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感染防止のために窓を開け放っているので、教室内はとても寒い。なのに、防寒着の着用を「服装の乱れ」として制限しているので、生徒は寒くてブルブル震えているそうだ。これでは体温低下にともなう免疫力低下で、コロナやインフルエンザに感染する危険が高まる。
つまり、学校は「コロナに感染するような努力」をしているわけだ。狂気の沙汰だと言える。
このことは、前に下記で報道された。
男子は学生服、女子はセーラー服で、着用できる防寒着は規定のセーターやカーディガン。マフラーや手袋は昇降口で着脱し、規定外のジャンパーやハイネックは認められない−。
例年通りの内容。教室の窓は常に全開で、生徒が閉めると叱る教員もいるため、娘は寒さに耐えながら授業を受けているという。母親は、ぜんそくがある娘を見かねて規定外の服を着るように提案したが、「誰も着ていないし怒られる」。母親は取材班に「先生たちは自由な服装のはず。コロナ禍の今は特に、子どもも暖かな服を着られるようにすべきではないか」と嘆いた。
( → 教室で防寒着ダメ?コロナ対策で真冬も窓全開…凍える生徒(西日本新聞) )
これはひどい、と思えたが、もっとひどい例が、朝日新聞 2021-01-10 の投書欄に寄せられた。
教室内の窓や入口を開け換気している。
制服があり、スカートでは白い靴下をはく決まりだ。タイツ着用や膝掛け使用は駄目。学校便りには決まり通り長い靴下やスラックスで対応するように書かれていた。
要望書を学校へ提出した。その後、学校から黒色無地のタイツを認めると通知があり、3学期から、膝掛けも許可された。
やっとタイツと膝掛けだけ。先の記事のように「セーターやカーディガン」が認められることはないようだ。ひどいものだ。
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文科省のマニュアルには、こうある。
換気により室温を保つことが困難な場面が生じることから、室温低下による健康被害が生じないよう、児童生徒等に暖かい服装を心がけるよう指導し、学校内での保温・防寒目的の衣服の着用について柔軟に対応しましょう。
( → 学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル )
まともなことを言っているように見えるが、全然、駄目だ。最後の「柔軟に対応しましょう」というのが、まったく不十分だ。これでは不当な校則を禁止していないからだ。違法行為を容認するのも同然だ。犯罪を見逃すのも同然だ。
では、どうするべきか? こうだ。
「柔軟に対応しなくてはならない」
さらに、具体的に明示するべきだ。
「セーター、カーディガン、コート、マフラーなどの防寒着について、禁止することがあってはならない。常識的なデザインや色である限り、デザインや色を理由とした制限をしてもいけない。白や黒に制限することはあってはならない。模様が無地であることを義務づけてもいけない」
ここまではっきりと書くべきだ。
さらに言えば、できれば次のようにするといい。
「模様はともかく色については何ら制限をしてはいけない。派手な赤や黄色などであっても、色を理由として制限してはいけない」
「模様についても、ただの格子柄のようなありふれた幾何学模様については、制限してはいけない」
「制限してもいいのは、公序良俗に反する図柄や、政治活動を目的とした図柄である場合など、一般社会でも許容しがたいものに限られる。普通の大人が着ているような図柄であれば、禁止の対象とはならない」
ここまで書けば、満点だろう。そして、そうしない文科省は、コロナ感染の拡大に一役買っているのも同勢だ。政府が感染拡大に努めているわけだ。呆れてものが言えない、とはこのことだ。
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