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車の燃費は冬に悪化する。ちょっと悪化するぐらいかと思ったが、かなり差が付くようだ。下の例では、2月に 9.5km/L で、5月に 14.2km/L だ。ずいぶん差が付く。
→ 日産新型エクストレイルの実燃費を公開!高速では悪いのか?
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では、その対策は?
一案が、除湿用のコンプレッサーを切ることだ。こいつが除湿のために多大な電力を食うことで、燃費を悪化させるからだ。
実はクルマで暖房を使うだけであれば、ガソリンは消費されません。なぜならクルマの暖房はエンジンの排熱を利用しているため、冷房に比べ電気をほとんど使っていないからです。でも暖房をずっと入れているとガソリンの減りは早くなると思われる方も多いかもしれません。それはコンプレッサーを使っているからなんです。
コンプレッサーには循環する空気の湿度を取り除く機能があります。クルマを運転していて外気温との差によって窓が曇ってしまうことがありますよね。コンプレッサーはその曇りを取る働きもしています。このコンプレッサーを動かすには大きな電力が必要となるため、ガソリンの消費も増えることになります。
そこで窓が曇っていないときなどには、このコンプレッサーのスイッチ(通常A/Cと記載されています)を切ることでガソリンの消費を抑えることができます。
( → 冬でも燃費向上大作戦|AUTOBACS.COM )
「基本的に車の暖房はエンジンの排熱を利用しているため、コンプレッサーを回す必要はなく、ガソリンを余分に消費しません。暖房のみ必要なときは設定温度を上げて送風にするだけで、A/CボタンをOFFにしても大丈夫です」(オートバックスセブンIR・広報部)
ただし、送風だけの暖房だと車内の湿度が高くなり窓が曇りやすくなります。
「そんなときはA/CボタンをONにして車内の除湿をする必要があります。状況に応じてA/Cボタンを使い分けてください」(オートバックスセブンIR・広報部)
( → 車の燃費、冬は夏より最大30%も悪い!? - ウェザーニュース )
曇り止めぐらいだったら、ときどき窓ガラスを布で拭くだけでも足りそうだ、という気もするが。ま、場合によるのかも。(地域差もありそうだ。)
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別案もある。エアインテークとなるグリルをふさぐことで、冷たい空気の流入を防ぐ、ということだ。
私が思ったときにはアイデア止まりだったが、ネットで調べると、実際にやっている人が多数いると判明した。燃費が1割〜4割ぐらい向上するそうだ。(車によるが。)
→ 冬対策!秘技「グリル塞ぎ」で空気抵抗を減らし、吸気温度を上げよ!
→ 新型シエンタのグリル塞ぎ 2回目の冬 燃費を比較:シエンタハイブリッド 170
→ 燃費改善対策 | マサの自己満日記
→ 冬支度Ver.2とバックアップランプのLED化 プリウスのカスタマイズ その8 - 思いつくままに書いています
→ ボンネット エアインテークダクト穴ふさぎ その2 | スバル WRX S4 by negima1960
→ みんカラ - グリル塞ぎ([条件]整備手帳)のキーワード検索結果一覧
→ 超簡易的なグリル塞ぎ | ホンダ フィットハイブリッド by McKeeまゆげ
→ フロントグリル塞ぎしてみた… | トヨタ プリウス G's by アボ〜ン
→ 初めてのグリル塞ぎ | トヨタ プリウスα by プリ - α
→ グリル塞ぎによる燃費向上 | トヨタ プリウス by チャヤ
→ 『「グリルふさぎ」やってみました』 トヨタ プリウス 2009年モデル のクチコミ掲示板
→ 『ラジエター塞ぎ。』 トヨタ アクア 2011年モデル のクチコミ掲示板
こんなに効果があるのなら、燃費対策として、メーカーでも標準でグリル塞ぎを搭載すればいいのに……と思ったら、すでに実現済みだった。トヨタのプリウスが搭載している。しかも、気温に応じて自動開閉する、という優れものだ。グリルシャッターというもの。
→ 新型プリウスの「燃費向上」や「暖気促進」のポイント!グリルシャッターとはなんだ!

