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記事はこちら。テーマは学術会議の任命拒否。
首相は「学術会議について今回の(任命拒否)問題で話題になったけど、中身について国民の皆さんもだんだんわかってきたんじゃないか」と述べたという。
( → 首相「国民もわかってきた」 自民PTの学術会議提言に:朝日新聞 )
「中身について国民の皆さんもだんだんわかってきたんじゃないか」
だってさ。これはつまり、こういうことだ。
「学術会議の任命拒否の件で、私だけはちゃんと理解していたが、国民の大多数は物事を理解しないまま騒いでいただけだ」
要するに、こうだ。
「国民の大多数は、物事を理解しないまま騒いでいるだけの、馬鹿だ」
呆れる。仮にその通りだとしたら、首相は自分の思っていることを口に出して説明するべきだ。ところが実際には、説明しないで、答弁拒否ばかり。
菅政権にとって初めてとなった臨時国会の序盤では、菅義偉首相や閣僚が答弁を避ける姿勢が目立ち、「お答えを差し控える」などの表現は早くも80回近くになった。日本学術会議の任命拒否問題などを追及されたこともあり、首相の説明責任を果たそうとしない姿勢が浮き彫りになった。
( → 「控える」答弁、80回近く 首相ら学術会議巡り48回 臨時国会序盤:朝日新聞 )
自分が答弁拒否をして、説明を拒んでいるくせに、「国民は馬鹿だから理解できない」と思っているわけだ。で、「国民が理解できないことを理解する俺スゲー」と思っているわけだ。
呆れはてる。
【 追記 】
さらに輪をかけて、ひどい事例が起こった。8人で会食したことについての弁解。
菅総理大臣は、記者団が「自民党の二階幹事長らとの大人数での会食は適切だったと考えているか」と質問したのに対し、「他の方との距離は十分にあったが、国民の誤解を招くという意味においては、真摯に反省している」と述べました。
( → 5人以上の会食 菅首相「誤解を招くという意味で真摯に反省」 | 菅内閣 | NHKニュース )
これは、次のことを意味する。
・ 大人数での会食は適切だったと考えるので、反省はしない。
・ 誤解を招いたという点だけは、反省する。
後者は次のことを意味する。
「大人数での会食は適切だったのに、適切ではないことをしたと誤解されてしまった。誤解したおまえたち国民が馬鹿なんだよ。俺の正しい言動をいちいち批判するな。正しく理解しろ。まったく、馬鹿を相手にやっていられんわ」
これに対しては、突っ込みが多数寄せられた。
「誤解しているのは、おまえだろ」
というふうな。
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