2020年12月20日

◆ e-POWER を PHV にする

 日産の e-POWER を PHV にするとよさそうだ。

 ――

 新型ノートの評判がとてもいい。ハイブリッドという点ではトヨタのハイブリッドと似ているが、EV のような走行感があるそうだ。つまり、こうだ。
  ・ 低速から太いトルクが出る。
  ・ エンジンが作動せずに静粛である時間が長い。

 前者は、ガソリン車ではスポーツカーの長所だ。
 後者は、ガソリン車では高級車の長所だ。
 その双方を兼ね備えることは、ガソリン車では不可能だったが、電気自動車では実現できている。
 それと同様のことが、新型ノートでは実現できているそうだ。その意味では、ほとんど電気自動車に近い走行感がある。
 このような美点は、トヨタのハイブリッドにはないものだ。それゆえ、新型ノートの評価は極めて高い。
 燃費の良さと相まって、約 50万円の価格差を超える魅力があるようだ。
 ( ※ 燃費の良さでコストを回収できる分は、20万円程度だけだ。残りの 30万円は、自動車としての魅力に払う計算になる。)

 ――

 さて。ここで新たなニュースが出た。政府の環境対策自動車優遇で、EV だけでなく PHV にも高額の補助金が出ることになったのだ。
 現在のEV補助金の上限は40万円だが、プラグインハイブリッド車(PHV)については、20万円から40万円にそれぞれ2倍に、燃料電池車(FCV)も補助上限額を225万円から250万円に引き上げるという。
 日経によると、補助金は、自治体が独自に実施している補助事業との併用も可能。
( → 大盤振る舞いの購入補助金…EV最大80万円、PHV40万円に倍増、FCVも250万円に引き上げ | (Response.jp)

 「補助金は、自治体が独自に実施している補助事業との併用も可能」というが、どのくらいの額か? これは、東京都が傑出して高額で、30万円も出してくれる。出典は下記。
 プラグインハイブリッド自動車: 個人  30万円 
( → 電気自動車等の普及促進事業(EV・PHV車両) :東京都地球温暖化防止活動推進センター

 では、PHV として認定されるための条件は? 問題なのは、PHV 車が EV として走行できる距離だが、それはどのくらいか? 調べると、「 EV走行換算距離 30km 」という記述が見つかった。

PHV-hojo.png
出典:NEV (PDF)
  
 EV走行換算距離 30km というと、そのために必要な電池はどのくらいの量か? ちなみに日産リーフの例で見ると、
   電池量は 40kWh
   航続距離は 400km
 というカタログデータが見つかる。
 これにならえば、電池量 3kWh で、航続距離 30km を達成できるはずだ。
 リーフは、車両本体の重量も重いし、搭載する電池の重量も重い。そのせいで燃費(電費)が悪い。では、小型軽量の他車ならばどうか?

 たとえば、新型ノート ならもっとよい数値になるはずだ。(車両本体も小さめだし、搭載する電池の量も少なめだからだ。)
 とすると電池量 3kWh で、航続距離 40km を達成できるだろう。
 つまり、新型ノートが 3kWh の電池を搭載すれば、「EV走行換算距離 30km 」という条件は、楽々クリアできるわけだ。

 現状の新型ノートは、e-POWER 車の電池量が 1.57kWh である。(カタログデータ。)
 とすれば、あと 1.5kWh分の電池を追加搭載するだけで、PHV 車としての条件を満たすことになるので、多額の補助金をもらうことができるわけだ。

 となると、日産自動車としては、「新型ノートの電池量を倍増させよう。そうすれば、PHV 車として認定されて、多額の補助金をもらえるようになるぞ」と考える動機が生じたことになる。
 この意味では、近い将来に、ノートPHV という車種が新登場する可能性がある。十分に期待していいだろう。

 ──

 では、もし新型ノート PHV が発売されたら、ユーザーとしてはどのくらいの「お得さ」が生じるか? それについては、次のデータが参考になる。(トヨタ公式)
  → トヨタ プリウスPHV | エコカー対象グレード | トヨタ自動車WEBサイト
 あれやこれやと、多種多様な補助金が出るとわかる。(これが新型ノート PHV にも適用されることになる。)
  ・ 購入時の補助金は、40万円 (都内なら 70万円程度)
  ・ エコカー免税は、約 10万円アップ ( e-POWER 比で。)

 この PHV 車を e-POWER 車と比較すると、エコカー免税込みで、50万円(都内なら 80万円程度)の補助金が出る。大幅にお得となる。

 一方、コストはどのくらいか? 
 電池を 1.57kWhから 3kWh に倍増する分(電池代の増加)は、10万円ぐらいだろう。さらに、充電用の組み込み部品代が 5万円ぐらい。合計して 15万円ぐらいのコストアップ。これがそっくりそのまま、販売価格の上昇につながる。

 現在、新型ノート e-POWER のカタログ価格は 218万円。これに加えて、コストアップ分が 15万円。合計 233万円で販売することになる。
 一方、補助金は、全国 50万円、東京で80万円だ。その分を 233万円から差し引くと、全国で 168万円、東京で 138万円となる。これが新型ノート PHV の(実質的な)支払い価格となる。
 138万円という価格は激安だ。軽自動車並みの価格だ。こうなれば、誰もが大喜びで、新型ノート PHV を購入したがるだろう。

 ──

 というわけで、高額の補助金が出るようになると、新型ノート PHV は非常にお買い得となる。極端すぎるほどだ。
 現実には、これほどの激安になるほどの補助金は、長くは続かないだろう。(車が売れすぎれば、途中で補助金は縮小されるだろうから。) が、それでも、ある程度の補助金は出るだろうから、PHV は将来的に有望だと言える。

