2020年12月09日

◆ トヨタ・ミライの未来

 トヨタ・ミライに未来はあるか? モデルチェンジして、新型になったが、お先は暗い。

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 トヨタ・ミライがモデルチェンジして、新型になった。報道は下記。
  → トヨタ、新型「MIRAI」発売 航続距離は850キロに、空気をきれいにする機能も
  → トヨタの燃料電池車「ミライ」がフルモデルチェンジ 走りが自慢のFRセダンに変身
  → 新型トヨタMIRAI販売開始──実質500万円台から購入可能へ | GQ Japan
  → トヨタ、新型ミライ発売 「走るほど空気を清浄化」:朝日新聞(動画あり)

 テスラ・モデル3をダサい感じにしたデザインで、いかにもトヨタらしい野暮ったいデザインだが、それはさておき。
 燃料電池車なんてものに、未来はあるのか? とうてい、ありそうにない。理由は下記。

 (1) 「水素にして、貯蔵して、運搬して、さらに化学反応で電気に戻す」というのは、余計な過程がいっぱいありすぎて、無駄の極みだ。発電した電気をそのまま使う電気自動車に比べて、無駄ばかり。

 (2) 水素の製造コストが馬鹿高い。今は化学産業の副生品として出た水素(余っているもの)を使っているので、比較的安いようだが、将来的には、水の電気分解をして水素を作ることになるので、値段が馬鹿高くなる。「太陽光発電のコストは将来的には劇的に下がるぞ」という見解がありそうだが、その場合は、電気自動車の電気代も同様に下がるので、水素生産にかかる余分なコストの差は埋まらない。

 (3) 燃料電池と水素タンクが重すぎる。(水素タンクは金属製のボンベが重い。)(電気自動車は、充電池が重いが、将来的には 電池レス の電気自動車になる見込みなので、すごく軽くなる。)

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 ちなみに、前日の項目でも示したように、次の新聞記事がある。
 「現在の水素は1立方メートルあたり50円。経済的になるには10円を切ってこないといけない」と指摘。水素を使う燃料電池車では30円で採算が取れるとされるが、鉄鋼業ではより価格が下がる必要があるという。
( → 鉄鋼「CO2ゼロ」は難題 水素・再生エネ活用、険しい道:朝日新聞デジタル

 30円に対して 50円だから、およそ2倍ぐらいのコストがかかっている。
 また、水素には、ガソリン税(つまり道路利用税)が免除されているので、その分、安くなっている。将来的には、このような免除もなくなるので、別の形で道路利用税が課せられる。そうなると、価格は道路利用税の分だけ上がる。となると、ガソリン(税抜き)に比較して、3倍ぐらいのコストになるわけだ。ガソリン(税込み)に比較すると、1.5倍ぐらいのコストになるわけだ。(税の分は定額なので、倍増はしない。2倍と1倍の和で、3倍となる。ガソリンの税込みは、1+1で、2となる。)

 さらに、副生品でなく電気分解の水を使うと、ガソリン(税抜き)に比べて5倍ぐらいのコストになる。(2×2+1=5)。ガソリン(税込み)に比べると、2.5倍ぐらいのコストになる。ガソリンなら1リットル 125円で済むのに、同じ距離を走行する燃料電池車だと、その 2.5倍の燃料費がかかるわけだ。とんでもないことだと言える。およそ実現の可能性はないね。
 というわけで、燃料電池車の未来は、お先真っ暗だ、というふうになる。



 [ 付記1 ]
 電気自動車はどうか? 道路利用税を課されていない状況では、電気自動車はガソリンのハイブリッド車(プリウス)よりも少し安い程度らしい。
  → 結局電気自動車にすると自宅の電気代が上がるからガソリン代より割高じゃない?

 電気自動車にも道路利用税が課せられるようになると、電気自動車の方が(ハイブリッド車よりも)いくらか高い程度となりそうだ。ただしハイブリッド車でない車に比べると、電気自動車の方が安い。
 また、ハイブリッド車は、ガソリン車に比べて、50万円程度高い。それを燃費の分で取り戻すことはできない。(燃費の分で取り戻せるのは、10年間でも 20万円ぐらいだけだ。)

 いろいろ見ると、燃費の点では、優劣で示すと、
   ガソリン車 ≪ 電気自動車 < ハイブリッド車  (優)
 となるのだが、本体価格では、優劣で示すと、
   電気自動車 ≦ ハイブリッド車 ≪ ガソリン車  (優)
 となるようだ。
 なお、現実には、税制面では電気自動車が優遇されているので、電気自動車の維持費が低くて済む。

 一方、燃料電池車は、税制面では優遇されているものの、もともとのコストが高すぎて、まったく勝負にならない。本体価格でも、燃料の価格でも、燃料電池車は論外と言える。当然、未来はない。お先真っ暗だ。

 トヨタは「燃料電池車に全集中」なんていう方針らしいが、これじゃ、全滅しそうだ。
 
 [ 付記2 ]
 水素ステーションは、数が不足しすぎている。Google マップで「水素ステーション」を検索すると、あまりにも数が少ないのに愕然とする。特に、高速道路上ではほぼ皆無であるのが痛い。
 現実的には、燃料電池車は都心以外では使えない。中国で「街乗り専用の 40万円の電気自動車」というものがあったが、それと同様のものでしかない。いや、もっとひどいな。「街乗り専用の 40万円の電気自動車」は、田舎の街中でも使えるだけ、燃料電池車よりもマシだ。



 【 関連動画 】



posted by 管理人 at 23:44| Comment(2) | 自動車・交通 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 ガソリンの「税抜き」と「税込み」の価格を区別していなかったせいで、倍率計算を間違えていました。その数字を修正しました。
 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2020年12月10日 00:36
>  トヨタは「燃料電池車に全集中」なんていう方針らしいが、これじゃ、全滅しそうだ。

 と上で述べたが、トヨタの社長が公式に認めた。白旗を揚げた。
 「もはやわが社は生き残れないので、ガソリン車廃止という流れそのものをやめてくれ」
 だってさ。
 https://mainichi.jp/articles/20201217/k00/00m/020/371000c

 世界の流れに、たった1社のエゴで抵抗しようとする。時代遅れになって消えゆく会社か。馬車や蒸気機関車みたいなものかな。
Posted by 管理人 at 2020年12月18日 08:28
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