出典:トヨタ自動車
これを全車に搭載すると、燃費が大幅に向上して、地球温暖化に大きな効果がありそうだ。小さなコストで、大きな効果。マイルドハイブリッドなんかよりも、ずっと大きな効果が望めそうだ。
※ プリウスでもグリルシャッター搭載したのは、現行型( 2015年〜 )になってからだ。
※ トヨタの特許に引っかかるので、他者は使えないのかも……と思ったが、そうではない。実際、BMW はグリルシャッターを使っている。(だから燃費がいいのかも。)
→ 風を取り込むためのグリルをあえて塞ぐ理由とは? 最近「グリルシャッター」付きのクルマが増えているワケ
冬に燃費が悪化するのは、空気密度が上昇してパワーが出てしまうため同じ速度を維持するにはスロットルバルブで絞る必要があり、そこでロスが出るためです。
多くの人は、パワーが出る=燃費が向上する、と信じているかもしれませんが、逆です。
その他に、駆動系のオイル類の粘土硬化や車内の温度維持のためアイドリング時のエンジンストップが少なくなるため などが考えられます。
ポンピングロスのことを言っているの? だったら全然違いますよ。それは話が違う。
冬に燃費が悪化するのは、オットーサイクルにおける熱効率が低下するせいです。
記事(燃費の経時変化を示したもの)を見ればわかるように、走り出してすぐには燃費が悪いままだが、しばらくすると燃費が向上する。これはエンジンが温まってきたから。ポンピングロスでは説明できません。
> 空気密度が上昇してパワーが出てしまうため
そんなことを言ったら、インタークーラーを使うと燃費が悪化するはずだが、実際にはインタークーラーを使うと、燃費もパワーもアップする。
また、夏に比べて(気温が低い)秋・春には、燃費が向上する。
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専門家の解説もあります。以下、引用。
> そして要件が変わると、逆に熱効率が大きく悪化する傾向になります。加速中だったり、気温が高くなったり、エアコンがONだったりする場合です
https://www.webcartop.jp/2018/03/212190/
気温が高くなると、熱効率が悪化する、と書いてありますね?
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あと、ポンピングロスを下げるなら、筒内噴射(直噴)と EGR を組み合わせることで実現できますが、やはり冬には燃費が悪化します。日産ノートの e-POWER などがそう。
というか、そもそも EGR を使っている時点で吸気温度は上がっているから、吸気温度の低さは理由になりません。
その場合は出力がアップするので、スロットを絞ることになり、結果は同じ。あるいは、CVT でギヤ比を上げて、いっぱい走れるようにするから、それでも同じ。
燃費に3割も差が出るのは、熱が逃げるからです。
そもそも、「空気の密度」説だったら、グリルカバーに効果があるはずがない。空気密度は変わらないんだから。
管理人様のおっしゃるとことにも合意します。ただそれは、様々ある冬に燃費が悪化する原因のうちの「本質」ではありません。不要なエアコンをONにしているとか、始動時のオーバークールとか。「本質」はやはりスロットルバルブを絞ることによるポンピングロスの増大と膨張比の低下です。ポンピングロスを下げる努力は各社されていますが、それでも夏より冬の方がロスが大きいです。ノートの例も全く不思議ではありません。
インタークーラーは、吸気温度が高すぎるときはノッキング防止のための燃料増量や点火時期変更が不要になるので燃費は良くなりますが、十分に吸気温度が低いときは燃費は悪化するはずです。あと、紹介いただいた記事にある夏場に走らなくなる状態は渋滞時等に水温補正が入っているときと思われますが、それも「本質」ではないでしょう。
それでも冬には燃費が大幅に悪化します。(ググればわかる。)
このことからも、ポンピングロスは関係ないとわかります。
また、百歩譲ってポンピングロスが影響するとしても、「グリルカバーを使うと冬には燃費が向上する」ということが多数報告されているので、「グリルカバーを使うべし」という結論には影響がありません。
ただ、リンク先の大手カー用品店の記事にある原因2点はやはり正しい情報とは言えないと思います。
フロントウィンドウの下に、デフロスターがあるので、それだけを使えばよさそうだ。
https://www.kurumaerabi.com/car_mag/list/5759/
デフロスターは、エンジン排熱を使うので、電気を使わない。
https://bit.ly/39iRl6V
ちょっと調べたところでは、自動車のエアコンにはもともと電気式の暖房装置は付いていないので、エアコンをつけてもつけなくても、暖房機能で電気を食うことはないそうだ。(送風のために小規模の電力を食うだけだ。)
