2020年12月31日

◆ 感染拡大を止められるか?

 東京ではコロナの感染者が大幅に増えているようだ。新規感染が 1000人を突破して、一挙に 1337人。この感染拡大を止める策はあるか? 

 ――

 東京ではコロナの新規感染が一挙に 1337人。
 東京都は31日、新型コロナウイルスの感染者が新たに1337人確認されたと発表した。これまで最多だった26日の949人を大幅に上回り、過去最多を更新した。重症者は4人増えて89人となった。死者は5人増えて累計627人。国内の新規感染者数も4500人超で最多となった。
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( → 新型コロナ: 東京都の新規感染1337人 新型コロナ、最多大幅更新: 日本経済新聞

 お先真っ暗という感じだが、なすすべはないのか? 手をこまぬいて死を待つしかないのか? 

 ――

 実は、「手がない」というわけではない。日本でも見事に感染対策で成功している県がある。それは和歌山県だ。
 和歌山県では、知事が立派な対策をしていることで知られている。下記でも紹介した。
  → 新型コロナウイルスの話題 28: Open ブログ
 そのリンク先はこちら。
  → 知事からのメッセージ 令和2年12月28日 | 和歌山県

 無症状や軽症と思える人々もどんどん検出して、入院させる。そのことで、感染の芽を摘み、感染の急増を防ぐ。
 その結果は? 実に見事なものだ。新規感染者数のグラフでわかる。どの都道府県も急増しているなかで、和歌山県だけは急減している。


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【和歌山県】:NHK


 寒くなって 11月には増えたものの、12月中にはどんどん減らしている。見事なものだ。
 つまり、対策をきちんとやれば、感染の減少は十分に可能なのだ。

 ――

 では、東京都や他の県は、どうしてそれができないのか? (どの県も同じように急増しているのだが。)

 その理由は、もともと対策が不十分だったため、一気に限界を越えると、もはや手に負えなくなってしまったからだ。状況がいったん暴走すると、相手が強大になりすぎて、手に負えなくなる。だから、そうなる前に、最初から十分に手を尽くしておくべきだったのだ。
 特に重要なのは、検査の充実である。ここをきちんと押さえておけば、濃厚接触者をきちんと調べて、感染拡大の芽を摘むことができる。これは春には専門家会議が取っていた方針だ。(押谷教授が推進していたようだ。)
  → 日本独自の「さかのぼり調査」効果を強調、封じ込めは「ほぼ不可能」

 この方針は、夏ごろまで(第二波まで)は一応機能していたようだが、秋冬になって第三波に襲われると、患者数が拡大して、もはや手に負えなくなった地域が多い。「城を守る堀を破られた」というような感じで、一気に攻め立てられてしまった。
 それというのも、掘りが手薄だったからだろう。つまり、検査体制が不十分だったからだろう。私は何度も「検査体制を充実させよ」と言ってきたのだが、どの都道府県も、検査体制を充実させては来なかった。
 たとえば東京都は、感染者数は冒頭のように急増しているのに、検査人数は、なだらかな増加しかしていない。


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東京都 新型コロナウイルス感染症対策サイト


 検査人数は現在でもせいぜい1日1万人程度だ。これは以前の上限からほとんど変わっていない。検査体制はろくに拡充されていないとわかる。だからこそ、陽性率は急上昇するし、感染者は急増するし、歯止めがかからない……という状況になるわけだ。

 医療スタッフの数(医師・看護師)の数は急に増やせないとしても、検査をする人数ならば比較的容易に増やせる。
( ※ 検査では採取のために看護師は必要だが、治療と違って、一人の看護師が莫大な数の対象者に対処できるから、看護師不足の問題は起こらない。そもそも看護師なしで採取することもできるようになっている。)
 検査体制を拡充することは、ここ数カ月間の間に、十分に可能だった。また、自治体でできないのであれば、民間に委ねることも可能だった。政府や自治体がなすべきことは、単に「検査に金を出すこと」だけだった。なのに、それをしないで、かわりに GoTo のために金を出すばかりだった。……だからこそ、今のような惨状を招いたのだ。

