2020年12月07日

◆ 生命の起源(その原理)

 生命の起源について、その原理を新たに考えてみる。アミノ酸ができるまで。

 ――

 前項で示したように、生命の起源は、すでにいろいろ考えられている。
 ミラーの実験(フラスコの放電)が有名だが、それはメタンのような還元性気体において可能なことであって、原始地球の酸化性気体では困難である、ということだった。( → Wikipedia

 こうして、一応の可能性は考えられたが、現実的には無理だ、という結論になった。困った。

 ――

 そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
 「還元性気体ではアミノ酸ができるのだが、還元性気体がないのが問題だ。ならば、還元性気体を作ってしまえばいい」

 「鳴かぬなら鳴かせてみようホトトギス」という感じで、「ないのならつくってやろう還元性」というわけだ。

 具体的にはこうだ。
 「二酸化炭素と水素から、メタンを作る」

   CO2 + 4H2 → CH4 + 2H2O


 これは、下記で説明されている。
  → サバティエ反応 - Wikipedia

 ――

 以上に基づいて、次のシナリオができる。
 二酸化炭素は、もともとある。地中からボコボコ出てくる。
 水素は、水と金属から生じる。金属が硫酸に触れて溶けると、水素が出る。
 硫酸は、亜硫酸ガスが水に溶けて亜硫酸となり、そこに空気中の酸素が溶け込むと、硫酸ができる。
 亜硫酸ガスは、火山では地中から出る。箱根では常に亜硫酸ガスと硫化水素が出ている。(卵の腐った臭いは、硫化水素の方。亜硫酸ガスは、もっと有害なので、そばには近づけない。)

 結局、亜硫酸ガスと金属があれば、水素はできるわけだ。この水素と二酸化炭素から、メタンができる。

 ――

 「二酸化炭素と水素から、メタンを作る」
 というのは、二酸化炭素が邪魔物扱いされている現代では、有益な化学反応であるとして、研究がいろいろと進んでいる。
  → Google 検索

 いろいろな方法があるが、「高温・高圧下で、触媒を作用させる」というのが基本であるようだ。
 また、水素のかわりに、金属水素化物を使う、という方法もあるそうだ。
  → 二酸化炭素からのメタンガス合成 広島大学

 ともあれ、「二酸化炭素と水素から、メタンを作る」というのは、十分に可能なことである。
 とすれば、そういう環境がたまたま原始地球において実現していたとしても、不思議ではない。特に、地下の高温・高圧下で、炭化物や水素がある状況では、何らかの形で、メタンができるということはありそうだ。
 そして、メタンができれば、あとは放電によって、アミノ酸ができることは十分にありそうなのだ。(ミラーの実験)

 ――

 実は、もっと複雑な有機物ができる可能性もある。というのは、地下の石油は(植物からできたのではなく)鉱物として地価で形成された……という説もあるからだ。
  → 石油の無機成因論 - Wikipedia

 トーマス・ゴールドという人の唱えた仮説であるが、現状では否定も肯定もされていない。正しいかもしれないし、正しくないかもしれない。ただ、これが正しいとしたら、かなり複雑な有機物(石油)が地下で形成されたことになる。
 とすれば、メタンが出現したということも十分にありそうなので、そこからアミノ酸や生命が誕生したということも、十分にありそうだ、となる。



 [ 付記 ]
 本項では、アミノ酸の誕生までを扱った。
 アミノ酸ができたあとで、そこから微生物の誕生までの過程については、下記項目で論じた。そちらを参照。
  → 生命の起源: Open ブログ

 アミノ酸から DNA 増殖までの家庭については、下記項目で論じた。
  → 性の誕生の理由/生命の誕生: Open ブログ
   ※ 自然界における PCR 方の自然発生、という種子。

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 なお、前項では、還元性気体を用いず、酸化性気体だけで、アミノ酸を作る方法が紹介されている。
  → 高温の微生物(120度): Open ブログ
   ※ 金属を高速でぶつけるという、荒っぽい方法。
     現実には起こりにくいと考えられる。



 【 関連サイト 】
 火山と亜硫酸ガスについては
  → 火山についての Q&A 

posted by 管理人 at 20:28 | Comment(0) | 生物・進化 | 更新情報をチェックする
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