2020年12月16日

◆ アビガンの効能(まとめ)

 アビガンの効能について、まとめふうに記す。

 ――

 アビガンが命を救う効果については、前に別項で記した。
  → アビガンの効能(重症者向け): Open ブログ

 ここでは、重症者へのアビガンの効能を記している。そこから一部を再掲すると、こうだ。
 新型コロナウイルス感染症の重症患者を総計487名受け入れており、アビガンを77.62%に、人工呼吸器を73.10%に、ECMOを16.02%に、ネーザルハイフローを4.52%に投与・実施するなどしている。
 効果を見ると、アビガン投与では72.75%が、人工呼吸器装着では67.98%が、ECMO装着では64.10%が、ネーザルハイフロー装着では77.27%が軽快している。
( → 新型コロナの重症者、77%にアビガンが投与され73%で軽快、16%にECMOが施され64%で軽快 医学部長病院長会議(2) | GemMed | データが拓く新時代医療


 参考:
  → コロナ重症者の治療実績最多はアビガン78%、軽快73%

 「アビガン投与では 73%が軽快している」とのことなので、アビガンには十分に効果があることになる。73% というのは、十分に高い数値だ。

 以上は、すでに(別項で)言及済みのことだが、本項では、さらに別の情報も加えよう。以下の通り。

 ――

 (1) スウェーデンとの比較

 「アビガン投与で 73%が助かるというが、投与しなくてもそのくらいは助かるだろう」
 と思うかもしれないが、さにあらず。スウェーデンでは、高齢者は何ら治療を受けることができないまま、見放されて、次々と死んでいるそうだ。
  → 【現場から、新型コロナ危機】スウェーデンで見捨てられた高齢者|TBS NEWS

 つまり、何も治療をしなければ、大量の死者が出るわけだ。


 (2) 米国との比較

 米国では大量の感染者と死者が出ている。統計の数値が出ているので、日本と比較しよう。

 日本の感染者数と死者数は下記。
  → Japan Coronavirus: - Worldometer
 日別数値の感染者数と死者数(7日間平均)を見ると、10月〜11月では、感染者数が 500 で、死者数が6ぐらい。

 米国の感染者数と死者数は下記。
  → United States - Worldometer
 日別数値の感染者数と死者数(7日間平均)を見ると、10月〜11月では、感染者数が 50,000 で、死者数が 750ぐらい。

 感染者に対する死者の比率を見ると、
  ・ 日本 …… 1.2% ぐらい
  ・ 米国 …… 1.5% ぐらい

 あまり大きな差はないように見える。だが、両者は高齢者の比率がまったく異なる。

 人口ピラミッドを見ると、80歳以上の人口が占める比率は、こうだ。
  ・ 日本 …… 3.1%  ( → 出典
  ・ 米国 …… 1.6%  ( → 出典

 80歳以上の超高齢者が占める割合は、日本が米国の倍ぐらいになっている。とすれば、日本では致死率(感染者に対する死者の比率)が、倍に近いぐらいの数値になってもおかしくないのだ。
 にもかかわらず、逆に日本の方が致死率は低い。( 1.5% と 1.2% )
 
 日本の方が医療環境はずっと優れている、と言えるだろう。(致死率を半分ほどに下げるぐらいの効果がある。)
 とすれば、そこには「アビガンが使えること」ということがかなり大きく寄与している、と推定できる。


 (3) ステロイドとの比較

 日本ではアビガンが主として使われているようだが、他の外国ではステロイドを主として使っているようだ。
 それでも、日本の方が致死率が低いので、アビガンはステロイドよりも(重症者に対して)効果がある、と言えそうだ。

  ※ 医学界の標準療法では「アビガンよりもステロイド」であるようだが。


 (4) アビガンとステロイドの併用

 どうせなら、アビガンとステロイドを併用すると、効果がいっそう上がりそうだ。私としては、これを推奨したい。
 医学界では、これはすでに実施されているようだが、情報は広く共有されていないようだ。「専門情報だ」ということで、アクセス制限をしているようだ。
  → 軽度呼吸不全を呈するCOVID-19肺炎患者に対するファビピラビル/ステロイド併用療法の多施設共同第II相試験|関連する治験情報【臨床研究情報ポータルサイト】


 (5) アビガンとフサンの併用

 アビガンとフサンを併用すると、効果がいっそう上がる……という報告もなる。
  → 新型コロナ/アビガンなど併用で治療効果 東大が確認 | 日刊工業新聞
  → 【東大病院】アビガンとフサン併用療法、9割でコロナ症状が軽快|薬事日報

 これはかなり前に出た報告なのだが、以後、あまり臨床例は増えていないようだ。不思議。


 (6) アビガンの経鼻吸入

 アビガンを経鼻吸入する、という方法もある。これは先端的な医療だが、きわめて効果が大きいと見込まれる。
 そこで、まずは ECMO の効果が上がっていないような重症患者で、「最後のとりで」として試行してみるといいだろう。
 ECMO 患者では、治療の効果が上がらないまま死亡する例が少なからずあるので、アビガンの経鼻吸入を試行する価値は十分にある。放置すれば死ぬ可能性が高いからだ。
 そもそも、これは、「一か八か」というような危険な投薬とは違う。もともとアビガンには効果があることはわかっていて、ただ、その投与方法を変えるだけだ。当然、副作用が新たに発生する危険も少ない。
 十分に試す価値があるだろう。
  ※ ただし、軽症者や中等症は、当面、やらない方がいい。まずは、治療の効果が上がっていない重症者を対象とするべきだ。

