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防衛省は、迎撃ミサイルや巡航ミサイルを導入しようとしている。
迎撃ミサイルについては、陸上イージスを諦めたあとで、洋上イージスを導入しようとしている。
→ イージスの洋上案: Open ブログ
ここで述べたように、陸上イージスを改造して洋上に配備しようとしている。本家本元のアメリカが「そんなのは非合理的だ」と言っているのに、あえて非合理的なことをやろうとしている。
「もう注文しちゃったから、キャンセル料(違約金)を払いたくない」という理由らしい。だが、それはうまく解決できる。
「イージスを製造するのは、ロッキード・マーティンだ。ロッキード・マーティンは、F-35 や、他のミサイルも製造している。だから、かわりにこれらの別兵器を購入することで、違約金をなくしてもらう」
これで済むはずなのに、馬鹿の一つ覚えみたいに、あくまでイージスの導入にこだわる。
最近では、イージス艦2隻を新造するという、すごくコスパの悪い方法に転じようとしている。
→ イージス艦2隻新造へ 政府、アショア代替策で :日本経済新聞
巡航ミサイルについては、前項で述べた。ここでもやはり、ステルス巡航ミサイルという無駄な兵器にこだわる。
この二つ(迎撃ミサイルと巡航ミサイル)は、いずれも、「コスパが著しく悪い」という特徴がある。莫大な金を食う割には、たいして軍事的な効果がないのだ。
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一方、世界の流れは、まったく別である。「ほとんどコストをかけずに、莫大な軍事的効果を上げる」という方向にある。そのための兵器が、無人ドローンだ。
無人ドローンは、前に別項で論じた。
→ サウジにドローン攻撃: Open ブログ
サウジの石油施設を破壊したが、そのドローンはたったの 160万円。これで十分な軍事的効果を得たようだ。
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最近になると、もっとすごい例が出た。より大型で本格的な軍事用ドローンが、ナゴルノ・カラバフで使われた結果、それを使っているアゼルバイジャンの側が圧倒的に優位に立ち、それを使わないアルメニア人側は圧倒的に不利になったらしい。
→ ドローン戦争、アルメニア軍苦境はアゼルバイジャン軍のUAVが原因?
→ ナゴルノ紛争は現代戦闘の見本市 ドローン駆使、SNSでプロパガンダ流布
→ 比較的安価なうえ戦車も撃退できる「自爆型ドローン」の最新事情
→ ドローン戦争の時代到来 無人機で戦火拡大「死者5000人」とプーチン氏
ナゴルノ・カラバフは、長年にわたってずっと紛争が続いていたのに、片方が無人ドローンを大量導入したら、あっという間に戦局が傾いてしまったのである。
これが未来の戦争のあり方だ。
なのに、洋上イージスなんかを配備したがっている防衛省は、あまりにも時代遅れというしかない。北朝鮮から大量の無人ドローン機が来たとき、日本の洋上イージスは何ができるか? もちろん、何もできない。5000億円ぐらいの金をかけても、何一つ効果は上げられないのである。ただの無駄だ。
巡航ミサイルというのも、同様に、ただの無駄だ。こちらからステルス式の巡航ミサイルを発射すれば、確かに、その巡航ミサイルは撃墜されない。しかし、到着したあとで、何を破壊するのだ? 1000機ぐらいある無人ドローンを見つけて、そのうちの5機ぐらいを破壊するのか? あまりにも無駄であろう。
前項の試算では、巡航ミサイルは搭載装置に 1080億円で、他に巡航ミサイルが1発1億円。これほど莫大な金をかけて、300万円ぐらいのドローンを5機ぐらい破壊しても、敵には 1500万円分の兵器の損害にしかならない。こんなことをしても、まったくの無駄だ。
しかも、敵の大量の無人ドローンは残っているから、それがいっせいに日本に襲いかかってくる。こうなったら、お手上げだ。
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時代は無人ドローンの時代になっている。こういう時代に、迎撃ミサイルや巡航ミサイルにこだわるのは、あまりにも時代錯誤で、時代遅れの、愚策なのである。
防衛省は「一点豪華主義」で、やたらと高額で高性能のものを求めたがる。それは戦艦大和のころからの伝統だ。しかし戦艦大和は、安価で多数の航空機と対決したとき、あっさり敗れてしまったのである。
そういう歴史の教訓を理解できないで、いまだに「一点豪華主義」にこだわる防衛省は、完全に時代から取り残されていると言えるだろう。日本の防衛力の将来には、「無駄」あるいは「敗北」の二文字しかない。
【 関連動画 】
イスラエルの無人ドローン(兵器)。
【 関連サイト 】
→ A US ally shot down a $200 drone with a $3 million Patriot missile
→ Google 翻訳(上記記事)
では、管理人さんは
・いつ
・どの国が
・どうやって
海に囲まれた日本にドローンを飛ばしに来るとお考えですか?
別途、爆撃機みたいな飛行機から落下させるか。旅客機からぶら下げて、グライダーみたいに飛ばすか。