生命の起源について、その原理を新たに考えてみる。アミノ酸ができるまで。
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前項で示したように、生命の起源は、すでにいろいろ考えられている。
ミラーの実験(フラスコの放電)が有名だが、それはメタンのような還元性気体において可能なことであって、原始地球の酸化性気体では困難である、ということだった。( → Wikipedia )
こうして、一応の可能性は考えられたが、現実的には無理だ、という結論になった。困った。
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そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
「還元性気体ではアミノ酸ができるのだが、還元性気体がないのが問題だ。ならば、還元性気体を作ってしまえばいい」
「鳴かぬなら鳴かせてみようホトトギス」という感じで、「ないのならつくってやろう還元性」というわけだ。
具体的にはこうだ。
「二酸化炭素と水素から、メタンを作る」
CO2 + 4H2 → CH4 + 2H2O
これは、下記で説明されている。
→ サバティエ反応 - Wikipedia
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以上に基づいて、次のシナリオができる。
二酸化炭素は、もともとある。地中からボコボコ出てくる。
水素は、水と金属から生じる。金属が硫酸に触れて溶けると、水素が出る。
硫酸は、亜硫酸ガスが水に溶けて亜硫酸となり、そこに空気中の酸素が溶け込むと、硫酸ができる。
亜硫酸ガスは、火山では地中から出る。箱根では常に亜硫酸ガスと硫化水素が出ている。(卵の腐った臭いは、硫化水素の方。亜硫酸ガスは、もっと有害なので、そばには近づけない。)
結局、亜硫酸ガスと金属があれば、水素はできるわけだ。この水素と二酸化炭素から、メタンができる。
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「二酸化炭素と水素から、メタンを作る」
というのは、二酸化炭素が邪魔物扱いされている現代では、有益な化学反応であるとして、研究がいろいろと進んでいる。
→ Google 検索
いろいろな方法があるが、「高温・高圧下で、触媒を作用させる」というのが基本であるようだ。
また、水素のかわりに、金属水素化物を使う、という方法もあるそうだ。
→ 二酸化炭素からのメタンガス合成 広島大学
ともあれ、「二酸化炭素と水素から、メタンを作る」というのは、十分に可能なことである。
とすれば、そういう環境がたまたま原始地球において実現していたとしても、不思議ではない。特に、地下の高温・高圧下で、炭化物や水素がある状況では、何らかの形で、メタンができるということはありそうだ。
そして、メタンができれば、あとは放電によって、アミノ酸ができることは十分にありそうなのだ。(ミラーの実験)
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実は、もっと複雑な有機物ができる可能性もある。というのは、地下の石油は(植物からできたのではなく)鉱物として地価で形成された……という説もあるからだ。
→ 石油の無機成因論 - Wikipedia
トーマス・ゴールドという人の唱えた仮説であるが、現状では否定も肯定もされていない。正しいかもしれないし、正しくないかもしれない。ただ、これが正しいとしたら、かなり複雑な有機物(石油)が地下で形成されたことになる。
とすれば、メタンが出現したということも十分にありそうなので、そこからアミノ酸や生命が誕生したということも、十分にありそうだ、となる。
[ 付記 ]
本項では、アミノ酸の誕生までを扱った。
アミノ酸ができたあとで、そこから微生物の誕生までの過程については、下記項目で論じた。そちらを参照。
→ 生命の起源: Open ブログ
アミノ酸から DNA 増殖までの家庭については、下記項目で論じた。
→ 性の誕生の理由/生命の誕生: Open ブログ
※ 自然界における PCR 方の自然発生、という種子。
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なお、前項では、還元性気体を用いず、酸化性気体だけで、アミノ酸を作る方法が紹介されている。
→ 高温の微生物(120度): Open ブログ
※ 金属を高速でぶつけるという、荒っぽい方法。
現実には起こりにくいと考えられる。
【 関連サイト 】
火山と亜硫酸ガスについては
→ 火山についての Q&A
2020年12月07日
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