 ※ ただし、80歳以上は、気管挿管や ECMO の対象外となることが多いので、80歳未満が対象となる。


 (7) 特効薬ではない

 以上では「アビガンには効果がある」というふうに記した。ただし、効果があるとしても、劇的なほどの効果があるわけではない。この件は、「アビガンは特効薬ではない」というふうに表現されることが多い。
 つまり、「アビガンを飲んだらたちまち症状が軽快する」というわけではなく、「治る日数が3割ぐらい短縮する」というぐらいのことであるようだ。
 これをもって「特効薬ではないから、たいした効果はない」と見なす人もいる。だが、「治るまでの日数が3割ぐらい短縮する」というというのは、同時に、「死ぬ人が半分ぐらいに減る」ということも見込めるのだ。
  ・ どっちみち治る人 …… 治るまでの日数が3割ぐらい短縮する
  ・ どっちみち死ぬ人 …… 最後は死ぬので、結局は同じ
  ・ 中間の人     …… アビガンの有無で、生死が分かれる

 比率で言えば、上記は 98:1:1 ぐらいになりそうだ。感染者の 98
%は、どっちみち死なない。残りの2%のうち、半分(1%)はアビガンを投与してもしなくても死ぬが、半分(1%)はアビガンの有無で生死が分かれる。そういうふうになりそうだ。

 というわけで、「アビガンを飲めば全員が助かる」というほどの特効薬としての効果はないのだが、「アビガンを飲めば死者が半減する」というぐらいの効果ならば見込めるわけだ。これはこれで、十分に有益だと言えるだろう。
 ひるがえって、「特効薬でないから有効ではない」というのは、ナンセンスだ。

 ちなみに、インフルエンザ薬としての抗ウイルス作用では、アビガンはタミフルやリレンザと比べて、効果は3分の1ぐらいしかない、と判明している。その意味でも、「特効薬ではない」と言える。ワクチンほどの大きな効果(95%)があるわけではない。
 しかるに、ワクチンが有効なのは、感染する前に接種した場合だ。感染した後でワクチンを接種しても、無効だ。だから、すでに感染した患者には、アビガンを処方することぐらいしか、手はないわけだ。

 ※ 「特効薬を求める」という発想そのものがナンセンスだ……という話をしたこともある。下記だ。
  → アビガンを早期承認せよ(冬): Open ブログ の (4)


 (8) アビガンは原則、投与されていない

 「日本ではアビガンが投与されている」というふうに述べたが、実は、これは原則ではない。投与されるのは、指定病院に来た患者だけである。指定病院に来るのは、軽症者ではなく、重い軽症者または中等症以上である。つまり、アビガンが投与されるのは、症状が悪化してからに限られる。
 しかし本来ならば、アビガンは軽症のうちに投与されるべきなのだ。なのに、現状では、そうなっていない。たいていの人は、軽症者向けの施設に入るか、自宅療養か、どちらかだ。そのどちらの場合も、アビガンの処方を受けられない。
 そうして放置されたあげく、症状が悪化してからアビガンを投与する……というふうになっている。しかしこれは、「軽症のうちに投与すべき」という、薬の本来の使用方法に従っていないわけで、間違った使用法をしていることになる。その分、重症化して死亡する例が増えているわけだ。

 だから、今後、アビガンが承認されたら、「軽症でもアビガンを投与する」というふうにするべきだ。無症状または 37.5度ぐらい投与するのは早すぎるだろうが、38.5度ぐらいになったら、ためらいなく投与するべきだ。……そうすれば、「症状の悪化を防ぐことができるので、重症化してから死ぬ」という事例は激減するだろう。……これがアビガンの正しい使い方だ。
 
 ただし、そのためには「アビガンの承認」が必要だ。このことが、死者を減らすためには最も重要だと言える。




 [ 付記 ]
 厚労省が21日に、アビガン承認の審議をするそうだ。
  → 新型コロナ: 新型コロナ薬アビガン、21日に承認可否判断 厚労省: 日本経済新聞

 私が「さっさと承認しろ」と前日記事に書いたら、その翌日に「承認の審議をします」だって。……タイミングが良すぎるというか、何というか。偶然の一致にしては不思議すぎる。
 
 菅首相の方針転換にしても、私が書いた翌日だし。
 何だか、本ブログに私が何かを書くと、それが現実になるみたいだ。デスノートみたいなものか。

 ※ デスノートの元ネタは、「死神くん」かな。手帳に名前を書くと、その人が死んでしまう、というストーリー。
 
 
posted by 管理人 at 23:50| Comment(3) |  感染症・コロナ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 最後のあたりに  (8)  という小項目を追加しました。
Posted by 管理人 at 2020年12月17日 07:20
アビガン、承認先送り。無念、アビガン反対派の闇は深い。
■本日(12月21日)開催された審議会で、継続審議と言う無念なことになったようです。
 今後も「観察研究」名目での投与(注1)が続くことになりました。

■ハンガリーでは承認されたようです
(自動翻訳)Covid-19治療のために認可されたエジス社のファビピラビル薬
MTI-ハンガリー今日2020.12.20。
https://hungarytoday.hu/coronavirus-egis-favipiravir.../
Posted by 塚本水樹 at 2020年12月21日 22:38
> アビガン、承認先送り

 この件、23日の項目で書きます。22日は書く時間がなくなったので。
Posted by 管理人 at 2020年12月23日 00:38
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

  ※ コメントが掲載されるまで、時間がかかることがあります。

過去ログ