2021年02月15日

◆ 組織委会長は政府が決めよ

 五輪組織委の会長は誰にするべきか? 組織委の検討委が決めることになっているが、政府が決めるべきだ、と私は思う。

 ――

 森会長が辞任したあとで、川淵三郎氏の名前が挙がったが、それも消えた。橋本聖子大臣が有力視されたこともあったが、本人がイヤがっている。(大臣からの降格だから当然か。)
 橋本氏が次期会長に就く場合は、公益法人の役員を兼務できない大臣規範により、五輪担当相を退く必要がある。関係者によると、川淵氏に一本化された際も橋本氏を推す声があったが、橋本氏は大臣辞任に難色を示したという。
( → 森喜朗氏の後任会長は誰に? 最有力の橋本聖子氏は難色か - 毎日新聞

 現状では、組織委の検討委が決めることになっているが、これが非公開となっていることで、「隠すな」という批判も出ている。
 だったら政府が堂々と指名すればよさそうなものだが、それには「スポーツに政治が介入するな」という建前論が強いので、なかなかそうもなりそうにない。
 つい先日も学術会議に首相が介入したことで、首相は大きく批判を浴びたので、ここでまた「スポーツに介入するな」という批判を浴びたくないという気持ちもあるだろう。

 ともあれ、組織委の定款に従えば、会長は理事のなかから決めるしかないが、理事のなかで行政経験のある女性は丸川珠代氏だけなので、この人に決めるしかないかもしれない。とはいえ、それではいかにも小物過ぎる感じだ。行政手腕も十分とは言えそうにない。

 ――

 そこで、私の見解を言おう。

 まず、「誰にするべきか」の前に、「誰が決めるべきか」という問題がある。現状では検討委という、たったの 10名ぐらいが決めることになっているが、これはあまりにも軽薄すぎる。学級会でおままごとをやっているわけじゃない。国全体で兆円規模の支出をする問題だ。なのに、10人ぐらいが勝手に相談して決めるというのは、自分勝手すぎるというものだ。
 これは、比喩的に言えば、「そこいらの小学生に日本の国政を委ねる」というのにも似ている。あまりにも大きな責任をともなう問題を、あまりにもいい加減な人事で決めるからだ。
 また、報道によると、検討委の委員はアスリートが中心になるということだが、この問題はスポーツの問題というより、スポーツ行政の問題であるから、アスリートよりは政治経験者が決めるべきだ。
 
 以上のことから、私としては、こう言いたい。
 「五輪組織委の会長は、政府(首相)が責任をもって決めるべきだ。スポーツのことだからといってスポーツ関係者に丸投げして、自分では責任を取らないのであってはならない。すべての責任を、任命権者である自分が取ることにして、政府(首相)が責任をもって決めるべきだ」


 このことは、当然、次のことも意味する。
 「森会長のような発言があったら、政府がさっさと解任するべきだ。今回は、本人が辞職するのを待ったが、そういうことはあってはならない。政府が責任をもって、こういう場合には解任するべきだ」
 その意味で、政府の責任は、現状よりもはるかに厳しくなる。

 ――

 さらに、任命の権限については、次のように言える。
 政府はスポーツ試合の運営については口出しをするべきではない。それはあくまでスポーツ関係者に任せるべきだ。一方で、金の拠出に関わることは、全面的に口出しするべきだ。
 たとえば、代々木の国立競技場では、金食い虫のザハ案に決まってから取り消しになるという混迷があった。どうしてこういう混迷があったかというと、次のことによる。
 「どれにするかということは、組織委の人間が勝手にデザイン面だけで決めて、その金については国にツケ回しした」
 ここでは、どれほど莫大な金がかかっても、単に国にツケ回しするだけのことだから、「超豪華な金食い虫の競技場にする」という決定がなされた。その間、金を出す側の国は蚊帳の外に置かれた。
 こういうのはいわば、「ドラ息子が放蕩の限りを尽くして、ツケを親に回す」というようなものだ。馬鹿げている。
 本来ならば、金を出す側である国が(財布を見ながら)決めるべきであって、組織委なんかが(財布も見ないで)勝手に決めるべきことではなかったのだ。

 そして、組織委の会長についても同様である。組織委の会長は、大会の運営全体に責任をもつ。そこでやることは、大会全体の行政的な運営なのだ。個別の試合のスポーツ的な運営ではないのだ。
 とすれば、そこでは、何よりも優先されるのは行政手腕だ。スポーツ能力などは何も必要ない。スポーツへの理解も必要ない。したがって、橋本聖子大臣が出てくる必要もない。(広告塔としての意味ぐらいしかない。)

 ――

 以上のことからして、私の結論はこうだ。
 「五輪組織委の会長は、政府(首相)が責任をもって指名する。理事会はそれを追認すればいい。その人が理事でないのなら、まずは理事にしてから、会長に指名すればいい」
 「誰にするかといえば、スポーツ経験はまったく必要なく、行政経験だけがあればいい。また、女性であれば、なおさらいい」

 ちなみに、十分な行政経験のある女性というのは、事実上、橋本聖子大臣と野田聖子氏と丸川珠代氏しかいない。いずれにしても、格からすれば、森元首相(議員から引退済み)よりも上だろう。これで問題があるとは思えない。ただし、五輪が実際に開催されるかどうかは、不明である。
 