本項の前半の話は、意味がないみたいですね。
でしたら走行直後は暖房使わずに、電気毛布やシートヒーターを活用するとよさそうです。
そうではないです。
空気冷却と、ラジエーターの水冷による冷却で、エンジンブロックの温度が低下するせいで、燃焼温度が低下して、オットーサイクルにおける熱効率が低下するからです。
https://bit.ly/39enjAX
グリルをふさぐと、空気冷却と、ラジエーターの水冷による冷却を、ともに阻止するので、温度上昇により、効率が上がります。
暖房は、ラジエーターの温水熱を、空気を通じて、室内に取り込むことで、なされます。
暖房をしないと、暖かい空気が室内に入らないで、外にそのまま捨てられるだけです。熱は無駄に捨てられるだけであって、効率には関係しません。暖房をしてもしなくても、燃費は同じです。
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内燃機関というのは、燃料の熱エネルギーを、爆発的な運動エネルギーに変換して、それを動力として取り出すものです。
エンジンブロックが過剰に冷却されると、燃料の熱エネルギーが伝導熱として外部に漏れてしまうので、動力として取り出せる分のエネルギーが減ってしまいます。
だから、温度低下のせいで、出力ダウンが起こるので、効率が低下して、燃費が悪化するわけです。
スペック200馬力を謳う車でも、平均すれば100馬力も使っていな中で、そのうちの5馬力というのはやはり数%の燃費低下になるのではないでしょうか。
最近のオートエアコンはかなり緻密な制御をしているらしいので、常時コンプレッサーが回っているのではないとしても、全然回っていないはずもないので、それなりの燃費悪化の要因にはなっていると思います。
熱は(第2)ラジエーターの温熱から取るので、コンプレッサーは動きません。
https://clicccar.com/2019/12/12/933443/
https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1507/10/news017.html
https://image.itmedia.co.jp/mn/articles/1507/10/l_sp_150710densoparts20_02.jpg
自動車のエアコン暖房と、家庭用のエアコン暖房は、仕組みがまったく異なるので、混同しないようにしましょう。
管理人さんの方こそご紹介の記事をちゃんと読まれた方が・・・
最初の記事
「ヒーターを使う時には、通常はA/CスイッチをON(コンプレッサー作動)する必要はありません。コンプレッサーを動かさなくてもブロアファンでヒーターコアを通じて温風を車室内に送ることができます。」
2つ目の記事
「エバポレーターはコンプレッサーを起動することにより冷風を生み出しますが、冷風を生み出す他にも通過した空気から水分を奪う役割も果たします。
・・・
そこで少しでも湿度を減少させるため、暖房なのにあえて冷風を生み出すためのエバポレーターを通過させることで結露を生じにくくすることができます。」
いずれもA/Cスイッチを押すとコンプレッサーが動いている事が前提と思います。
ただ、制御によってA/Cスイッチを押していてもエアコンが動作しない事があるのとコンプレッサーが回っていても暖房時は夏場ほど燃費が悪化しないのは確かのようです。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1123518696
たまに動かすことがあるかもしれないが、常時使っていたら、車内が外気温より下がってしまいます。真冬に冷房をかけつづける人なんて、いるわけないでしょ。
エバポレーターを使うのは、「冷房してから暖房をする」という形で、除湿をするためです。除湿機能というのはそういうものです。
雨の日は別だが、普段は、そういう使い方をするのは愚かで、普通はデフロスターだけを使えば十分です。
https://ilovedemio.com/archives/17546
https://car-moby.jp/article/car-life/useful-information/car-air-conditioner/
それらはあくまで定性的な話で定量的ではないです。
自分で自分の説を実行し定量的な数字としての結果を提示するしかないのです。
別に、私の説じゃないです。自動車の分野の常識として、ネット上にいっぱいあふれている知識です。探せば同じ内容の記事はたくさん見つかります。
ググればすぐにわかることです。私はググって、それを紹介した。
一方、ググりもしないで、勝手に自説を書いている人がいるだけです。
これは一般に、ググレカスと言われる問題です。