 今からでも遅くはないから、「検査のために金を出す」という体制を整備するべきだ。「年末年始に、病院に金を出す」というだけでなく、「検査をする民間検査機関に高い金を出す」というふうにするべきだ。高い金といっても、たいした額にはならない。民間の検査ならば、1人 1000〜 2900円でできるところもある。
  → 格安の PCR検査: Open ブログ
 そういう検査機関に向けて、1人1万円程度を払えばいいのだ。そうすれば、「ボロ儲けだ」と思って、参入する業者が増える。それで、検査不足は一挙に解決する。と同時に、濃厚接触者の追跡が可能になり、感染の拡大の芽を摘むことができるようになる。

 こうして、感染拡大という問題を解決できるのだ。

 ――

 一方、それとは逆のことをしている自治体もある。大阪府だ。
 大阪府は、維新の方針の下で、医療や保険の予算を徹底的に削ろうとしている。「医療機関の統合・再編」という形で。


 その結果は? 大阪では関連予算を削ったのだが、不思議なことに、感染者数があまり増えていない。


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出典:【大阪府】NHK


 他の都道府県 では感染者数が急増しているのに、大阪が感染者数を減らしているのは素晴らしい……と思えるが、本当にそうか?
 実は、大阪は、感染者数を減らしているのではなく、検査能力の不足で、感染者数の増加を追えなくなっているだけではないのか? そういう疑いがある。
 そこで、感染者数でなく死者数の数値を見ると、こうなる。
  → 大阪府、コロナ感染者の死者急増 12月は東京の2倍に :朝日新聞

 この記事では、「大阪の死者が多いのは、高齢者が多いからだ」という話があるが、それだけで話は済まないだろう。なぜなら、大阪は死者の率が高いだけでなく、死者数が急増しているからだ。


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出典:朝日新聞

 
 グラフから明らかなように、感染者数に比して死者数の伸び率が大幅に高い。
 これはまあ、死者数の方が実態を現していて、感染者数の方は実態を反映していないと見なす方がいい。つまり、検査漏れが多発しているというわけだ。

 実際、そのことを裏付ける情報もある。
 大阪では1日の感染者が200人を超えるなど、数だけをみると「第2波」の真っ只中と言える。今、感染したらどうなるのか…。第2波の感染者たちを取材すると、“患者置き去り”の実態が見えてきた。
 Twitterなどには「保健所電話してもつながらない」「1秒でも早く家族と隔離された生活がしたい」「濃厚接触者で症状出てるのに後ほど電話しますからの3日放置」といった文章が投稿がされている。
 「正直かなりショックがありました。心のどこかで『まさか自分が』というのがあったので。(保健所からは)『病院の指示がないとPCR検査が受けられない』と聞いて、病院の方からは『保健所に紹介してもらってください』と言われたので、たらい回しというか。私も主人も具合が悪かったので、何回も電話しなきゃいけない、それがちょっとしんどかったです。」
 Aさんの夫は発熱してから検査を受けるまでに5日かかっていて、第2波の患者も容易には検査を受けられないケースも見受けられる。
 大阪市内のマンションで夫と暮らしているBさん。7月29日、同じマンション内に住む父親の感染が確認された。
 「『陽性でしたよ』って言われて、そのままどこかに隔離か何かしてくれるんかなと思ったんですけど、『歩けて食べられる人は軽症やから帰ってください』という感じで。」
 Bさんの父親は高血圧の持病を抱えていて、家族は入院を希望したものの「自宅療養」しか選択肢がなかったという。その後、Bさんも発熱して感染が確認され、母親も感染し、「家庭内感染」という深刻な状況に。
( → 【特集】「検査受けるまで5日」「保健所から連絡が来ない」"第2波"感染者が訴えるもどかしい現状 | MBS

 大阪ではこういう状況にあるわけだ。

 和歌山県のように、「きちんと対処すれば成功する」という例がある一方で、大阪府のように、「足りない医療制度をさらに削減しようとする」というふうにして、死者を大幅に増やしている例もある。
 見事な対比がある、とわかる。

