──
これはコロンブスの卵。人々は、
「どこに作るか」
と論じているが、話の前提をひっくり返して、
「どこにも作らない」
というふうにすればいいのだ。どこにも作らないのだから、それで被害が生じる土地もなくなる。これで万事が解決する。
──
すると疑問が生じるだろう。
「でも、核のゴミ(核廃棄物)は、消えてなくなるわけじゃないぞ。そいつをどうするんだ?」
それは大丈夫。こうする。
「最終処分場は作らないが、一時保管場を作る」
現状では、最終処分場の候補になっている土地がいくつかある。
たとえば、北海道の二箇所。
→ 核のゴミの最終処分場: Open ブログ(2020年10月09日)
あるいは、私の案である、無人島や釧路。
→ 核廃棄物の捨て場:無人島: Open ブログ
→ 原発の最終処分場は 釧路に: Open ブログ
これらは、最終処分場の候補地となっているが、この土地をそのまま、一時保管場にする。一時保管の期間は、100年程度。
つまり、「その土地を最終処分場にして、10万年間ずっと保管する」という方針をやめて、「その土地を一時保管場にして、100年だけ保管する」というふうにするわけだ。
では、100年たったら? そのときは、科学の発達した未来人が決めればいい。100年もたてば、メチャクチャに科学が発達しているだろうから、そのときの最新技術で、最善の方法を取ればいいのだ。
最善の方法とは? 私のお薦めは、「宇宙のラグランジュ点で保管すること」だ。
→ 核廃棄物の捨て場:宇宙: Open ブログ
[ 付記 ]
永久処分でなく一時保管にする場合には、「あとで取り出しやすくすること」が必要となる。

ちなみに現状では、「あとで取り出しやすくすること」はほとんど考慮されていないようだ。幌延の実験施設の例がある。
→ 核ごみ処分場は安全か 地下350メートルで実験中、10万年間の隔離は未知数:朝日新聞(右図)
この図を見ると、次のようになっている。
・ ガラス固化体を縦穴に埋める。
・ 縦穴の空隙を、埋め戻し材で埋める。
・ その上の横穴も、埋め戻し材で埋める。
こんなことをしたら、あとで取り出すことが面倒だ。目で見ることもできないし、どこにあるかも(掘り出すまで)わからない。
かわりに、次のようにするべきだ。
・ ガラス固化体を縦穴に埋める。(これは同じ。)
・ 縦穴の空隙を、埋め戻し材で埋めない。(上部に蓋だけする。)
・ その上の横穴を、埋め戻し材で埋めない。
・ 途中のトンネル空間だけを、埋め戻し材で埋める。
この場合は、最後のトンネル空間(一部)だけが、埋め戻し材で埋められている。だから、あとでその部分でトンネルを掘り直せば、その先には開かれた横穴空間がある。その先の方で蓋を開けば、ガラス固化体も簡単に見つかる。取り出すこともすぐにできる。
いったん取り出したら、あとは別の場所に移してもいいし、ロケットに搭載して宇宙に飛ばしてもいい。それは、100年後の未来人が決めればいいことだ。
現時点では、「 100年後の未来人が好きなように決められる」という条件を提供するだけでいい。現時点で 10万年後の人類の方針を決める必要はないのだ。
ちなみに、10万年前の人類が、現在のわれわれの文化の方針を決めるとしたら、馬鹿馬鹿しすぎるだろう。「原始人が何を言っているんだ」と思うはずだ。
10万年後の人類に馬鹿にされないように、もうちょっと謙虚でありたいものだ。今のわれわれには決定権はない、と思う方がいい。
なお、100年後にどうなるか? たぶん、100年後の人類は十分に謙虚なので、「あと 100年先の人類が決められるように、再度の一時保管をしよう」と決めるだろう。それはそれでいい。今の人類の関与することではない。
確かに、妙案だと思います。
地震やら経年やらで何か漏れ出して何らかの被害(実・風評とも)が生じた場合に、国なのか電力会社なのか、どの程度の補償はする、それ以上はしない、などの条件をはっきりさせておいたら良いと思います。
「無主物につき、……」なんていう、わけわからん言い訳だけはしないで欲しいものです。