2021年02月04日

◆ コロナ対策と保健所

 コロナ対策における保健所の問題をいくつか。ボトルネック、人員増、オンライン化などの話題。

 ――

 (1) 保健所の人員を増やせ

 医療崩壊では、患者をうまく病院や宿泊療養施設に入所できないという問題が発生しているが、ここでは、保健所の能力不足が影響していることが多い。
 保健所という小部分が能力不足となっているせいで、全体の流れそのものが阻害されていることになる。
 このような概念は「ボトルネック」という用語で説明される。
 物事がスムーズに進行しない場合、遅延の原因は全体から見れば小さな部分が要因となっており、他所をいくら向上させても状況改善が認められない場合が多い。このような要因部分を、ボトルネックという。

 瓶のサイズがどれほど大きくても、中身の流出量・速度(スループット)は、狭まった首のみに制約を受けることからの連想である。

bottle-nk.png

( → Wikipedia

 (一時的に)ボトルネックが生じている場合には、ボトルネックを解消することが最重要となる。そのためには(一時的に)かなり多額のコストがかかってもいい。なぜなら、それによって他の部分の遊休が解消するので、大幅な効率改善になるからである。

 以上は、原理である。この原理を、現在の医療崩壊(医療逼迫)に当てはめると、次のように結論できる。
 「保健所の人員不足を解消することが、ボトルネックの解消になる。だから、これが最重要である。一時的に多額のコストがかかってもいいので、保健所の人員不足を解消するべきだ」

 具体策としては、臨時職員を増やしもいいし、人員を配転してもいい。その方法は問わないので、とにかく、保健所の人員を増やすべきだ。

 ※ なお、ボトルネックの件については、前にも解説したことがある。そちらを参照。
  → ボトルネックの発想(停電で): Open ブログ


 (2) 保健所の調査はオンラインで

 現在では、電話で聞き取り調査をしていることが多いので、多大なマンパワーを必要とする。これは馬鹿げているので、オンラインで回答できるようにするべきだ。
 この件では、前に私は HIS-SYS というものを提案した。(スマホ対応可)
  → コロナ入力システム HIS-SYS

 これと似たものは、すでに実現していると判明した。横浜市・瀬谷区の例だ。
  → 自宅・宿泊施設療養のためのヒアリングシート

 とはいえ、これには難点がある。
  ・ スマホに対応していない。
  ・ 質問画面の背景が青色なので、文字が見にくい。
  ・ 見にくいし、操作しにくい。

 以上の難点ゆえ、HIS-SYS よりも大幅に劣る。

 スマホで楽に回答できるようにするべきだ。( HIS-SYS のように。)


 (3) 患者のチェックはオンラインで

 自宅療養や宿泊療養者の病状のチェックは、保健所などが電話で聞き取り調査をしていることが多い。
 しかし、人手でやるのでは多大なマンパワーを必要とする。また、患者にとっても負担が大きい。
 ( ※ 一部では自動電話システムでの応答を導入しているところもある。音声で自動質問して、プッシュボタンで回答させる。これだと、マンパワーは必要ないが、患者の負担が大きい。)
 こういうこともまた、オンラインで回答させるようにするべきだ。オンラインならば、「2時間ごとの報告」という形で(報告の)回数を増やすこともできるので、小刻みなチェックが可能となる。また、患者の負担も少なくて済む。


 (4) 患者の調査を生かせ

 現状では、保健所が患者の調査をしているが、これはほとんど無意味になっている。なぜか? この調査は「調査すること」自体が目的となっており、「書類を完成させること」だけが目的となっているからだ。
 そのせいで、本来の目的が達成されていない。本来の目的とは? 「患者を救う」ということだ。たとえば、患者が「状態が悪い」と報告したり、何も報告できなくなっていたりすることがある。こういう場合には、ただちに患者の状態を調べるために医療担当者を派遣するべきだ。
 ところが、現実には、それができていない。患者が「状態が悪い」と報告しても、何も報告できずに寝たきりになっていても、保健所は何もしないで放置するだけである。このことは、前々項で示した通り。
 陽性と判定されたときは37.5度ほどの熱があるぐらいで、自宅で療養するよう保健所から指示された。「若いからすぐ治る」とも言われたという。
 しかし急に体調が悪化した。(中略)
 保健所から健康観察のための連絡が入ると聞いていたが、一度もなかった。不安と絶望ばかりが募った。
 ――
 都内の会社員の女性(38)が陽性と判定されたのは、1月中旬だった。 一人暮らし。そのうえぜんそくを患っている。
 看護師が常駐しているホテルで療養させてほしいと、保健所に頼んだ。担当者は「待ちの方もいるので、なんとも言えません」。2日間待ったが、結局、「調整がつきませんでした」と断られた。
( → 「死ぬかもしれない」 誰にも頼れない、単身の自宅療養 :朝日新聞

 結局、何を回答しようが、保健所は何もやってくれないのである。保健所がやっていることは、患者のデータベースを作ることだけであって、患者の命を救うことではないからだ。彼らの目的はあくまで書類作成なのであって、人の命のことなどは眼中にないのだ。

 それというのも、保健所の主要業務が「電話による聞き取り」という形の「データベースの作成」であるからだ。これにかかりきりになっているので、患者の方にまで手が回らないわけだ。

 だから、患者のデータを取ったなら、そのデータを生かすように、制度を変える必要がある。患者が「状態が悪い」と報告したり、何も報告できなくなっていたりしたら、そのデータをもとに、ただちに行動を起こすように制度化する必要がある。
 そして、そのためには、そのための人員が必要だ。

 現状では、保健所の人員は、データの作成(電話の聞き取り)で手が一杯になっている。これを解決するには、
  ・ 保健所の人員を増やす
  ・ 患者の調査をオンライン化する

 という二点が必要だろう。

 ※ うまく行けば、調査をオンライン化することで、浮いた人員を「患者の命を救うこと」に回せるかもしれない。
 ※ ただし現状のオンライン化は、上の例を見ても、ひどいものだ。

posted by 管理人 at 23:54| Comment(1) |  感染症・コロナ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
オンライン化≒国や社会のインフラそのもの
よって、
「行政は最大のサービス産業である!」
との命題を実現することができない。
いつまでたっても、情報科学国家への道のりを歩むことができないでいます。
ましてや、データに基づく政策の実現においてをや。
Posted by yomoyamayama at 2021年02月05日 00:28
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