 ※ ちなみに、菅首相の方針は、両者の中間で、「無為無策」というものだ。改善する気もないが、悪化させる気もない。何もしないでいるだけだ。(首相の仕事は、会食だけかも。)



 [ 付記 ]
 基礎疾患患者や後期高齢者で、死ぬ危険の高そうな人は、死にたくなければ、和歌山に移住するとよさそうだ。特に、大阪に住んでいる人はそうだ。
 ただの旅行ではなく、あと1〜2年か、この先ずっと、和歌山に住むといいだろう。
 といっても、大阪に住むような人は、「よそに移住するぐらいなら、大阪で死んだ方がマシだ」と思っているのだろう。だから維新を支持する。(自分を殺す人を支持する。)



 【 関連サイト 】
 実際の患者の報告がある。参考になる。



 この事例では、軽症ではあっても、ひどい症状だったが、アビガンを投与された末、快癒したそうだ。
 ツイートは連続して長々と続いているので、全文を見るといいだろう。
  → 実父がコロナ感染 感染から完全復活まで / Twitter
 
posted by 管理人 at 21:35| Comment(6) |  感染症・コロナ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつも有益な情報提供,有難うございます.
和歌山県のグラフは,多分,誤りです
(大阪のデータ?).
NHKのリンク先はあっています.
Posted by BlackChemCat at 2020年12月31日 22:02
 ご指摘ありがとうございました。画像を修正しました。

 ※ 手違いで、和歌山県のグラフのところに、大阪のグラフを入れてしまいました。
Posted by 管理人 at 2020年12月31日 23:50
仁坂さん優秀だけど、県のHPのメッセージ読むとちょっと自信持ちすぎな感じがして少々嫌味に感じました。対策はしっかりされていますが、鳥取同様に人口規模が小さいことが最大の要因ではないでしょうか。あとブログ主様のご発言では和歌山以外は全て急増とありますが、感覚で恐縮ですが、新潟・富山・鳥取・徳島あたりはさほど急増していないのではないでしょうか。個人的にはマスクなし会話をしなければ、そして院内・施設内集団感染を抑制したら、まだ日本ではRt<1なのではと推測しています。
Posted by φρξ at 2021年01月01日 09:56
> 新潟・富山・鳥取・徳島

 徳島はずっと低迷していますが、新潟・富山・鳥取は、少ないながらも、急増しています。
 人口では、絶対数の少なさを説明できますが、急減という変化を説明できません。急減しているのは和歌山だけ。

 新潟・富山・鳥取・徳島は、もともと過疎ですが、和歌山は最悪の大阪に隣接しており、そこからコロナ患者がどんどん押しよせています。知事の説明しているとおり。

> 今や、大阪の感染の爆発により、和歌山にも火の粉がどんどん飛んできまして、和歌山の保健医療当局も大忙しであります。大阪の南部は元々3次救急が脆弱なので、最後の砦は和歌山市の大病院という形で駆け込んで来られることが常態化していたのですが、大阪の方は分かってもらえているでしょうか。最近は命に関わりかねない肺炎患者が大阪から救急車で運ばれてきたと思ったら、病院に入る際の抗原やPCR検査で陽性が判明し、直ちに和歌山のICUに準じる病床が一つ埋まってしまうことになりました。看護師を応援に派遣しているだけでなく、コロナの重篤患者までICUに受け入れているのです。
 https://www.pref.wakayama.lg.jp/chiji/message/20201210.html

 過疎とは逆ですね。周辺環境では最悪に近い。
Posted by 管理人 at 2021年01月01日 10:09
> マスクなし会話をしなければ

 そうですね。感染の最大原因は会食であり、会食の人数を2人以下にするか、1人に限定するべし、……というのが私もかねてからの主張だった。

 今回の記事では、それを書き落としていましたが、そういう措置も必要ですね。
Posted by 管理人 at 2021年01月01日 10:17
 記事。

 → なぜ大阪は緊急事態宣言を要請しないのか 死者は東京の2倍、高い病床使用率 - 毎日新聞
 https://mainichi.jp/articles/20210106/k00/00m/040/216000c
Posted by 管理人 at 2021年01月07日 09:54
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