2020年12月14日

◆ コロナ交付金で無駄遣い

 コロナに対応するための交付金で、自治体がさんざん無駄遣いしている。これは間違ったことか? 

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 コロナに対応するための交付金で、自治体がさんざん無駄遣いしている。朝日新聞が特集記事を書いている。
 新型コロナウイルスに対応するため国が地方に配る地方創生臨時交付金の使い道に、コロナとの関係が不透明な事例が出ている。県庁に置く鐘やスポーツ用の電光掲示板、博物館の照明のLED化――。総額4.5兆円に上る交付金だが、「便乗した予算の使い方」との指摘もある。
 佐賀県は、中高生のスポーツ大会で「動画配信に対応する」などとして、電光掲示板やスコアボードなどの購入費にも5809万円を計上。「減便の続く佐賀空港の集客」で宇宙をテーマにした多目的スペースを作るため、整備費2400万円の全額に交付金を充てると決めた。
 新潟県は、県立歴史博物館の修繕費約9千万円の全額に交付金を充てる。このうち、費用の約半額という照明のLED化は数年がかりで進める計画だったが、交付金を使って2022年度分を前倒しした。
 広島県三次市は交付金2千万円を使い、老朽化していた公用車10台を11月までに買い替えた。
 三重県は、来年開催予定の「太平洋・島サミット」への関心を高めようと、SNSでのプレゼントキャンペーンに約1300万円の交付金を充てる。県産の干物や松阪牛などが当たる。
 愛知県は、県立農業大学校の食堂に置く自動給茶器の費用を計上した。
( → コロナ交付金、使途正しい? 公用車10台に自動給茶器:朝日新聞

 呆れるほどの無駄遣いだ。「何でや。それ、コロナ関係ないやろ!」と文句を付けたくなるものだ。
 菅首相が GoTo なんていう無駄遣いをしていると思ったら、それに輪を掛けて、コロナには全然関係なさそうなことに無駄遣いをしている。菅首相よりも、自治体の方がもっとひどいようだ。
 では、これは間違ったことか? 

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 「無駄遣いは間違ったことに決まっているだろ! 当り前だろ!」
 と思うかもしれないが、さにあらず。実はこれは、間違ったことではない。

 なぜか? 実はこれは、まさしく狙い通りなのである。元の交付金の名目(目的)を調べればわかる。
 この地方創生臨時交付金は、4月に閣議決定されたコロナ対応の緊急経済対策の中に位置づけられた。内閣府によると、対象は、感染拡大の防止▽雇用の維持と事業の継続▽経済活動の回復▽強靱(きょうじん)な経済構造の構築、のいずれかを目的とする事業で、「高い自由度で使える設計」(地方創生推進室)という。国の2次補正予算までに3兆円が確保され、政府はさらに1兆5千億円の積み増しを閣議決定した。

 この交付金はは、医療対策ではなくて、経済対策の金なのだ。コロナに対応して、感染を減らすための金ではなくて、あくまで経済振興のための金なのだ。
 だから、国民がいくら「その金で医療や検査を充実させよ」と要求しても、そんな要求はきっぱりと撥ねつける。( → 別項【 追記 】
 そして、かわりに、GoTo のような経済振興のために、莫大な金を投入する。その一環として、この交付金もあるのだ。その金はあくまで、コロナ対策ではなくて、コロナのときの経済対策の金なのである。

 したがって、自治体がその金でコロナ対策をしないで、地元の経済振興などのために(という名目で)、どんどん無駄遣いをするのは、まさしく政府の狙い通りなのだ。そういう名目で交付金を出したのだから、そういうふうに無駄遣いをするのは、まさしく「目的通り」なのである。
 ゆえに、自治体のやっていることは、まったく間違いではない。

 ――

 では、それで済むのか? 済まない。自治体は間違っていないが、政府の交付金制度そのものが間違っている。この菅首相の方針そのものを正す必要がある。

 ここで注意。正すべきものはあくまで方針の方であって、自治体の方ではないのだ。これは、前日の記事と同様である。
  → 軽症療養者が放置で死亡: Open ブログ

 この記事では、「個別のルールを是正すればいいのではなく、組織そのものを是正するべきだ」と述べた。つまり、問題はシステムにある。
 同様に、今回の交付金でも、「交付金について、個別の使途を是正すればいいのではなく、交付金の制度そのものを是正するべきだ」となる。つまり、問題はシステムにある。
 どちらにしても、システム(組織 or 制度)に問題がある。ここを是正する必要があるのであって、個別の使途を一つ一つ是正すればいいのではない。

 ――

 朝日新聞の記事は、その点で、理解が足りないようだ。記事はあくまで、「自治体の個別の使途がよろしくないから、個別の使途を是正するべきだ」という趣旨だ。で、「そのために、チェックを入れればいい」というふうに識者の談話を紹介している。
 だが、個別にチェックして、個別に是正すればいいのではない。制度そのものが「経済振興」であることを是正するべきなのだ。「コロナ対策の金は、経済振興のためではなく、感染抑止のために使え」と。「そうでなければコロナ対策になっていない」と。

 金のことばかりを考えて、命のことを考えない……という根源にこそ問題がある。これは単に「無駄遣いをやめればいい」という問題ではないのだ。
 この本質を理解しないと、記事を読んでも、物事の表面しかとらえられないことになる。



 【 関連項目 】

 → 時を金で買うべし: Open ブログ

 金を使うことで医療の状態を改善できる、という話。これこそ、正しい金の使い方だ。



 [ 余談 ]
 コロナはひどいことばかりのようだが、例外的に、「コロナで救われた」という人もいる。
 不倫した妻が子供を連れて逃げ出したので、人生のすべてを失った気分になって、死にたくなった男性がいる。死ぬのを思い止まって、じっと我慢していたら、コロナが蔓延したせいで、困窮した妻と子供が戻ってきた。コロナのおかげで人生を救われた……という話。
  → 年収900万円の “真面目な夫” から娘を奪った不倫妻の「厳しい末路」
 愛が命を救うように、コロナが人生を救うこともある。(冗談みたいな本当の話。)
 
posted by 管理人 at 21:00| Comment(0) |  感染症・コロナ | 更新情報をチェックする
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