2021年01月03日

◆ 緊急事態宣言は必要ない

 緊急事態宣言は必要か? 1都3県は求めており、政府は否定的だが。

 ──

 緊急事態宣言が必要かどうかということは、あちこちで報じられている。たとえば、下記。
  → 緊急事態宣言 政府なお慎重 「専門家にも判断を」 1都3県知事要請 - 毎日新聞

 ここでは、都県はコロナ対策をしっかりやろうとして、政府はやりたがらない……というふうに見えるかもしれないが、話はそう単純ではない。
 都県の要請に対して、国は否定的だ。なぜなら、単なる宣言よりも、感染の主要な原因である飲食店を制限するべきなのだが、飲食店に対する制限の権限は、都県にあって、政府にはないからだ。政府としては、「緊急事態宣言を国に求めるよりは、まず都県が飲食店への制限をやれ。自分たちのやるべきことをやれ。何でもかんでも国に頼るな」ということだろう。これはこれで、もっともだと思える。

 一方、都県としては、「飲食店への営業制限をしたいのだが、そうするには保証するための金が必要だ。しかし、その金がない。だから、国が緊急事態宣言をして、営業宣言も国が命令してくれ。ついでに保証するための金も国が出してくれ」というふうに望んでいる。要するに、「金がないから金を出してくれ」というわけで、他人のフンドシで相撲を取ろうとしているわけだ。

 で、それがわかっているから、金を出したくない国の側も、都県の要請を突っぱねようとしているわけだ。
 要するに、政府も都県も、金のことばかりを考えている。請求書の押しつけあいをしているようなものでもあり、責任のなすりつけでもある。その間、国民は不在であり、コロナ対策も不在である。どうでもいいことばかりを論じていて、肝心のコロナ対策はほったらかしとなっている。

 ──

 では、どうするべきか? 
 まず、「緊急事態宣言なんてものは、たいして効果がない」と思った方がいい。春先には効果があったように見えるが、あのときの感染者数減少は、「海外からの流入が減ったこと」と、「国民がマスクをしたこと」が主要な原因だった。緊急事態宣言がなくても、ほぼ同等の効果があったはずだ。(およそ8〜9割の効果)
 緊急事態宣言で人の動きが極端に減ったことにも効果はあったが、それよりはむしろ、飲食店が空っぽになったことの方が大きな効果があっただろう。この場合には、飲食店だけを制限すればよかったのであって、国民の動きを全般的に制限するほどの必要性はなかった。たとえば、繁華街の一般店舗の営業を止めるほどの必要性はなかった。

 では、過去でなく現時点では、どうするべきか? 

 ──

 現時点では、何をなすべきか? 緊急事態宣言は、必要か? 
 私としては、「緊急事態宣言は、見当違いだ」と考える。
  ・ 飲食店での感染を止める効果が弱い。
  ・ 一般店舗への経済的な打撃が大きすぎる。


 では、かわりに何をするべきか? それが問題だ。
 私の提言は、こうだ。
 「飲食店の営業時間の短縮ではなく、会食を禁止するべきだ」

 これは、次のことを意味する。
 「相席を禁止する」


 具体的には、こうだ。
  ・ 1人席だけを認める。
  ・ 2人掛けのテーブルは、1人だけの利用を認める。
  ・ 4人掛けのテーブルも、1人だけの利用を認める。


 大きなテーブル席を1人だけの利用にすると非効率だから、多くの店は席をなるべく1人席だけにするようになるだろう。それができる場合には、それでいい。
 それができない場合には? こうする。
 「席と席の間に、スクリーンや衝立(ついたて)を立てて、区域を分ける」
 たとえば、2人掛けのテーブルを衝立で区分すれば、2人が利用できる。(たがいに顔は見えないようにするといい。)
  4人掛けのテーブルも、衝立で区分すれば、2人まで利用できる。横並びに2人が着席することはできないので、利用率 50%になるが、そのくらいは仕方あるまい。普段だって、常に満席ではないのだから、そのくらいは我慢してほしい。

 以上のようにすれば、飛沫が飛ぶわけでもないので、飲食店も営業できる。営業時間の短縮よりは、ずっとマシだろう。また、営業時間の短縮よりは、感染防止の効果ははるかに高いだろう。
( ※ そもそも、営業時間の短縮なんて、感染防止の効果はほとんどない。それ以外の時間帯に、たっぷりと感染するからだ。それで感染増加が起こっているのが、現状だ。)

 ――

 以上は、「会食の禁止」という方策だった。
 これ以外にも、感染防止の方策は、いろいろとある。下記のように。
  ・ マスク義務化
  ・ 医療の拡充
  ・ 検査の拡充
  ・ アビガンの承認

 これらを実施するべきだ。これらをやれば、コロナの感染者は大幅に減少するだろう。(前に述べたとおり。)
 
 一方、緊急事態宣言なんて、ただの口先による自粛の促進だけだ。そんなことは、ほとんど効果がない。なぜなら人々は、できることはすでに実施しているからである。今さら政府が宣言を出したところで、人々の行動はほとんど変わらないだろう。そもそも、罰則もないような宣言に、ろくに効果があるはずがない。

