2020年10月31日

◆ MRJ はやっぱり中止

 MRJ の事実上の中止が 30日に決まった。三菱は報道について否定的見解を出していたが、やはり中止。

 ──

 この件は先に述べた。
  → MRJ の開発中止が決定: Open ブログ
 一部抜粋すると:
 MRJ の開発中止が決定した。「凍結」という言葉を使っているが、このまま終結するはずだ。

  ̄ ̄
 【 後日記 】
 23日になると、三菱が公式に、「凍結は決定していない」と否定的見解を出した。といっても、元の記事が「 30日に決定」ということなのだから、まだ決定していないのは当り前だ。30日に決定するのだろう。
 一方、「凍結ではなく事業縮小・延期だけだ」とも言っている。といっても、この先でまともに事業化できる見込みはないのだから、「細々と生きながらえる」ということぐらいの意味だろう。
 つまり、「5年後に事業化を確約」というような話はまったく成立していなくて、「いつとはわからないが、ずっと遠い先の事業化を夢見て、少しずつ事業を継続していく」ということらしい。

 ここで述べたとおりのことが、正式に決まった。
 三菱重工業は30日、国産初となる小型ジェット旅客機「スペースジェット」の開発費を今後3年間で200億円と、過去3年間の3700億円から大幅に縮小する計画を明らかにした。
 2019年度の開発費は1409億円だったが、今年5月に開発態勢の縮小に転じ、20年度は縮小にかかる費用を含め実質600億円の予算としていた。21年4月からはさらに縮小し、「開発活動はいったん立ち止まる」としている。
( → スペースジェット開発費、200億円に大幅減 三菱重工:朝日新聞

 「開発活動はいったん立ち止まる」とのことで、実質的には開発中止である。将来、再開することになるなら、「凍結」と言ってもいいが、再開の可能性は少ない。あと3年で済むはずがないから、量産するとしたら 10年後ぐらいになりそうだが、そのときにはもはや時代遅れとなって、現行モデルでは出番がなくなるからだ。
 仮に再開があるとしても、そのときには次世代機種を新規開発する必要がありそうだから、MRJ とは別のモデルになりそうだ。
 今後3年間の開発費を過去3年分と比べると20分の1ほどの規模に絞る計画を発表した。当面の事業化はいっそう見通せなくなった。
 これまで約3900時間の実績がある実機を使った飛行試験は当面行わない。過去の試験データをもとに、商業飛行に不可欠な「型式証明」の取得のための文書づくりだけを続ける。開発は最低速度とも言える。 事業化に向けた活動は一気にスローダウンし、事実上止まるに等しい。
 泉沢社長はSJ事業からの撤退について「それ以降の事業の展開は状況次第だ」と明言を避けた。 社内には「開発中の機種は諦め、これまでの知見を生かした新設計の機種を練り直す可能性もある」との声さえある。
( → 三菱ジェット、開発「立ち止まる」 撤退、社長「状況次第」 「1点投資」から三菱重が転換:朝日新聞

 「開発中の機種は諦め、これまでの知見を生かした新設計の機種を練り直す可能性もある」とのことだが、それが最も現実的な対処だろう。
 とはいえ、そういうものを開発するだけの経営体力がなさそうだ。だから、このまま完全終結させる方が、まだしも出血の量は少なくて済みそうだ。
 現状のまま、出血(開発費の赤字)を続けると、そのうち出血多量になって死にかねない。(赤字倒産)
 それを避けるためには、現状のレベルで出血を止める(開発停止にする)のが、死なないためには唯一の策だろう。

 そもそも、撤退を決める時期が5年早ければ、これほど大きな赤字にはならなかっただろうに。
 ギャンブルと同じで、いくらか損すると、「取り返してやろう」と思ってさらに金をつぎこむ。結局、どんどん金を失い、赤字が雪ダルマ式に増えていく……という図式。「取り返してやろう」と思えば思うほど、赤字が膨らむ。それが今の三菱だ。
 


 【 関連サイト 】
 本項を書いたあとで、ネットを調べたら、次の記事が見つかった。
 《 三菱スペースジェット、開発凍結 泉澤社長「一旦立ち止まる」、納期見えず 》
 三菱重工業(7011)は10月30日、納入が遅れているジェット旅客機「三菱スペースジェット(旧MRJ)」の開発を、事実上凍結したことを正式発表した。「一旦立ち止まる」と独特の表現で明らかにし、国が機体の安全性を証明する「型式証明(TC)」の取得に必要な文書作成は続けるものの、飛行試験は中断。6度もの延期で2021年度以降としていた納期について、三菱重工の泉澤清次社長は30日のオンライン会見で、「納入時期は設定していない」として、航空会社への引き渡し時期は見えておらず、幻に終わる可能性が現実味を帯びてきた。
 TC取得の見通しについて、泉澤社長は「いついつとお話出来る状況ではない」とし、現時点で開発完了が見通せず、量産化も難しい状況だ。……また、事業撤退の可能性については、「仮説に答えても意味がない」とした。
 三菱重工で航空機事業に携わったOBからは、今回の対応について「殿様商売、上から目線の体質が変わっていない」との指摘もみられた。
( → aviationwire

 事業撤退の可能性については、否定しなかった。十分に可能性があると自認しているのだろう。
 現実的には、撤退するしかない。さもなくば、三菱本体がつぶれるからだ。
 
posted by 管理人 at 23:02| Comment(0) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
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