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トヨタはもともと自社(本体)では、自動運転技術を開発していなかった。出資した米国子会社とウーバーに、開発を委ねていた。単に金を出して、成果をもらおう、というだけだから、自社では技術が身についていなかった。
「それでもいいさ」と思っていたのだろうが、開発を委ねていたウーバーが撤退することになった。
・ ウーバーは自社の自動運転の技術開発部門を売却。
・ 売却先は、自動運転の技術開発をする別会社。
・ 売却後、トヨタはその別会社と提携を継続する。
・ しかしその別会社は、トラック専門。乗用車はなし。
というわけで、トヨタが得られるのは、トラックの自動運転技術だけ。乗用車には(ろくに)適用できない。
残るのは自社の子会社だが、そこはソフトウェアの開発をするだけだから、ハードを含む本格的な技術開発はできない。
かくてトヨタの技術開発は頓挫することになった。(自動運転では)
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詳しくは下記。
米ウーバーは7日、同社の自動運転部門「ATG」を、シリコンバレーの新興企業「オーロラ」に売却すると明らかにした。ATGには昨年、トヨタ自動車などが10億ドル(約1040億円)を出資したばかり。オーロラは、乗用車ではなく長距離トラック向け技術に注力しており、トヨタの戦略にも影響しそうだ。
( → ウーバー、自動運転部門売却 共同開発のトヨタに影響か:朝日新聞 )
同種の記事は下記。
→ ウーバー自動運転部門を売却へ コロナで経営悪化 : 日刊スポーツ
→ CNN : 米ウーバー、自動運転車部門を売却 5年にわたる開発に終止符
→ Uberが自動運転部門Uber ATGを売却、購入したAuroraの企業価値は1兆円超え
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「どうしてこうなった?」と思うだろうが、実は、こうなること(売却というよりは頓挫すること)は、私が1年前に予測していた。
→ 自動運転の現状(各社別): Open ブログ(2019年12月23日)
一部抜粋。
・ トヨタは、自社開発もひどいが、提携先の Uber がどうしようもなくひどいので、落後寸前だ。
・ トヨタは、莫大な金を掛けて米国に投資したり、Uber との提携もしているが、何も得ていない。金をドブに捨てている。最悪だ。
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最も研究費を投入しているのは、Uber かもしれない。
ところが、自動車会社ではない悲しさで、いくら研究開発費を投じても、成果は惨憺たるありさまだ。
結局、最大の金を投入して、最低の成果を得ているわけだ。コスパ最悪と言える。この分だと、近い将来、倒産しそうだ。大規模な倒産騒動が起こりそうだ。
さらには、Uber におんぶでだっこのトヨタもまた、溺れる者同士で、引きずり込まれるかもしれない。トヨタと組んでいるソフトバンクもいっしょだ。「死なばもろとも」か。
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Uber の方針は、ビジネスモデルとしては破綻している。
Uber のやっていることは、あまりにも頭が悪すぎる。倒産は必至だろう。
このままずっと続ければ倒産するしかない。そこで、倒産する前に、該当部門を売却したわけだ。投入した資金の半額ぐらいの捨て値で。(しかも現金は得られず、相手企業の株と交換する形で。)
私の予想は「倒産」だったが、倒産の前に「売却」となれば、似たり寄ったりと言える。このままなら 10年後に倒産だから、その前に赤字部門を売却したわけだ。どっちみち、該当の部門は(ウーバーからは)消滅するから、似たり寄ったりである。
しかしまあ、私の予想から1年後に撤退を決めたとなれば、ウーバーは最悪のバカではなかった、と言える。
いつまでたっても GoTo をやめない「最悪の馬鹿」である某首相よりは、ずっとマシか。
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さて。ここで問題だ。
トヨタは窮地に陥った。八方塞がりだ。もはや打つ手がないように見える。どうすればいい?
そこで、困ったときの Openブログに尋ねればいい。「何とかしてくれ」と。すると、回答が出る。こうだ。
「自らの失敗を認めればいい。ウーバーという沈没船に出資して委ねたのがすべての失敗の元だと認めればいい。出資した金もすべて諦めればいい」
トヨタはまず18年夏にウーバー本体への5億ドル(約520億円)の出資を発表。さらに19年春にはATGに対し、トヨタが4億ドル、デンソーが 2.67億ドル、ソフトバンクグループの投資ファンド「SVF」が 3.33億ドルと計 10億ドル(約 1040億円)を出資。
( → ウーバー、自動運転部門売却 共同開発のトヨタに影響か:朝日新聞 )
トヨタは9億ドルをウーバーに投入したが、この金と時間のすべてを諦めればいい。何もかも諦めればいい。そうすれば、身軽になって、最善の道を選ぶことができる。
( ※ 仮に諦めなければ、いつまでもウーバーにこだわり続けて、沈没船に乗り続けることになる。それは最悪だ。)
では、最善の道とは? それは、こうだ。
「スバルのアイサイト技術に頼る。ステレオカメラという世界最先端の技術を持っているからだ。この技術を得るために、スバル本体を買収する。つまりスバルを吸収合併する。このことで、スバルはアイサイト技術を提供するが、同時に、スバルはハイブリッド技術を得るから、双方が win-win となる」
「以後は、スバルの自動運転部門に、大量の金と技術者を送り込む。金と技術者なら、トヨタにはたっぷりとある。ないのは自動運転技術だけだ。それはスバルの開発体制に頼ればいい。スバルとしても、金と人手がなかったのが、トヨタに頼ることで、大きく整備される。この点でも、双方が win-win となる」
かくて、 Openブログに従えば、トヨタは窮地を脱することができるだろう。「 if ..... 」の話だが。
※ ただし現実には、トヨタはそうしない。いつまでもウーバー後継の会社に頼り続けるので、トラック技術しか得られなくなる。トヨタはトラック会社に転業するしかないかも。 (^^);