 ただし、そのためには、もともと PHV に転換するのが容易なタイプのハイブリッド車であることが必要だ。具体的には、 「シリーズ式のハイブリッド」であることが必要だ。
 日産の e-POWER とホンダのハイブリッドは、シリーズ式のハイブリッドなので、問題ない。
 一方、トヨタハイブリッドは、パラレルとシリーズの折衷型で、遊星歯車のような複雑な機構が付いている。こういうタイプは、PHV に改造するのは大変だ。大幅なコストアップも必要だろう。だから、既存のハイブリッド車を PHV に改造することは難しい。実際、プリウス PHV は、プリウス HV に比べて、大幅にコストアップとなっている。(だからろくに売れない。)

 ──

 これまでのハイブリッドは、トヨタのハイブリッドが圧倒的に優位にあった。
 近年になって、日産の e-POWER という新顔のハイブリッド車が出て、市場の評価は非常に高い。
 そして今後は、(シリーズ式のハイブリッド車の搭載電池量を増やすという形で)PHV 車が販売を増やしていくだろう。(補助金の効果で。)

 長期的にも、EV 車はまだまだコスト高なので、EV 車に移行する途中では、PHV 車がシェアを拡大することになりそうだ。
 時代の流れとしては、こうなる。
  ガソリン車 → 折衷型ハイブリッド車 → シリーズ式ハイブリッド車 → PHV → EV



 [ 付記1 ]
 EV走行換算距離 30km というのは、ちょっと問題だ。これだと、EV としての航続距離が短いので、実際に EV として走る距離は限定的となる。日中の大部分では、ガソリン車として走っていることになる。こんなことでは、多額の補助金を出す価値がない。
 したがって、この数値は 30km から 60km ぐらいに引き上げる必要があるだろう。この 60km という数値をもって、次のように名称を区別するといい。
  ・ 30〜60km …… PHV
  ・ 60km 超 …… PHEV


 ちなみに、30km 未満だと、PHV としての条件を満たさないので、ただの HV という扱いになる。(新型ノートや新型フィットや新型ヤリスがそうだ。)
  30〜60km は、現行では PHV として認められて、補助金は満額をもらえるが、今後は補助金を半減(もしくは半分以下に大幅減)とするべきだろう。
 60km 超は、電気自動車として走行する時間が長くなるので、電気自動車っぽい。それゆえ、 PHEV と名付けることもできるし、補助金も満額をもらえるようにしていいだろう。
 
 ちなみに、新型ノートならば、電池量 3kWh で、航続距離 40km を達成できるだろうから、同様に、電池量 4.5kWh で、航続距離 60km を達成できるだろう。電池量 5kWh なら、航続距離 60km を楽々クリアできるだろう。

 ちなみに、三菱のアウトランダー PHEV は、「 EV走行換算距離 57.6km 」ということなので、上記の 60km という条件を、ギリギリで満たさないことになる。(あとちょっとだけ充電池を増やすか、電池性能を向上させれば、条件を達成できるようになるだろう。)

 [ 付記2 ]
 ホンダの新型フィット・ハイブリッドもシリーズ式のハイブリッドだが、電池の容量が小さくて、新型ノートの半分ぐらいしかない。( 0.86kWh )
 そのせいで、電気を貯め込む能力が小さいので、エンジンが常時稼働に近い状態だ。いつもエンジンが働いているので、うるさい。その点では、新型ノートに大きく劣る。
 のみならず、電池容量が小さいことから、PHV への転換も、その分、面倒になる。ちょっと期待しにくい。
( ※ ただし、エンジン直結駆動ができるので、高速道路における燃費は優れている。)
posted by 管理人 at 23:48| Comment(4) | 自動車・交通 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今回の雪で、足止め食らった多くの車がありましたね


もし、EV社だったら、

暖房が利かない
電池が持たない
充電場所が限られいる
重たい車両(電池がおもい)

最悪ですね。

さらに、

高額な車両価格
けして少なくない CO2聡排出量
短い走行距離
劣化する、電池
放電量(時間とともに減少する電池)
長時間の充電時間
少ない充電個所
高速走行で急激に増える電費

管理人殿:=====

なんで、マスコミがEV車を持ち上げるか
納得できる、理由を教えてください。


Posted by Q at 2020年12月23日 12:39
 EV は、今現在の時点では、ガソリン車に大幅に劣ります。だからシェアでも圧倒的に負けているし、補助金なしでは対抗もできないぐらい劣っています。
 要するに、今現在の優劣は関係なくて、将来を見込んでのでのことです。あくまで長期的な視野における展望です。

 ――

 もう一つ、目的が違います。個人の損得は関係ない。人類全体で、(温暖化阻止という)地球改造計画の一翼を担っているんです。
 地球改造計画という遠大な目的が真の目的であって、個人の便利さの優劣というような小さな事柄は目的となっていません。

 比喩的に言えば、惑星間戦争で、地球の存亡を問題視にしているときに、自分の手にある飴玉の損得のことだけを考えている子供がいる。それが、あなたです。

 p.s.
 この話題は、本項ではなく、前項の話題です。あなたは書く項目を間違えていますよ。
Posted by 管理人 at 2020年12月23日 15:21
> 車両本体も小さめだし、倒産する電池の量も少なめだからだ。

搭載の誤記ではないでしょうか
Posted by typo at 2021年02月27日 10:45
 ご指摘ありがとうございました。修正しました。
Posted by 管理人 at 2021年02月27日 12:15
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