 ま、人選がどうなるかについては、流動的なところもある。だが、基本方針としては、「検討委ではなく政府が決めるべきだ」というのが、私の見解だ。

 ※ ただし現実には、そうはなりません。現実には、検討委が決めることになる。「しかしそれは間違った方針だ」というのが、私の見解だ。




 [ 付記1 ]
 上記では「行政経験」を重視した。だが、森元首相だって行政能力が十分にあるわけではなくて、お飾りみたいなものだった。そこでよく考えると、組織委の会長に最も必要とされるのは、外国要人との対人交渉能力かもしれない。IOCの会長と会って面談・接待することなどだ。
 その意味では、アナウンサーの経験のある丸川珠代氏が適任かもしれない。

 [ 付記2 ]
 女性の大臣経験者は、他にもいた。下記の通り。
 片山さつき・松島みどり・山谷えり子・高市早苗・小渕優子・有村治子・有村治子・稲田朋美・森まさこ・上川陽子。
 このうち大物と言えるのは、片山さつき・小渕優子・高市早苗。



 ※ 以下は読まなくてもいい。

 [ 補足 ]
 「政府が決めるべきだ」というのは、政府の官僚などが十分に調査して候補を出してから、数人に絞って評価する……という経緯を経て、行政的に決めるということだ。「首相が自分の好き嫌いで決める」ということではない。学術会議の任命拒否のようなこと(拒否の理由もきちんと説明できないようなこと)であってはならない。

 菅首相は今回、「五輪組織委は独立した組織なので、会長の人事には口出ししない」というようなことを言っていたが、学術会議の拒否のときには、独立した組織に介入したので、「ダブルスタンダードだ」と批判されている。
  → 菅首相 森会長進退に介入否定「学術会議とダブスタ」と批判の嵐(女性自身)

 ただ、それを言うと、私が本項で「政府が決めよ」というふうに主張するのも、ダブスタだと見なされかねない。そこで釈明しておくと、こうだ。
 「個別の委員の任命という細かなことへの介入と、五輪組織委のトップの人事という大きなことへの介入とは、話の次元が異なる」
 今回の件で言えば、会長人事を決めるのはいいが、個別の試合の審判や選手の人事にまで介入するべきではない。政府が介入してもいいのは、あくまでトップレベルの人事だけだ。
 
posted by 管理人 at 23:14| Comment(8) |  東京五輪・豊洲 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 丸川珠代も、大臣の経験があったので、名前を追加した。
 文中リンクの女性大臣一覧のページは、データが古すぎたようで、最新のデータが抜けていたようだ。
Posted by 管理人 at 2021年02月16日 06:39
滝川クリステルがいいと思う。
Posted by SM at 2021年02月16日 09:38
任命権が内閣総理大臣にある日本学術会議とは比較できないと思います。

そもそもなぜ女性に拘るのでしょうか。
能力がありふさわしい人なら性別は関係ないと思うのですが。
逆に能力は劣るが女性だからという理由で採用するのは国益に反するのではないでしょうか。
Posted by 単純脳 at 2021年02月16日 13:55
> 任命権が内閣総理大臣にある日本学術会議

 内閣総理大臣に任命権はありません。

 → http://www.kanaben.or.jp/profile/gaiyou/statement/2020/post-342.html

 任命の義務がある、と見なす方が妥当でしょう。
 選ぶ権利は、学術会議にあります。

 → https://bit.ly/3bpemF5

> なぜ女性に拘るのでしょうか

 社会全体に女性差別があるので、女性進出を推奨するために、女性の採用をなるべく増やすべきだ、という世界的な潮流があります。
 あなたがそれを知らないだけでしょう。もうちょっと世界の最新常識を理解しましょう。今は昔とは違うんです。

 → https://bit.ly/3rYID41
Posted by 管理人 at 2021年02月16日 16:05
 [ 付記2 ]を加筆しました。
 女性の大臣経験者を、大幅に追加しました。
Posted by 管理人 at 2021年02月16日 19:24
いえ、機会均等であればいいだけで女性率を上げる必要があるとは思えません。
それなのになぜ
>女性の採用をなるべく増やすべきだ、という世界的な潮流が
なぜあるのか、ということです。

男性よりも能力は低くても、女性というだけで採用するのは
(身体)障害者を一定率雇用する義務に通ずるものであり、
女性は男性より手間がかかると言ってるのと同じではないでしょうか。
Posted by 単純脳 at 2021年02月17日 17:35
> 機会均等であればいいだけ

 機会均等ができていないのが現実の社会だ、ということを見失っていますね。
 あなたの言うことは、男性優先社会が解消したあとになってのみ成立する絵空事です。

 たぶん女性の直面している困難に気づかないような、視野の狭い人なのでしょう。それほどにも思いやりのない人だと、女性にはもてませんよ。
Posted by 管理人 at 2021年02月17日 19:51
概ね管理人さん(菅さん)の意向通りになったのですが、橋本聖子も丸川珠代も既にマスコミの餌食になってます(笑)
ほとぼりが冷めるまで、しばらくは見物ですね?
Posted by Hidari_uma at 2021年02月19日 06:27
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