2021年01月08日

◆ レムデシビルとイベルメクチン

 レムデシビルとイベルメクチンについて、新たな情報があるので記す。

  ※ 最後に 【 追記 】 を加筆しました。アクテムラの新情報。

 ――

 レムデシビル


 レムでシビルはこれまで重症患者に限って使うことができたが、今後は中等症でも使えるようにするそうだ。厚労省の方針。
 新型コロナウイルス感染症の治療薬「レムデシビル」について、厚生労働省は7日、これまで重症患者としていた使用対象を、肺炎がある中等症の患者にも広げると発表した。
 米製薬大手ギリアド・サイエンシズから追加の臨床試験のデータが出され、中等症の患者への有効性が確認されたためという。7日付で添付文書が改訂された。
( → レムデシビル、中等症も使用可に 当面の配分は重症者へ :朝日新聞

 これを朗報と見なす人もいるだろうが、私はこれを否定的に評価したい。道理が通らないからだ。

 そもそも、レムデシビルは「効果がない」と WHO から評価された。人によっては「少しは効果があるのでは?」と見なすこともありそうだが、「少しは効果がある」という程度ではとても推奨できないというのが WHO の立場だ。
 それでもこれまでレムデシビルが認められてきたのは、「他には薬剤がない」というのが理由だった。
 また、「副作用はかなり大きい」と評価されたが、それでも「副作用があっても命には替えられないので、命の危機に瀕している重症患者に限っては(副作用を無視して)利用と認める」というのがこれまでの評価だった。
 つまり、認めることは認めるが、きわめて大きな条件つきで認められたにすぎない。

 ――

 そこで、今回の「中等症への利用」である。これはまったく道理が通らない。先の条件を満たしていないからだ。

 第1に、「他には薬剤がない」ということは、今日ではもはや成立していない。「アビガンには効果がある」とすでに判明しているからだ。なのに、薬事審議会がアビガンを認めなかったのは、「二重盲検法では確認されていないので、効果があることが絶対確実だとは言えない」ということが理由だった。
 しかしこれでは話が二重基準となっている。
  ・ アビガンについては効果に「絶対確実」を求めるという厳しさで否定する。
  ・ レムデシビルについては「効果があるかも」という甘さで肯定する。


 こういう二重基準によって、「効果がきっとある」というアビガンを認めずに、「効果はたぶんない」というレムデシビルを認める。話が滅茶苦茶すぎる。(大学入試で言えば、点数が合格点に達している受験生を「最優秀ではない」という理由で不合格にしたあとで、点数が落第点になった受験生を「最悪ではないから」という理由で合格にするようなものだ。デタラメの極みだ。)

 第2に、「副作用を無視していい」ということは、重症の患者には成立するが、中等症の患者には成立しない。ならば、「中等症の患者にも有効性が確認された」ということだけでは使用は認められない。
 中等症の患者にも使うのなら、「副作用が小さいということも確認する必要がある。ところがレムデシビルは「副作用が大きい」ということがすでに確認されている。とすれば、「副作用が大きいので、レムデシビルは中朝症には使用を認めない」というのが妥当だろう。なのに、この点を無視して、強引に使用を認めてしまった。これは明らかに非合理だ。

 ──

 結局、以上のような理由ゆえに、レムデシビルを中等症の患者に認めるのは、まったく道理が通らない。
 有効で安全な薬(アビガン)を否定するくせに、有効でなくて危険な薬(レムデシビル)を認める。……ほとんど狂気の沙汰だ。

 イベルメクチン


 イベルメクチンという安価な薬が有効だ、と判明したそうだ。(コメント欄で教わった。)
 イベルメクチンがレムデシビルよりもずっと有効だ、ということは、かなり前から指摘されていた。大規模な治験のレベルで確認されたわけではないので、正式な報告とはなっていなかったが、効果自体は、すでに知られていたわけだ。

