2021年01月14日

◆ 厳寒・猛暑なら休業日に

 (前項の続き)
 電力逼迫を解消するための、うまい方法がある。厳寒・猛暑となる日を(企業の)休業日にする、ということだ。

 ――

 前項では、電力逼迫を解消する方法を、いくつか示した。ただし、割と当然ふうの、地味な方法が多かった。キレのいい方法は示さなかった。そこで読者は期待するだろう。
 「もっとうまい方法はないのか? もっとキレのいい方法はないのか? 困ったときの Openブログという調子で、うまい方法を出せ」
 
 そこで、ご期待に応えて、キレのいい方法を示そう。こうだ。
 「電力が逼迫する日は、厳寒・猛暑となる日である。そういう日は、もともと人が出勤するには適さない日だ。だから、そういう日は、(企業の)休業日にすればいい。かわりに、他の休日を出勤日にすればいい」


 つまり、休日の振り替えだ。天気の悪い日は、仕事をするのに適さないし、出勤するのも大変だ。天気のいい日は、仕事をするのに適しているし、出勤するのも楽だ。だから、天気の悪い日には会社を休んで、天気のいい日に会社に出勤すればいい。
 これは、ぐうたらサラリーマンの考えそうなことだ。そして、それこそが、最善なのである。

 ※ 「ぐうたらサラリーマンとは、おまえのことだろ」と言われそうだが。


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 ――

 この方法がうまく行くことは、過去のデータを見ればわかる。
 企業が休みになる日(土日)には、もともと電力需要が2割ぐらい減る。産業用の電力需要が減るからだ。
 そこで、企業が休みになる日を、土日だけでなく、厳寒・猛暑となる日に合わせるわけだ。そうすれば、その日には電力需要が2割ぐらい減るので、電力の逼迫を回避できる。
 例示すると、今月の1月12日がある。この日は厳寒で電力需要が急増した。そこで事前に、この日を休業日にすると設定しておいて、当日には休業とすればいい。そうすれば、全面的な需要減少が起こるので、需給逼迫を回避できる。 

 ここでは、「厳寒・猛暑となる日が事前に予想できる」ということが重要だ。2週間ぐらい前には、おおむねの予想ができる。1週間ぐらい前には、ほぼ確定する。だから、この時点で、休業日を告知するといい。そして、2〜3日前には(天気予報から)最終的な確定をする。このあとは、予報がどう変動したとしても、休業を変更しない。

 天気予報が外れることはないか? 台風ならば、予報が外れることはしょっちゅうある。台風のコースの予想は、正確になすことは難しいからだ。
 しかし、厳寒・猛暑となる日ならば、予報が外れることははほとんどない。(きわめて巨大な)気団の動きは、急変することはほとんどないからだ。(だから2週間前の時点で、かなり正確な予想ができる。)

 ――

 ただし、2週間前の時点では予想できるが、半年前の時点で予想することはできない。だから、年の初めにカレンダーで予定日を決めることはできない。
 では、どうするかというと、大雑把に「厳寒・猛暑となる日」というのを不定的に予期しておいて、日数だけを数日程度(5〜10日)、設定しておけばいい。その後、実際に「厳寒・猛暑となる日」が来たら、その日を休業日に設定すればいい。
 一方で、その日数の分だけ、他の休業日を削るといい。通常、次のいずれかだ。
  ・ 夏休みを削る
  ・ ゴールデン・ウイークの休日を削る
  ・ 年末、年始の休日を削る
  ・ 一般の祝日を削る
  ・ 有給休暇の付与日数を削る


 最後の「有給休暇の付与日数を削る」という方法を取るなら、「休業日」は「全員一斉の有給休暇」にしてもいいだろう。つまり、こうだ。
  ・ 有給休暇が余っている社員は、みんな有給休暇を取る。
  ・ 有給休暇が余っていない社員は、出勤する。

 後者の場合は、「厳寒・猛暑となる日」に、その人だけが苦しい思いをして出勤することになる。まあ、本人がそうしたいというなら、そうしてもいいだろう。
 ※ 山男なら、登山のためにまとめて休暇を取りたがるから、そういうのを選ぶかもね。長期旅行マニアも同様だ。

 ――

 なお、事前に設定した日数(たとえば7日)に比べて、実際の「厳寒・猛暑となる日」が少なかった(たとえば5日)という場合には、その差の分(2日間)、出勤日が多かったことになる。この場合には、どうするか?
 まあ、いろいろと手はあるが、その分を、有給休暇として付与すればいいだろう。出勤日が2日間だけ多かったなら、有給休暇を2日間だけ増やせばいい。それで帳尻は合う。

 別案として、「帳尻あわせを、夏休みの延長に当てる」という手もある。たとえば、余った2日間を、「夏休みの2日間だけ延長する」という形で、帳尻あわせをするわけだ。
 しかし、この方法はまずい。なぜなら、夏休みが終わった時点では、「厳寒・猛暑となる日」が確定していないからだ。実際、過去の例を見ても、2020年は8月下旬に需要のピークが数日間もある。
  → 最大電力実績カレンダー(2020年)|東京電力

 つまり、8月下旬という夏休み後にも、需給の逼迫する日がある。そのときになって、「猛暑だから休業します」というふうになりがちだ。番狂わせだ。ここでは、休業日が余っていると見えても、実は余っていないわけだ。
 だから、その年の休業日が余るかどうかは、9月以後に決めるべきだ。夏休みが終わった時点では、(それがまだ判明していないので、)早合点して判断するべきではないのだ。

 では、余るかどうかを判断をするのは、いつごろがいいか? 常識的には、(年末の)12月中旬か、(年度末の)3月中旬でいいだろう。そのあと、未消化の分を、有給休暇などの形で付与すればいい。
 あるいは、全社一斉の形で、年末休暇や年度末休暇を付与してもいい。(12月下旬や3月下旬に。)
 
 年末調整をするなら、12月27日や28日を、追加で休暇にすればいいだろう。
( ※ たいていの会社の年末・年始休暇は、12月29日〜1月3日である。そこで、12月27日や28日を、追加で休暇にすればいいわけだ。)

 《 実施例 》

 厳寒・猛暑の日の休みとして、5日間を設定する。(不定)

 冬に厳寒の日が2日間あったので、休みにした。(いずれも雪の日)
 夏に猛暑の日が2日間あったので、休みにした。(いずれも 35度超)
 余った日が1日分。そこで、12月28日を休みにした。

 既存の休日の削減は、夏休みを3日間減らして、有給休暇を2日間減らした。

 ――

 なお、このような制度を取った企業は、「需給調整契約」に従って、休業した日の電力不使用に対して、多額の補償金を電力会社から得られる。(不使用だった分に対して、 50円/kWh ぐらいになる。大きな工場では、数千万円になるかも。)
 つまり、本項の制度を取り入れて、休業日をずらした会社は、多額の報償金を得るわけだ。「情けは人のためならず」という感じ。「エコは人のためならず」か。
( ※ 社会のために善行をしているはずなのだが、実は自分自身も大幅に得をする、という意味。 …… これこそが「うまい方法」というものだ。)
 
posted by 管理人 at 21:18| Comment(1) | エネルギー・環境2 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
まさに「晴耕雨読」の生活を行う事が、1番無理の無い省エネ社会実現なんですね^ ^
Posted by れじー at 2021年01月14日 22:38
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