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大阪で重症患者が入院できずに死亡する、という事例があった。
大阪市内のコロナ患者用の病床を持たない医療機関の病院長が報告。この病院では11月25日に発熱で入院した80歳代の男性患者が、同26日、コロナの陽性と判明。男性には基礎疾患があり、病院側は、コロナ患者の受け入れ先を調整する府の「入院フォローアップセンター」へ転院先を探すよう依頼をしたが、見つからないまま、同30日に呼吸不全で死亡した。
病院長によると、院内の患者の感染が判明した場合、これまで1、2日間で専用の病床を持つ医療機関に転院できたが、「第3波」の現在は5〜13日かかっているという。
( → 陽性患者、転院先見つからず…呼吸不全で死亡(読売新聞) )
これを見て、「医療崩壊だ」と思う人が多いようだ。
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だが、医療崩壊状態になるとしても、それでも別に構わない……と思う人が大多数である。
「そんな馬鹿な! 医療崩壊があっていいなんて、俺はそんなことは思っていないぞ!」
と言い張る人が多そうだが、論理的に言えば、たいていの人は、医療崩壊を容認しているのである。
なぜか? そのことは、次のことからわかる。
「仮にコロナ専門の指定病院に入院できたとして、そこでどんな治療を受けられるのか?」
この患者は 80歳代なので、人工呼吸器や ECMO の対象とはならない。(どちらも患者への負担が大きくなりすぎて、かえって死亡率を高める危険があるからだ。)
実際、 80歳代への ECMO 使用例はきわめて少ない。

出典:ECMOnet
とすれば、このような患者に処置できることは、次のいずれか(または双方)だ。
・ ステロイドの処方
・ アビガンの処方
ここで、ステロイドの処方ならば、専門の指定病院でなく、一般の病院でもできる。専門の指定病院に転院させてもさせなくても、処置は同じだ。だから、専門の指定病院に転院させる意味がない。医療崩壊があってもなくても、同じことになる。(どっちみちステロイドを処方するだけだ。)
一方、アビガンの処方ならば、(現在は承認されていないので)専門の指定病院でしか処方できない。とすれば、専門の指定病院に転院させることの意味はある。専門の指定病院に転院させるかどうかが、命の分かれ目になることはあるだろう。実際、今回の患者も、専門の指定病院に転院させることができてれば、助かった可能性がかなりある。73%ぐらいの確率で、助かった可能性がある。(数字の理由は次項で述べる予定。)
ただし、である。ここから先が問題だ。
専門の指定病院に転院させることができれば、アビガンの処方を受けて、命が助かるだろう。しかしながら、現時点では、多くの人々は「アビガンが有効だ」と主張していない。その証拠に、「アビガンの承認を急げ」と唱えている人は、日本では私以外にはいないようだ。
富士フイルムがアビガンの承認を申請したのが、10月16日である。
→ 富士フイルム 公式 ニュースリリース
それから 60日を経た、本日(12月15日)になっても、アビガンの承認はなされていない。そして、それに対して、私以外の誰もが不服を唱えていない。
つまり、人々は「アビガンが承認されなくてもいいさ」と思っているわけだ。一種のアビガン不要論である。だったら、重症患者になったときに、アビガンを処方してもらえなくても、構わないわけだ。だったら、コロナの患者になったときに、専門の指定病院に入院できなくても、構わないわけだ。つまり、医療崩壊があってもなくても、どっちみち「アビガンを処方されない」という状況で構わないのだから、医療崩壊があってもなくても、どっちでも構わないわけだ。
要約:
「アビガンを必要だと認めていないのであれば(アビガンを処方されないのであれば)、医療崩壊があってもなくても、受ける処置は同じだ。だから、医療崩壊があってもなくても構わない、ということになる」
というわけで、人々は「医療崩壊があっても構わない」と思っていることになる。
ただし、私だけは、「アビガンの早期承認をせよ」と言っているので、私だけは「医療崩壊があってはいけない」と思っていることになる。
大多数の人々は、本人は「医療崩壊があってはいけない」と思っているつもりなのだが、実際には、「アビガンの承認がなくてもいいさ」「アビガンを処方されなくてもいいさ」と思っているので、実質的には、「医療崩壊があってもいいさ」と思っていることになる。ただし、本人は、それに気づいていないだけだ。自分で自分の主張を理解できていないわけだ。
[ 付記 ]
申請から 60日を経てもアビガンの承認がなされない、というのは、あまりにも遅すぎる。その遅れのせいで、どんどん死者が出ているのに、あまりにも悠長だ。