 そしてこのたび一定規模の治験で、イベルメクチンの効果が確認されたそうだ。日本語の記事は下記にある。
  → ノーベル賞の日本薬「イベルメクチン」、新型コロナ致死率80%減少効果

 英文の記事は下記にある。
  → Cheap hair lice drug may cut the risk of hospitalized Covid patients dying

 その機械翻訳を下記に示す。
 安価なアタマジラミ薬は、入院中のCovid患者が死亡するリスクを最大80%削減する可能性があると研究が発見
  ・ イベルメクチン-治療あたりわずか1.50ポンドの費用-はCovid患者を助けるかもしれません
  ・ 研究を主導したアンドリュー・ヒル博士は、それは医者にとって「変革的」である可能性があると述べた
  ・ しかし、他の科学者たちは、より多くのデータが必要であると言って、懐疑論のメモを鳴らしました

  ̄ ̄
 プラセボを投与された510人中44人と比較して、薬剤を投与された573人中8人のCovid-19患者のみが死亡した。

 ただ、効果が確認されたとしても、1件の小規模な治験であるだけらしいので、これが国の規模で承認されるためには、もっと大きな規模の治験が必要となるだろう。製薬会社による大規模な治験が必要となる。
 とはいえ、それはなされるはずがない。なぜなら、イベルメクチンは特許権が切れており、どの製薬会社でも製造ができるがゆえに、大規模な治験というコストを払う製薬会社はどこにもないからだ。(製造を独占できないので、どこの製薬会社も、治験のコストを払うはずがない。)

 現在は、イベルメクチンの発明者が所属する北里研究所が、自発的に大規模な治験をしているらしいが、その効果が出るのは、ずっと先らしい。本来ならば、とっくに結論が出ていてもいいはずなのだが(それだけの時間敵余裕はあったのだが)、やたらと時間がかかっているところからして、あまりやる気はなさそうだ。(金がないせいかもしれないが。)
 


 参考で、アビガンの情報を記すと、下記の記事がある。
  → アビガンの効能(まとめ): Open ブログ

 アビガンの承認についての話は、また別項にあるので、サイト内検索をすればわかる。

 上記項目のコメント欄には、「ハンガリーでアビガンが承認された」という情報もある。日本がぐずぐずしている間に、外国はアビガンをさっさと利用して、そのせいかを享受しようとしているわけだ。
 その一方で、本家本元である日本の方は、アビガンを認めないまま、患者を急増させて、今日もまたドタバタとして大騒ぎしているのである。



 【 関連項目 】
 イベルメクチンについては、前に言及したことがある。
  → イベルメクチン(コロナ治療薬): Open ブログ
  → ノーベル賞と大村智: Open ブログ(2015年10月07日)



 【 追記 】
 「アクテムラという薬が有効だ」
 という新たな報道があった。
  → 新型コロナ: 中外製薬のリウマチ薬「新型コロナに有効」 英政府: 日本経済新聞
  → 日本発のリウマチ薬、コロナ治療に有効…英政府が発表 : 国際 : ニュース : 読売新聞
  → 関節炎治療薬、コロナに有効 日本発「トシリズマブ」―英政府発表:時事

 これは有望だろうか? 「有望だ」と思えそうだが、そうではない。効果があるといっても、その程度は、すでにあるステロイド剤と大差ない。その一方で、価格は大差がある。ステロイド剤は普及していて、かなり安価である。一方、アクテムラはそうではない。これは、モノクローナル抗体というバイオ製薬なので、大量生産はできないし、ものすごく高価だ。量が限られているので、使用できる患者数は限定的だ。社会的には、大きな効果は望めないだろう。ステロイドやイベルメクチンの方がマシだ、と言える。

 どちらかと言えば、「アビガンとフサンの併用」の方が、有望そうだ。

posted by 管理人 at 23:52| Comment(0) |  感染症・コロナ | 更新情報をチェックする
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