 そんな無効な宣言よりは、上記のような個別の政策を実施するべきだ。それも、罰則付きで。たとえば、こうだ。
  ・ 会食制限を守らない店は、営業停止処分。
  ・ マスク義務化を守らない店は、営業停止処分。


 ここで、注意。罰則は、店に対してなされるのであって、客に対してなされるのではない。「マスク義務化」といっても、マスクをしていない人が取り締まられるのではない。マスクをしていない客を許容する店が取り締まられるのだ。
 では、客が勝手に規則を破ったら? その場合には、店は客を追い出せる。店にはその権利がある。(明文化してもいい。)
 その後、マスクをしていない人は、(店から追い出されて)路上にいても、罰されることはない。マスク義務化はあくまで屋内だけのことだからだ。

 以上のようにすれば、効果は十分にあるだろう。緊急事態宣言の前にやるべきことは、いっぱいあるのだ。そちらをやることが先決だ。



 【 関連サイト 】
 岩田健太郎が、本項と似たことを言っている。「緊急事態宣言をする前に、もっとやるべきことがある。感染者を減らすための方策がある」という趣旨。
 「宣言」は他の方法が一切通用しなくなった時の最後の手段だ。
 そうでない対応の仕方はあると思う。効果さえ出れば何でもいい。「感染者を減らす」ということが一番大事だ。
 だが、7月以降の日本政府は、このポイントをずっと無視してきた。「若者中心で」「繁華街中心で」「無症状の人が多く」「重症者は増えていない」「死者は増えていない」「医療は逼迫(ひっぱく)していない」と言い続けた。
 基本に戻り、感染者を減らす対策を打つ必要がある。減らなければもっと強める。減っていないのに対策の現状維持はあり得ない。
 今のままでいくと、どこかで緊急事態宣言という刀を振らなければならなくなるが、その前にもっと強い手を打つべきだと個人的には思っている。
( → 「医療崩壊しないと伝わらないのか」 岩田教授の警鐘 [新型コロナウイルス]:朝日新聞

youngman2c.jpg  ただし、「強い手とは?」という記者の質問に、岩田健太郎は見当違いのことばかりを答えている。
 一方、本項では、後半でも述べたように、いろいろと対策方法を示しているわけだ。


posted by 管理人 at 21:29| Comment(4) |  感染症・コロナ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
明けましておめでとうございます!
今年も宜しくお願いします♪

流石に、外食を警戒するようになって、77歳の母親とは、一緒に出掛けることを躊躇っています。

仁坂県知事のお陰で、和歌山は安全地帯という認識が強く、緊急事態宣言も必要ないと思ってるところですが、日本全体ではヤバイ傾向なのかな?
Posted by Hidari_uma at 2021年01月03日 22:35
東京の友人に連絡すると、忙しいので緊急事態宣言に関係なく出勤するということでした。
ボクも今日、大阪から来る来客と面会する予定です(当然マスク着用で)。

思うには、国民の危機意識はそれほど高くなくなってきて、相変わらずマスコミが騒ぎ立てているだけかと思います。

医療崩壊寸前なら、その対策をするか、自助努力で各自が何とかするしかないでしょ?
Posted by Hidari_uma at 2021年01月08日 01:42
>>政府としては、「緊急事態宣言を国に求めるよりは、まず都県が飲食店への制限をやれ。自分たちのやるべきことをやれ。何でもかんでも国に頼るな」ということだろう。これはこれで、もっともだと思える。


> 例えば、特措法は政府による緊急事態宣言が出て初めて、営業自粛の要請や外出自粛の要請ができる仕組みにしてある。(RY
 緊急事態宣言の解除後は自粛の要請はできない、というのが私の解釈だ。
(ホストクラブに休業要請「むちゃくちゃ」 片山元総務相 2020年12月13日朝日新聞)

Posted by ひまんじ at 2021年01月09日 09:05
> 特措法は政府による緊急事態宣言が出て初めて、営業自粛の要請や外出自粛の要請ができる仕組みにしてある。
 
 https://www.asahi.com/articles/ASNDD5RLZNDCUTIL05Y.html

 これは誤認であるようだ。理由は下記。 

 ――

>  都道府県対策本部長である知事は、緊急事態宣言が発出されていなくとも、特措法第24条9項を根拠に都道府県内の住民に対して自粛要請および時短や休業などの営業自粛を要請できます。これは制裁をともなわない要請(お願い)です。
 そして、政府によって緊急事態宣言が発出された場合には、緊急事態宣言実施区域の都道府県知事は、さらに特措法第45条1項の外出自粛および同条2項の営業等の自粛を要請できることになります。外出自粛要請には制裁はありませんが、営業自粛要請の場合は、施設名や所在地の公表がなされます。
 
 https://news.yahoo.co.jp/byline/sonodahisashi/20210104-00215895/
Posted by 管理人 at 2021年01月09日 10:18
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