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これは忽那賢志が紹介したグラフだ。

出典 : 忽那 賢志
元画像:トルコ語文献
6日目ごろを境に、経緯が異なる。
・ 軽症 …… 6日目から軽快する。
・ 中等症 …… 6日目から悪化する。
これはなかなか役立つグラフだと言える。
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ただしこのグラフを見るだけでは、何の役にも立たない。面白がってみるだけだ。(ただの漫画も同然だ。)
元記事 では、最重要の話が抜けているのだ。それは、次のことだ。
「中等症の患者では、6日目ごろに悪化する直前に、アビガンを投与するべきだ。そうすれば、症状の悪化を防げる」
これが重要だ。これこそが医者にとってなすべき処置だ。医者のなすべきことは、患者の病状の変化を観察することではなくて、観察した上で何らかの治療をなすことだ。(ただ見ているだけなら素人でもできる。)
では、治療とは? それは「悪化する直前に、アビガンを投与すること」だ。そして、その時期が6日目ごろであることを、上記のグラフは教えてくれる。
だから、上のグラフを紹介したならば、そのことをいっしょに記すべきだったのだ。これこそが最重要のことなので、それを書き落としてはならないのだ。
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なお、「悪化する直前にアビガンを投与するといい」という点については、下記項目でいろいろと論じたことがある。
→ アビガンを早期投与せよ(少量で): Open ブログ
→ アビガンの早期投与の時期は?: Open ブログ
→ アビガンを早期承認せよ(冬): Open ブログ
実を言うと、アビガンを投与する時期は、早ければ早いほどいい。発症した直後に投与するのが、最も効果がある。
ただし、あまり早く投与すると、アビガンを必要としない(超)軽症者にも投与することになる。それだと、過剰投与にもなる。
だから、一概に「早ければ早いほどいい」とは言えない。患者が中等症以上になるとわかっているなら、「早ければ早いほどいい」と言えるのだが、患者が中等症以上になるかどうか不明ならば、「早ければ早いほどいい」とは言えないのだ。ちょっと困った。
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そこで、ちょっと困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。(部分投与という案)
「発症6日目から8日目まで、三日間だけ投与する。量は(本来の基準量である倍量でなく)標準量とする。この三日間に症状の変化を見て、以後の対応を決める」
普通の投与だと、早く投与するのでも、遅く投与するのでも、処方の仕方は同じである。
「処方の最初日には倍量を投与して、以後は標準量を(最大)14日間投与する」
出典は下記。
1日目のみ1回1800mg×2回、2日目以降は1回800mg×2回で、最長14日間、経口投与する。
( → アビガンを早期投与せよ(少量で): Open ブログ )
しかし、こういうふうに 14日間も投与するのでなく、3日間だけ投与するわけだ。(部分投与)
そして、この「部分投与」のあとで、症状に応じて、対処を変える。
・ 軽快していれば、軽症患者と判断して、以後は投与を中止する。
・ 悪化していれば、中等症と判断して、以後は初期に倍量を投与する。
・ 良くも悪くもならなければ、中間と判断して、標準量の投与を続ける。
このように対応を変えればいい」
……以上が、私の案だ。これを正式の処方とするべきだろう。
※ 医学界で処方の仕方が定まっていないので、私が医学界に提案するわけだ。「正しいアビガンの処方法」というふうに。
※ これは「可変的な方法」とも言えるし、「フィードバックの方法」とも言える。状況に応じて最適の手法をとるわけであって、「最適制御」の方法でもある。
(似たことは「ダムの事前放流」にも当てはまる。 → サイバネティックスとダム制御: Open ブログ )
※ 本項の話は原則であるが、例外もある。それは基礎疾患患者だ。基礎疾患患者の場合は、なるべく早めにアビガンを投与するべきだ。発熱3日目で死亡した岡江久美子さんの例もあるからだ。( → 岡江久美子さんとコロナ: Open ブログ )
※ 「投与が早すぎると、インフルエンザと区別できないぞ」という批判がありそうだが、問題ない。アビガンはインフルエンザ薬を兼ねているからだ。「実際にはインフルエンザだった」と後で判明するとしても、アビガンを投与することには問題がない。
[ 付記 ]
結局、アビガンを早めに投与することが大事だ。
ただし、話の前提として、アビガンの承認が必要だ。この件は、下記項目で述べた通り。
→ アビガンを早期承認せよ(冬): Open ブログ
承認が遅れるから、死者が急増しているんだよ。まったく困ったことだ。
最近の死者数は下記。

出典:Worldometer
【 追記1 】
冒頭のグラフの「ウイルス量」という山形のグラフは、あまり信用しない方がいい。これはたぶん、軽症者に限定された「ウイルス量」であるにすぎない。中等症や重症者では、異なるカーブを描くはずだ。つまり、6日目以後には、減少していないカーブを描くはずだ。
だいたい、中等症や重症者のウイルス量が、軽症者と同じはずがない。双方で同じカーブを描くという発想そのものが間違っているはずだ。
つまり、忽那賢志の出したグラフは、不正確である。部分的には間違っていると言える。
※ 専門家だって、堂々と間違いを犯すわけだ。だから私が指摘してあげる。
【 追記2 】
次の記事がある。
都によると、第2波以降は、患者が10人を超える規模で死亡するクラスターは確認していない。春からの経験を踏まえ、対策が進んだ効果があるという。
検査体制が拡充されたことも、死者数を抑える要因になっている。都の分析では、発症から入院までの日数の中央値は5月までは7日だったのに対し、6〜9月では5日に短縮された。
( → 相次ぐクラスター、死者急増 高齢者集中する病院や福祉施設 新型コロナ:朝日新聞 )
ここには因果関係があると見ていいだろう。
大量の検査 → 早期発見 → 5日目までの入院 → 5日目にアビガンの投与 → 重症化の阻止 → 死亡者の減少
という因果関係だ。
一方、大阪の場合は、大量の検査がないので、この因果関係が成立せず、死者が大量に出るわけだ。(グラフにある通り。)
グラフが部分的に間違っている、という話。
タイムスタンプは 下記 ↓
大量の検査 → 死亡者の減少
という因果関係の話。
タイムスタンプは 下記 ↓