2020年11月29日

◆ コロナ患者の入院の基準

 コロナで医療逼迫が起こっているので、入院患者を減らすために、入院の基準をつくって選別する……という方式が神奈川県で実施される。

 ──

 朝日新聞に詳しい記事がある。これまでも入院の基準はあったが、その基準を見直して、「全員入院」から「一部入院」に転換する。
 神奈川県は新型コロナウイルス感染症の患者の入院ベッドの逼迫を受け、65歳以上の人や基礎疾患がある人は原則、軽症や無症状でも入院させていた従来の方針を見直す。入院の優先度を医師が判断する際の目安として、県内共通の基準を来月にも導入し、スコア(点数)が一定以上の患者を優先的に入院させる。
 それによると、優先度を判断するスコアは、国内で得られた年代別の重症化割合のデータや、米疾病対策センター(CDC)が公表した基礎疾患によるリスクなどを元に決めた。75歳以上の人を65〜74歳の人より1点高い3点にしたり、基礎疾患ごとに1〜2点を割り振ったりして、合計5点以上を患者急増期の入院の目安とした。基準を設けるのは、医師による判断のバラツキを防ぐ狙いがある。
 無症状だと1点減点となるが、人工透析を受けている人や37週以降の妊婦は初めから6点で、優先的に入院できる。また、医師が必要と判断した人や、自宅や宿泊療養施設で過ごすのが難しい家庭環境の人も優先することにした。
( → コロナ入院基準見直し 県が優先度スコア導入:朝日新聞

 より詳しい情報は、朝日記事の地方版に、表形式で示されている。ネットにはないので、紙の記事を撮影して掲載しよう。


c-asahi1129.gif
( ※ 著作権は、朝日よりは神奈川県にある。)



 ──

 以上は、情報だ。これを読んで、「なるほど」と同意する人が多いだろう。
 だが、私は批判したい。これでは駄目だ。では、どこが? 

 この件については、前に論じた。再掲しよう。
 感染初期は、まだ症状が軽いのだから、感染初期の患者は、入院させずに、隔離施設(ホテル等)に収容するべきだ。そうすれば、病院収容するのは、症状が軽くない患者だけとなる。つまり、その分、収容する患者が減る。こうして、医療逼迫の状況はかなり軽減されるだろう。

 この方針は、次のことを意味する。
 「感染初期(発熱後1〜5日目)は、病院外にいていい。だが、途中(発熱後6日目)からは、入院させる」


 この方針は、神奈川県の方針とどう違うか? 次のことだ。
  ・ 神奈川県は、現状を見て、「症状が重い患者や、危険因子のある患者を、入院させる」という方針を取る。
  ・ 私は、将来を予想して、「症状が重くなると予想される患者を、症状が重くなる時期に入院させる」という方針を取る。


 コロナの場合、症状が重くなる時期は「発熱後6日目以後」と判明している。だから、その時期に入院させればいいのだ。換言すれば、その時期以前には、入院させなくてもいいのだ。(たとえ発熱があっても。)

 同じ項目では、再掲の形で、次のことも述べている。
 「入院した患者を、早期に退院させる(追い出す)ことで、ベッドを空ける」
 といっても、いきなり自宅に追い出すのは、まずい。そこで、こうする。
 「早めに退院した患者を、軽症者向けの施設に収容する」

 ここでは、「治療が未完了で回復途上の人(熱が下がった人)を、軽症者向けの施設に収容して、病院のベッドをあける」というふうに示している。

 つまり、症状がはっきり出ている人だけを入院させて、症状がまだ軽い初期の患者や、症状が治って軽くなった終期の患者は、(病院よりも)施設に収容するべきなのだ。これで入院者数を減らせる。

 ここでは、選別の基準は、「発病後の日数」である。これを重視するのが私の立場だ。



 [ 付記1 ]
 私が独自に「入院の基準」を示したことがある。春ごろの記事。「発熱後の日数を重視する」という基本的な立場が示されている。

 [i]

  ・ 原則としては、発熱後、初期の5日間は自宅療養とする。
   また、14日目以後も、自宅療養とする。(呼吸困難がない場合に限る。)
    ※ 自宅療養の例外は、後述の [ 付記1 ] を参照。
  ・ 発熱後、6日目〜13日目は、急変の危険があるので、施設に収容する。
   (ホテルの個室、または展示場の大部屋)
   収容後は、常時、パルスオキシメーターで監視する。
   (無線 Bluetooth で、機械的に常時監視ができる。)
  ・ パルスオキシメーターで異常が発見されたら、投薬治療に移る。
   以後、中等症として扱う。(「§ 施設」 の「中等症」の箇所へ。)

 [ii]

  ・ 原則からハズレる例外は、ハイリスクの患者だ。
  ・ 基礎疾患患者や、大病を患ったばかりの高齢者は、ハイリスク患者として扱われる。
  ・ これらは、発熱後、初日から監視下に置かれる。(現状では軽症でも。)
   その状況で、毎時、パルスオキシメーターで監視する。
   以後は、上記の6日目〜13日目と同様。(施設や対処も。)
( → 症状別の対応 (新型コロナ): Open ブログ

 これは、まだ隔離施設(ホテル)が整備されていないころの記事なので、「初期は自宅療養」と示している。しかし今では、隔離施設(ホテル)が整備されているので、自宅よりは隔離施設(ホテル)にいる方がいいだろう。

 [ 付記2 ]
 なお、現状では、自宅や施設にいる人には、アビガンは処方されない。(入院患者だけにアビガンは処方される。)
 そういうことだと、「入院しないことにともなって、アビガンを処方されないこと」によって、病状が悪化しがちだ。「入院しないこと」自体よりも、その副次的なことで、状況が悪化してしまうのだ。
 これを避けるには、アビガンを早期承認することが必要となる。そうしないのは、困ったことだ。
  → アビガンを早期承認せよ(冬): Open ブログ



 【 関連サイト 】
 神奈川県は、医療逼迫に対して、入院基準を変えた。
 これ以外で、医療逼迫に関する報道が、いくつかある。

 → 新型コロナ: 大阪、医療逼迫懸念一段と 軽症・中等症病床使用率53%: 日本経済新聞
   ※ 大阪では状況が悪化しているようだ。

 → 新型コロナの診療に関わる医療従事者の精神的な負荷について(忽那賢志)
   ※ 医療従事者は疲労困憊しており、逃げ出したくなるほどらしい。

 → 竹中平蔵「重症患者430人で日本の医療が崩壊するなんておかしい」
   ※ 医療崩壊なんておかしい(ありえない)、という現実無視の妄言。

 → 和歌山知事からのメッセージ | 和歌山県
   ※ 緊急事態において、現場の兵站(へいたん)を司令官はどうするべきか、を考える話。お利口な司令官はちゃんと兵站のことを考えている。(菅首相とは正反対だ。)

 → 社説:医療逼迫の懸念 広域連携で危機回避を|医療・コロナ|社説|京都新聞
   ※ 大阪で患者があふれているなら、周辺の県に患者を回せば、医療崩壊は防げる……という話。いかにも素人が考える話だ。
     ま、それで、配分の問題は最適化されるだろう。しかし今は、一番考えるべきことは、患者の総数を減らすことだ。配分の問題よりも、もっと優先するべきことがある。(最優先は GoTo を止めることなんだが。)
 


posted by 管理人 at 23:36| Comment(1) |  感染症・コロナ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 神奈川県の公開している点数表。
  → https://www.pref.kanagawa.jp/docs/ga4/covid19/ms/hybrid_20201208.html
Posted by 管理人 at 2020年12月12日 12:33
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