もしかしたら、副作用などの危険性を吟味しているのかもしれない。だが、アビガンはすでに、「インフルエンザ用の薬」として、副作用の安全性はチェックされている。すでに承認済みの薬なのである。今回は単に、「用途変更」(使用目的の追加)があるだけだ。だから、本来ならば、簡単に承認がなされていいはずなのだ。
現実には、それができていないせいで、多数の死者が出そうだ。この問題は、GoToトラベルなんかよりも、はるかに重大であるかもしれない。直接、人の生死に結びつくからだ。
だから、私は「さっさと承認せよ」と主張しているのだが、世論はそうではない。私としてはその現状を憂えている。……それが本項の真の趣旨だ。
【 関連項目 】
(1)
アビガンの承認を急ぐべし、という主張。
→ アビガンを早期承認せよ(冬): Open ブログ
→ アビガン承認への慎重論: Open ブログ
※ これら以外の他の項目でも何度か言及している。
(2)
アビガンの効能(効果があること)については、すでに本サイトで何回か言及した。だが、次項では、もっと詳しく論じる予定。(明日の分)
《 加筆 》
あとで気づいたが、すでに言及していた。
→ アビガンの効能(重症者向け): Open ブログ
聡明な管理人はそれに気が付ける人と期待しています。
長年、死者も患者も10倍以上のインフルエンザで起こらなかった
医療崩壊が今回起こったと、何故判断できるのか??
マスコミの情報操作に加担していたら、みじめですね。
> 国内の2000年以降の死因別死亡者数では、年間でインフルエンザによる死亡数は214(2001)〜1818(2005年)人です。
> また、直接的及び間接的にインフルエンザの流行によって生じた死亡を推計する超過死亡概念というものがあり、この推計によりインフルエンザによる年間死亡者数は、世界で約25〜50万人、日本で約1万人と推計されています。
グラフは https://bit.ly/38erxXQ
平均して年間 1000人程度で、その多くは基礎疾患患者や超高齢者。
コロナの死者は、冬の本場を迎える前にすでに 2600人。年間では 5000人を上回りそう。しかもこれは対策をした場合。対策をしないと、欧米並みに 数万人規模の死者が出る。
若手も、死ななくとも、ひどい目に遭う。
→ 「コロナはただの風邪」派さん、コロナで死にかかる
https://togetter.com/li/1637122
マスごみ報道を根拠にしてもらっても無意味です。
マスごみが集団で、大衆洗脳している事実に
気が付ける、管理人と思ったのですが
マスコミは大衆洗脳装置ですよ!
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/02.html
「厚労省のデータなんか信頼できない」というのなら、それはそれで一興。「政府の言うことは嘘ばかりだ」というわけですね。
「コロナはただの風邪」派の話は、本人のツイッターが出典です。マスコミでなく、自業自得になったご本人が出典。
(データ上は効くとしても実感できる程では無い)
https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/covid-19-fujita-iwata-2
無事、承認してほしいものです。
アビガンの新型コロナ薬としての審議会の日程が
以下のように、12月21日(月)と公表されました。
議題はアビガンについての1つだけです。
5の非公開は、通常のことです。
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https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_15492.html
薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会
1 開催日時 令和2年12月21日(月)18:00 〜 20:00
2 審議方法 Web会議
3 議題 別紙のとおり PDF 別紙(PDF:36.0KB)
4 出席者 医薬品第二部会委員 他
5 非公開の理由 企業の知的財産等が開示され、特定の者に不当な利益もしくは不利益を与えるおそれがあるため非公開とする。
( 別 紙 )
[審議事項]
議題1 医薬品アビガン錠200 mgの製造販売承認事項一部変更承認の可否及び再審査期間の指定について
[ そ の 他 ]
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■開発者の白木公康教授が承認申請データに基づいて、日本医事新報社への緊急特別寄稿
https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=15763
現在では修正されています。
※ ただし、いちいち読む必要はありません。本日分(16日)の項目(次項)で、きちんと説明するので。