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爪水虫などの治療薬約9万錠に睡眠導入剤成分が混入し、製造した製薬会社「小林化工」(福井県あわら市)が自主回収している。
「イトラコナゾール錠 50『MEEK』」で、服用には医師の処方箋が必要。今年9〜12月の出荷分に、1錠あたり5ミリ・グラムの睡眠導入剤成分「リルマザホン塩酸塩水和物」が混入していた。
1錠に混入された睡眠導入剤成分は1回あたりの最大投与量の2.5倍。1日8錠服用する人もおり、その場合は20倍に相当する。大量に服用すると、副作用のリスクが高まり、意識がもうろうとするなどの状態に陥る恐れもあるという。
( → 睡眠薬混入「重大な過失」、水虫薬メーカー謝罪…死者は70代女性 : 社会 : ニュース : 読売新聞 )
会社の説明によると、容器はまったく異なる形状であるそうだ。
同社は、睡眠導入剤の成分を保管した容器は、水虫薬の成分を入れた容器とは形状も材質も、大きく異なっていることを明らかにした。「取り違えることのないレベルの取り違え」として今後、第三者を交えて原因究明を進め、再発防止に努めたいとした。
同社の説明では、水虫薬の主成分はドラム缶のような形の高さ1メートル弱の紙容器で保管する一方、睡眠導入剤成分は平たい缶に入れられ、容器には成分名も書かれている。保管場所からの取り出しや調合などをする際、社内規定では作業員が2人1組でする決まりだが1人になった時間帯があったとし、同社はその時間帯に混入が起きたとの見方を示した。
( → 水虫薬に誤混入「取り違えることないレベル」 社長謝罪 - ライブドアニュース )
まったく違う容器に入っていて、間違えようのないはずだった。それにもかかわらず、間違えてしまった。ここには謎がある。それはいったいどうしてか?
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私の想像では、生産体制に問題があると見ていい。具体的には、こうだ。
「担当したのは、薬品製造の素人だった」
つまり、こうだ。
「ジェネリックは、品質よりもコストが優先になる。だから社員は、正社員でなく、(低賃金の)非正規や派遣がまかり通っているのだろう。それで、労働の質が低下しているので、原材料の扱いもずさんになる。プロの専門的な正社員ではなく、素人が製造するという、ガバガバの体制となっているのだから、事故は当然に起こる」
ここでは、個別の人為的ミスがあったのではなく、組織そのものに問題があったことになる。システムの問題があったことになる。
そして、そういうことが起こったのは、「コスト削減が最優先」というジェネリックの会社の体制にある。(まともな製薬会社ならば、そんなことはないはずだが。)
※ 「ジェネリックはすべて悪い」というふうには言えない。ただ、ジェネリックの会社は数が多く、なかには粗雑なものが含まれるので、ジェネリックだと粗悪品が生まれがちだ、とは言える。正規品ならば、そういうことはないだろうが。
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対策はどうするべきか? 私の提案は、こうだ。
「薬品の製造過程においては、労働者の全員を正規社員とすること。派遣や非正規に担当させてはいけない。派遣や非正規が担当してもいいのは、製造済みの薬品の梱包や運搬などだけだ。製造過程そのものでは、正規労働者だけが担当するべきだ」
※ 「ジェネリックは危険だから、購入するな」という結論にはならない。「ジェネリックの生産体制をきちんとせよ」と言える。国による規制が必要だろう。「やたらと規制緩和すべし」という昨今の風潮とは逆で、「命に関わる分野では、きちんと規制をするべし」となる。
[ 付記 ]
今回の事故が「派遣・非正規」であることが原因であったかどうかは、今のところ判明していない。
とはいえ、上で述べた提案は、ピンボケというわけでもない。これはこれで、将来の事故を防ぐために、実施するべきだろう。
ただしその対策が、今回の事故と直接関連しているかどうかは、今のところは未解明だ。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kouhatu-iyaku/index.html
> それにもかかわらず、間違えてしまった。
> ここには謎がある。それはいったいどうしてか?
間違いでは無く、『故意だった』としか思えない。。。
容器の形状よりは、文字に従いがちだから。