべきか?

 ――

 これは法律の問題だ。私としてはあまり関心がなかったし、どっちでもいいと感じていた。だが、朝日新聞の社説を読んで、気になったことがあった。
 原告の一人はスイス在住で、経営する会社が現地で入札に参加するには国籍が必要とされた。他にも不動産の購入や公の仕事への参画など、生計を維持し、あるいは活動を広げるために居住国の国籍が要求される局面はしばしばある。
 だが取得に踏み切れば、その人のアイデンティティーを形づくってきた日本国籍を失う。将来、親の介護や転職などで日本に戻ると「外国人」として扱われ、今度は故国で様々な障壁に立ち向かわねばならない。
( → (社説)国際化と国籍 時代に沿った見直しを:朝日新聞

 なるほど。ずっと外国で暮らすなら日本国籍は必要ないが、長く外国で暮らしたあとで日本に戻ることもある。そのとき日本国籍がないと不便だ。日本で生まれて育ってきたのに、途中で外国暮らしがあったというだけで日本国籍を失わせるのは不合理だ。
 こういうことが起こるのは、世の中が国際的になってきたからだ。昔ならば、外国に移ればそれで終わりだったが、今では日本と外国を行ったり来たりすることが多い。そういう国際化の時代に、「重国籍の禁止」という制度は、時代遅れになってしまっている。

 とはいえ、「あるときはあちら、あるときはこちら」というふうに、コウモリのように都合のいいところをつまみ食いするのは、一般国民の同意を得にくい。「あいつらばかり、いいことしやがって」というふうに、やっかまれる。

 結局、あちらか立てば、こちらが立たず。困った。どうする?

 ――

 そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。次のいずれかだ。
 (1) 重国籍を認める。ただし在外中には「特別税」を払う。年額 10〜30万円程度。
 (2) 重国籍を認めない。ただし、いったん喪失した日本国籍を、あとで容易に復活できるようにする。日本に帰国したあとで、それまでの外国籍を失わせて、かわりに日本国籍を復活させる。


 このいずれでもいい。どっちみち、日本に帰国したあとでは、日本国籍があることになる。
 逆に言えば、これらの救済策がない状況では、現状の「重国籍の禁止」は非合理的だ。「救済策がなければ違憲だ」と言ってもいいだろう。

 ――

 地裁では、現行制度を「国会の裁量の範囲なので合憲だ」と見なしているが、国会にそんな裁量があるわけがない。
 仮にそんな裁量があるとしたら、国会は国民全体の国籍を剥奪して、国民の権利をすべて奪ってもいいことになる。(国籍を剥奪すれば、憲法に与えられたすべての権利の対象外となるからだ。)
 あるいは、任意の相手を選んで、「非国民」と認定することで、いくらでも弾圧していいことになる。
 これではあらゆる憲法の権利が有名無実となる。
 だからこそ、「重国籍の禁止」をするならば、救済策が必要となる。救済策のない「重国籍の禁止」は憲法違反だ、というのが、私の判断だ。
 
 ※ 日本国民が、外国で過ごして、日本に戻ったら、国籍が剥奪されていて、あらゆる権利を消失していた……というのは、国家権力の濫用だとも言える。そんなことをする裁量が、国会にあるはずがない。

 ※ ただし、「外国籍を保有している期間中だけ、日本国籍の効力を停止する」というのは、あってもいいだろう。そのくらいならば、国会の裁量と言える。しかし、「復活」を認めないのは、裁量権の逸脱だ。
 
 
posted by 管理人 at 22:49| Comment(0) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
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