2021年01月27日

◆ 大学入試では長文読解を

 共通テストでは、思考力を問う問題が多く出されたそうだが、「長文読解」という問題文を出すべきだった。

 ――

 「長文読解」という問題文が必要だ、というのが私の主張だ。その理由は、現代の若者が(スマホ時代のせいらしいが)、長文読解の能力が著しく低下しているからだ。

 この点については、共通テストの側もわかっているらしくて、英語や理社などでは、比較的長い文章が出たそうだ。
 **さんは、英語のリーディングの問題をめくって驚いた。センター試験とは形式が異なり、問題文はより長文になったと感じた。「80分で問題文を読み終わるだけで大変だった」と困惑した表情だった。
( → 受験生、二重の試練 コロナ禍「ずっとマスク、息苦しさ」 初の共通テスト「英語難しくなった」:朝日新聞

 今回、特に大きく変わったのが英語だ。「リーディング」(センター試験の「筆記」)で発音やアクセントの単独問題はなくなり、長い英文や資料などが増えたため問題量は6ページ増加。知識を実際の場面で活用する力を問う問題が目立った。
 「特に地歴、公民、英語は、複数の資料が盛り込まれると同時に、問題の分量がかなり増えた。読解力がなく論理的に考えるのが苦手な傾向の現代の受験生には、厳しい出題となった」
( → 共通テスト、読解力重視 国語、複数資料で問う/英語、問題 16ページ増:朝日新聞

 とはいえ、肝心の国語では、長文読解の問題はなかったそうだ。評論文の問題はあったが、もともと多読よりは精読を問う問題であったので、特に長文を導入することはなかったようだ。これはこれで妥当である。国語は多読よりも精読を重視するべきだ。

 ――

 一方、本項で述べるのは、各教科とは別に、総合科目としての「長文読解」というテストを設けることだ。
 ここでは、普通のテストのように、速読を求めないし、高速処理も求めない。できれば、時間無制限に近い形にしたい。普通に時間をかけて2時間で読み取れるような分量ならば、3時間のテストとする。
 高速処理のできる秀才ならば、1時間で全問正解となるような問題だ。ただし、処理の速さを求めない。たっぷり時間をかけて、大量の文書をきっちり読んでもらう。

 こういう「長文読解」の科目を用意することで、普段から長文読解に親しんでもらう。そのことが、本質的な狙いだ。

 ――

 では、なぜそうするか? 冒頭にも述べたように、現代の若者は長文の読解が苦手になっているからだ。

 たとえば、次の記事がある。
  → 「日本人の5割くらいは5行以上の長文読んで意味を取ることができない」まじか

 これは、スマホとも関係する。スマホは画面が小さいので、やたらと短文の文章になることが多い。
  ・ twitter (140字)
  ・ はてなブックマーク (100字)
  ・ LINE

 いずれも、短文の制限がある。
 特に、LINE だと、きわめて短い短文を使う事例が圧倒的だ。

 こういうふうに、長文の文章をまともに読めない(読んでいない)若者が多いので、長文読解の習慣を付けさせるためにも、長文読解の科目が必要なわけだ。

 ――

 なお、長文以前に、短文の文章でさえ、読解力が危機的な水準にある……ということも指摘されている。
 教科書や新聞記事のレベルの文章を、きちんと理解できない中高生が多くいることが、国立情報学研究所の新井紀子教授らの研究グループの調査で分かった。
 例えば「メジャーリーグ選手の出身国の内訳」に関する中学校の社会科教科書の文章を読み、内容に合うグラフを正しく選べた中学生は12%で、高校生も28%にとどまった。文章には「選手のうち28%はアメリカ合衆国以外の出身」とあったが、四つのグラフの中から「72%がアメリカ合衆国出身」という事実を示すものを選択できない生徒が多かった。

reading.gif

( → 教科書の文章、理解できる? 中高生の読解力がピンチ:朝日新聞

 こういうふうに読解力が低すぎるので、長文読解力を問う試験を設けるべきだ。

 テストの形式は、「本文の趣旨に合致するものを選べ」という選択式でいいだろう。
 ただし、ヤマカンを排除するためには、「8個のうちの2個を選べ」というふうにするといい。偶然で二つとも当たる確率はわずかだからだ。
( ※ 1個だけの正答を認めるか? これは判断に迷う。認めた方がよさそうだが、「二つ正答でボーナスポイント」というふうにするとよさそうだ。)



 [ 付記 ]
 試験内容は、2種類にするといい。
  ・ じっくり時間をかけて読めば、普通の知能で正解できるような問題。(易しい問題)
  ・ じっくり時間をかけて考えないとわからないような、思考力を問う問題。(難しい問題)

 前者によって、一般人の読解力を高めることを目的とする。
 しかし、それだけだと、成績優秀者がみんな満点となってしまって、差が付かないので、試験としての役割を果たせない。そこで、成績優秀者にも差が付くように、思考力を問う問題も組み合わせる。それが後者だ。
 この二種類を組み合わせることで、得点分布が正規分布になるように仕向ける。それによって選抜試験としての機能を有する。



 【 関連サイト 】
 なお、若者の読解力(言語力)が致命的に下がっている、という話は、別にもある。
  → 9時10分前を理解できない若手を生んだ日本語軽視のツケ:日経
  → 読解力の底割れが始まった。「話が通じない階級」再生産の悪夢
  → 若者の読解力低下 - ”オールド・シネマ・パラダイス”、時々新作も
  → 日本の15歳「読解力」15位に後退 デジタル活用進まず: 日本経済新聞
  → 仕事ができる人は読解力も高かった! 仕事力と国語力の関係は?
  → 子どもの読解力、低下が深刻…中学生の半数が教科書を理解困難
  → 若いビジネスマンの「読解力」低下 必要なのは「語彙力」と「文章力
  → 今そこにある危機 〜若者の読解力低下〜  → 【 推奨 】

 スマホ時代だからだ、というような話も、いくつかある。
  → 悪い意味でとてもヤバい。SNSに読解力を奪われた日本の若者たち
  → 池上彰「絵文字・LINEが若者の読解力を奪い、スマホが脳の発達を止める」)
  → 松本人志も嘆く読解力の低下…原因はSNS議論も大人に責任問う声
  → 読解力低下はSNSのせい?文章の能力が可視化される時代になっただけ!?


posted by 管理人 at 23:50| Comment(0) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
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