※ 【 追記 】 を加筆しました。「かんばん方式」で解決する、という方法。
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コロナのワクチンは、ファイザー製のものが主体になる。ただし零下 70度の保管が必要なので、1170人分をまとめて管理する必要があり、「集団接種」が基本になると見込まれていた。ところがここに来て、小分けの管理が可能だと判明したことで、小さな診療所で接種するという「個別接種」を基本とするという方針が新たに出た。練馬区はその方針を取るつもりだそうだ。
→ ワクチン、個別接種が急浮上 「密」避けられるが弱点は :朝日新聞
しかし規模が小さくなると、需要と供給を合致させることが難しくなるので、廃棄が出やすい。記事にはこうある。
キャンセルなどでワクチンの無駄が生まれやすい
物事には(個人の都合のような)突発的な変動が起こりがちで、そのせいで「廃棄」という無駄が出やすいわけだ。
では、これを解決するには、どうすればいいか?
この問題は、最適化の問題だが、数学や経済学の手法を使って、うまく解決できないか?
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経済学の立場では、最適配分は、「市場原理」で解決するはずだ。
「最も高値を払う人が、最も利用価値(効能)が高いので、価格で決めればいい」
というわけだ。
しかしこの方法は、ワクチンには不適である。金持ち優遇になりがちだからだ。ゆえに、「市場原理で」という方法は駄目だ。
では、別案は?
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私としては、こう提案したい。
「余って無駄になりそうな分(使用期限切れが近づいた分)は、優先順位の低い人に接種すればいい」
優先順位の低い人というのは、次のことだ。
「基礎疾患などがなくて、年齢が 65歳未満の人」
私が特に決めていいのなら、そのなかでは最も優先順位が高いものを選ぶようにしたい。そこで、次のようにしたい。
「基礎疾患には含まれないような軽度疾患があり、50歳以上の人」
ここでいう軽度疾患は、次のようなものが該当する。
・ 高血圧
・ ぜんそく
・ 内臓疾患(循環器系を含む)
たとえば、高血圧ぐらいだと、今では優先的な接種の対象とはならない。
慢性心疾患※2
※2 血行動態に障害がある者を対象とする。ただし、高血圧を除く。
( → 新型コロナウイルスワクチンの接種順位等について )
軽い不整脈ぐらいでも、同様だ。(慢性ではないので。)
また、喫煙者も、リスクは同程度らしい。
以上のような人々は、内臓に関する軽度疾患があり、コロナ感染のリスクがいくらか高いと評価されているが、今回の優先接種の対象とはなっていない。そこで、これらの人々を、(期限切れが近いワクチンの)接種の対象とすればいいだろう。
[ 付記1 ]
問題は、不正利用だ。接種の対象外の人が「オレに接種させろ」と割り込んでくるのをを防ぐには、どうすればいいか?
対策は、二つある。
・ 接種を有償化する。1回 2070円(実費)を本人から徴収する。
・ 期限切れの直前にのみ告知する。
(1) 有償化するのは、「タダなら欲しい」という乞食根性の人を少しでも減らすためだ。待てば、誰でもいつかはタダで接種してもらえる。ならば、ケチな人は、「タダになるまで待とう」という動機が生じる。その分、割り込みたがる人は減る。(ただし、金持ちは防げない。)
(2) 期限切れの直前のみ、という条件は、金持ちの利点を排除するためだ。ここでは、「意欲のある人だけ」が接種を受けられるようにする。金よりも、欲しがる意欲が優先される。具体的には、次のようにする。
期限切れの前日の朝から、病院のホームページ上で「接種可能です。人数はN人」と告知する。その告知をチェックして、さっさと申し込んだ人だけが、接種を受けられる。そのためには、病院のホームページを熱心に見続ける意欲が必要だ。その意欲のある人だけが、接種を受けられる。(しかも有償だ。)
なお、応募に対しては「先着順」ではなく、「抽選」または「症状順」にするといいだろう。
例。午前 10時に公開して、11時に締め切り。それまでの応募者のなかから、「抽選」または「症状順」で接種者を決める。人数が上限に達しなかった場合には、以後、先着順で決定。上限に達した時点で、受付停止。ただし、補欠(キャンセル待ち)あり。
[ 付記2 ]
有償化の金額(2070円)の根拠は、下記だ。
現在開発が進められている新型コロナウイルスワクチンが接種可能となった場合の費用に関しては、厚生労働大臣の指示に基づき国の負担により実施することを踏まえ、全国統一の単価で接種1回目、接種2回目ともに2070円(消費税については、定期接種の予防接種と同様の取り扱い。ワクチン代はワクチンを国が確保し供給するため、含まれていない)とすることが盛り込まれた。
( → 新型コロナウイルスワクチンの接種費用は事務費も含めて2070円に | 日医on-line )
ここで言う費用とは、病院に払う費用だと考えていい。原則として、払うのは国であって、患者ではない。
ただし本項の提案では、本来ならば無償のはずの接種代が、例外的に有償となる。理由は、すでに述べたとおり。( ※ つまり、タイトルに述べたように、「ワクチン廃棄をなくすため」である。)
【 追記 】
廃棄を減らすためには、まったく別のアイデアもある。それは「かんばん方式」(在庫なし方式)だ。これは次のことを意味する。
「一度に大量の瓶を配達するのではなく、少しずつこまめに配達する。(毎日または隔日で)」
たとえば、有効期限が4日間ならば、全量を4日ごとでなく、半量を2日ごとに配達する。そうすれば、古い半量の一部が余っても、それは3日目に使えばいいから、期限切れにならない。
この場合、今回分の一部を廃棄する必要はない。かわりに次回分の注文を少し減らせばいいだけだ。
コロナワクチンは一般の薬のように体重によって効き目が
ちがうってことはないのですか
老人にはアメリカ人みたいな人もいれば
子どもと同じような体重の人もいます
同じ量のワクチンをうってしまって良いのでしょうか
アメリカ人を基準にしてるなら
日本人なら1瓶で7人分取れるってことはないのでしょうか
市役所が市内の接種可能な病院すべてを接種開始日から載せ、
毎日更新する方がいいように思います。
(早めに0になってれば前日まで待たなくてもその病院での接種は無いと解かる)
また、応募して当選しても当日来ない可能性があるので
・優先接種は期限1日前を終了日とする
・期限切れ当日に来院した希望者に先着順に接種を行う
(病院に着いた時点で当落がわかるので無駄がない)
・残り時間が減る毎に値下げし、最終的には無料で提供して廃棄をなくす
がいいと思います。