2020年11月23日

◆ 無人駅と車椅子 1

 九州で JR の駅が無人駅になるのにともなって、車椅子で利用するのが困難になった。どうすればいい?

 ──

 JR九州で駅が無人駅になるのにともなって、車椅子で利用するのが困難になった。この問題が報道されたあとで、朝日新聞が特集記事を組んでいる。(無料で全文を読める。)
  → 無人駅とバリアフリーの関係性「好きに乗り降りしたい」:朝日新聞

 一部抜粋しよう。
 駅員がいない「無人駅」が全国各地で増えています。九州では、車いすの利用者が「乗車する際の介助に予約が必要なのは差別だ」として鉄道会社を訴えました。法律は、障害のある人が安心して暮らせるよう、社会の障壁を取り除く合理的配慮をうたっています。効率化の名の下、増えていく無人駅と誰もが使いやすい鉄道のあり方を考えます。

 JR九州は2018年、大分市の三つの駅を無人化し、スマートサポートステーション(SSS)という仕組みを導入しました。駅に設置したカメラなどで遠隔管理し、非常時やインターホンで要請があった場合に職員が駆けつけます。
 ただ、職員が来るまでには時間がかかります。JR九州は介助が必要な場合、当初は無人駅を利用する前夜までに予約を、いまも可能な限り事前連絡を求めています。ただ、車いすの人には、駅員がいたときは必要なかった不利益変更で、どれだけ応えてくれるかも分かりません。

  ̄ ̄
 (大学教授の話)
 「問題は、障害者が使えない構造にしていることです。階段だって、一般の人の身体能力に合わせて段差をつくっておいて、障害者には障壁となる段差を解消する仕組みを十分に提供しないのが今の社会です。
 車いすの私が住む熊本県の鉄道会社は、無人駅でも列車の乗務員が車両とホームの間にスロープをかけてくれるので、事前に連絡する必要はありません。ただ、それもホームにたどり着けるから可能なのです」

 ──

 さて。この問題を解決するには、どうすればいいか? 上記の話を読むと、次の通りが考えられる。
  ・ 有人駅を維持する。(無人化をやめる) → 赤字の蓄積
  ・ 無人駅にする。(階段の廃止・スロープかが必要) → 巨額費用
  ・ 廃線にする。 (全員が不便) → 身障者の差別(?)はなくなる

 1番目と2番目は、どちらも多額の金がかかるので、無理である。
 となると、3番目の「廃線」だけが選択肢となる。「身障者だけが不利になるのは差別だ」というのが、冒頭の裁判の理由だったのだから、「全員が不便になる」という選択肢をとれば、もはや差別は亡くなることになる。これならば、身障者も不満にはなるまい。
 しかしこれだと、全員が最悪の状況になる。身障者にとっても、無人駅よりもさらに悪くなる。
 結局、「最善を望んだら、最悪の結果になる」というふうになるわけだ。これでは元も子もない。困った。

 ──

 では、どうする?
 そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。以下では、二段階の方法を述べる。

 第1に、上の論理に従って、「廃線」を選択する。そもそも大幅赤字の路線を維持するというのが、原理的におかしいのだから、大幅赤字の路線は、さっさと廃止するべきなのだ。この件は、前から何度も述べた通り。
  → JR北海道は路線廃止せよ: Open ブログ
  → JR北海道は路線廃止せよ: Open ブログ
  → 全国の赤字路線を廃止するべきか? ←両備: Open ブログ

 第2に、鉄道の廃線にともなって、代替バスを出す。その代替バスを、車椅子でも乗れるバス(ノンステップバス)にすればいいのだ。


nonstepbus.jpg
出典:Wikipedia

nonstepbus2.jpg
出典:Wikipedia


 こうすれば、次のすべてが実現する。
  ・ 身障者は、問題なく、バスに乗れる。(運転手の介助で)
  ・ 運行会社は、赤字幅を大幅に縮減できる。
  ・ 利用者は、バス停が近くにあり、運行本数も増えるので、便利だ。


 かくて、問題は一挙に解決する。
 「廃線になったら困る」なんて思わないで、「災い転じて福となす」とすればいいのだ。
 実際、東日本大震災で被災した鉄道の一部は、再建されずにバス路線(BRT)に転換したが、利便性が増したので、地元住民は喜んでいる。
  → 気仙沼、大船渡両線の沿線自治体 BRTをおおむね評価 東北運輸局、鉄道廃止で意見聴取

 ──

 ただし現実には、鉄道でもバスでも、乗客はほとんどいない。地元民が主に使うのは自家用車である。「鉄道を残せ」という声は強いが、残そうが残すまいが、もともと乗客はほとんどいないのである。車両は空気を運んでいるだけだ。
  → 旅1日目A:BRTで南三陸をゆく : しまDiary

 結局、バリアフリーとか何とか言っても、利用頻度は非常に低い。利用者は滅多にいない。その滅多にいない例外的な事例に対して、名目的に何とか態勢を整える、というだけのことだ。

 冒頭の朝日新聞の記事は、「日本が立派な国になるか否か」という問題として扱っているが、とんでもない。「ほとんど誰も利用しない例外的な事例に対して、どのくらいの無駄金を投入するか」という問題であるにすぎない。



 [ 付記 ]
 もっと抜本的な対策もある。
 「身障者には、僻地でなく、地方の都市部に住んでもらう」
 これで問題は解決する。都市部ならば、バリアフリー対策も進んでいるからだ。

 全国の津々浦々に散在する身障者のために、全国の津々浦々にバリアフリーの設備を整備して、そのために巨額の金を投入する……というのは、馬鹿げている。むしろ、適当に補助金を払って、身障者には地方の都市部に住んでもらうようにすればいい。
 これが最も合理的だ。



  【 関連項目 】

  → 無人駅と車椅子 2: Open ブログ

   ※ 本項の続編。
posted by 管理人 at 22:58| Comment(1) | 自動車・交通 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はてブの質問に答える。

>  都市部の公営住宅が高倍率の中、身体障害者だけ補助金を出して都市部に住んでもらうって、どうやったらできるの?それこそ非現実的。
 https://bit.ly/3wlG5A5

 誤読です。都市部に住んでもらうのではなく、地方の都市部に住んでもらうようにするのです。
 都市部の公営住宅は関係ありません。公営住宅に住んでもらうのではなく、普通の賃貸住宅に住んでもらう。そのために家賃を補助する。
 対象は、身障者一般ではなくて、交通不便な僻地に住んでいる身障者だけです。もともと近くには無人駅だけがあるので、その無人駅にバリアフリー化するための巨額の金を投入するのをやめて、対象の身障者に補助金を与える、というふうにします。
 たとえば、バリアフリー化の工事に 10億円を投入するのをやめて、その 10億円のうちの一部を家賃補助金に転用します。

 上記では次の二点が重要です。
  ・ バリアフリー化の工事の費用を転用する。
  ・ 対象の身障者は、その工事のそばに住んでいる人だけ。

 上記の質問は、上の二点をまったく無視しており、完全に誤読しています。

 p.s.
 補助金の支出は、未来永劫に続くわけではありません。現在の僻地居住者だけです。将来的に僻地に住むようになった人は、好き好んで勝手に僻地に来たわけだから、補助金はもらえません。つまり、この制度は、数十年間で自動消滅します。

Posted by 管理人 at 2021年04月05日 08:00
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

  ※ コメントが掲載されるまで、時間がかかることがあります。

過去ログ