2020年11月16日

◆ 地銀の統合を支援

 地銀が経営の弱体化をしているので、地銀の統合を政府が支援する。良いことのように見えるが、問題がある。

 ──

 地銀は経営の弱体化をしていて、経営体力がない。そこで次々とサービスを低下させている。たとえば口座維持の有料化や、独自商品の取りやめ。
 苦境のなかで新たな収益源にするのが手数料。千葉銀は10月以降開設の普通預金口座について、2年以上未利用などの際は管理手数料を税込み年1320円取る。
 きらやか銀(山形)は9月、納税準備預金など4商品の扱いをやめた。
( → 地銀大再編はあるのか? 提携の動き続々、政権も後押し:朝日新聞

 こういう地銀は統合するべきだ、というのが菅首相の持論だ。(この故知自体は悪くはない。)
 問題は、手法だ。統合を推進するために、政府は補助金などの優遇策を講じる予定だ。しかしこれは、筋が通らない。
 批判しようかと思ったが、朝日の社説が十分に批判している。
 日本銀行が、地域金融機関を支援する制度を設ける。地域経済を支えながら経営基盤強化に取り組んだ地銀などに対し、その銀行が日銀の口座に積んでいる当座預金の金利を、年率 0.1%分上乗せするという。今年度から3年間の時限措置で、すべての地銀・信金がこの制度を使えば、合計で年間500億円程度の規模になる。
 さらなる政策手段に工夫を凝らすこと自体に異論はない。
 だが、日銀の制度は、条件付きとはいえ一部の企業への補助金に近い性格を持つ。必要ならば、国会での議論を経て決まる財政支出で対応すべきではないか。一方で政府は地銀などの統合促進のため、システム投資への補助金を出す方針といい、合わせて議論するのが筋だろう。
 今回支援に用いようとしている日銀当座預金の金利水準は、物価安定のための金融政策の主要な手段でもある。日銀自身が、マクロ経済政策のために一部はマイナス金利に引き下げることが必要と判断してきたのではないか。その金利を部分的にではあれ逆方向に上げるのであれば、政策の整合性や信頼性に疑問符が付く。
( → (社説)地銀への支援 疑問が多い日銀の手法:朝日新聞

 とても良く指摘している。
 政府はシステム統合に補助金を出し、日銀は利子補給をする。そのいずれも巨額になる。こんなことで莫大な補助金を投入するべきではあるまい。

 ──

 では、なぜか? その理由を、私が指摘しておこう。
 このような統合は、あまりにも小規模であって、ほぼ無意味なのだ。やっても、意味がない。
 なぜか? 弱小の地銀が二つ統合したところで、それによる効果などは、たかが知れているからだ。小さなネズミが二匹一緒になっても、猫に対抗することはできない。

 では、どうすればいいか? 地銀が二つ統合するのではなく、10か 20ぐらいの規模で統合するべきだ。例は、次の二通り。
  ・ 都銀の系列になることで統合する。(三井住友系など)
  ・ 地域別に州の形で統合する。(関東や関西など)


 地域別なら、次のようにするといい。
  九州 / 中国・四国 / 関西 / 中部・北陸 / 関東 / 東北・北海道

 つまり、全国で6地域だ。地銀の総数は 102 なので、平均して1地域で 17 の地銀が統合されることになる。このくらいの規模になれば、統合のメリットが生じるだろう。
 一方で、2つぐらいの地銀が統合しても、ほぼ何のメリットもない。統合のための余計なコストがかかるだけだろう。こんなことのために国税を投入するというのは、馬鹿げている。まるで「自殺のための補助金」を出すようなものだ。
  ※ 2つぐらいの統合を実施すれば、その後の統合を阻害するからだ。有害無益。

 菅首相はやたらと思いつきで、「ぼくのかんがえた最強の政策」を実施したがる。ふるさと納税もそうだし、GoToキャンペーン もそうだ。そしてまた、地銀の統合もまたそうだ。
 政治家の素人判断の思いつきは、国を滅ぼす。
 


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posted by 管理人 at 21:01| Comment(0) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
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