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イオンのレジゴーというのが、近所のイオンに設置された。当初は使う人はすごく少なかったのだが、最近になると、使う人が増えてきている。
「こんな面倒臭そうなものを使う人なんて、いるはずがない」
と思ったのだが、どんどん使う人が増えているのが、不思議だった。
「スマホをいじるのが大好きなスマホ中毒の人がいじるのかな?」
とも思っていた。
ところが先日、イオンで買い物をしたら、普通のレジも、セルフレジも、順番を待つ人で長蛇の列ができている。
一方、レジゴーを使っている客はいなかった。客の列がなくて、待ち時間ゼロだ。「だったらこっちを使った方が早い」と思ったので、使ってみた。その体験談。
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結局、面倒くささは、予想通りだ。いちいちスキャンする必要がある。そのこと自体は、セルフレジと同様だが、セルフレジは、バーコードを探さなくても、機会が勝手に探してくれる。
一方、レジゴーだと、自分でバーコードを探す必要がある。バーコードを上に向けて、それをカメラで撮影する必要がある。
また、セルフレジだと、両手で商品を持てばいいから、流れ作業ふうに、次々とスキャンできる。1商品につき5秒ぐらいだ。
一方、レジゴーだと、商品を持ったあとで、レジゴーのスマホを両手で使う必要があるので、流れ作業にはできない。商品をつかんで上向きにするのに5秒、撮影するのに5〜10秒。かなり時間がかかる。面倒臭い。……それでも、商品の数が少なければ、何とか我慢できる。
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結論。
セルフレジに長蛇の列ができていて、レジゴーの列ができていないのなら、レジゴーを使う方が早い。
商品の数が少なければ、レジゴーの手間がかかるのは、何とか我慢できる。(だけど商品の数が多くなると、面倒臭い。)
全般的には、「スマホをいじるのが大好きなスマホ中毒者向け」という感じだ。とはいえ、今はそういう人が大多数だから、そういう人にはいいのかも。
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なお、イオンにとっては、大幅なコストダウンになるようだ。
・ レジ係の人件費が不要
・ セルフレジの高額な機械が不要
・ 通常のレジのために必要な土地と建物が不要。(列ができないので)
必要なものは、安価な特注スマホと、簡単な精算機だけだ。コストは非常に安く済む。
難点としては、「スキャン漏れ」による「万引き」(意図的であるか否かを問わず)が生じそうだ。しかし、それが1%ぐらいあるとしても、レジ係の人件費よりは安上がりになりそうだから、総額では十分にペイしそうだ。
万引き率が5%になるというような異常事態でも起こらない限り、十分に利益が上がりそうだ。
客としても、混雑時のものすごい長蛇の列が避けられるので、最悪の事態を避けられるというメリットがある。
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使い前には、「こんなものは意味がわからん」と思っていたのだが、実際に使ってみると、十分に長所があることがわかった。近年のスーパーの改善のなかでは、久々のヒット作だと言えるだろう。
だけど、私は、あまり使う気はないね。混雑時に買い物をするという場合には使うだろうが、そもそも混雑時にスーパーに行くことはあまりないので。
( ※ 長蛇の列に並ぶのは、うんざりだ。たまに長蛇の列にぶつかると、「ちっ。失敗した。もう失敗を繰り返すまい。この時間帯には来るまい」と思う。)
[ 付記 ]
商品のバーコードをスキャンするとき、買い物カゴを置くための台が必要だ。ところが現実には、その台がない。となると、客は買い物カゴを床に置いて、自分はしゃがんで、商品のバーコードをスキャンすることになる。ひどいね。
イオンは会計装置の前に、買い物カゴを置くための台を設置するべきだ。まったく、客を馬鹿にした話だ。
※ 「買物の途中でスキャンする」という方式だけを想定しているから、こういう馬鹿げたことになる。実際には「買物の最後に まとめてスキャンする」というふうにするものだが。
【 関連サイト 】
→ イオン、レジに並ばない新買い物スタイル「レジゴー」。スマホで自分でレジ打ち
→ レジに並ばなくていい、イオンの「レジゴー」を試してみた | GASKET
→ 子どもにも人気のイオン「レジゴー」を体験してみた
→ “買いすぎ防止”スマホレジを導入したら、客単価が20%上昇 イオン「レジゴー」の秘密に迫る