2020年10月31日

◆ 大阪都構想とコロナ

 大阪都構想の住民投票が 11月1日に行われる。これとコロナとの関係を考える。

 ── 

 大阪都構想とコロナの関係については、前に論じた。
  大阪でコロナの重症者が増加している。どうして大阪だけで?
  大阪ばかりが特別に重症者数が多いことについては、次の記事がある。
 
  ̄ ̄
 結論。

 大阪では重症者が多いのは、PCR 検査を大量実施していないからだ。東京都は濃厚接触者への PCR 検査で、感染の芽をうまく摘んでいるが、大阪は違う。そのせいで、濃厚接触者が隔離されないままでいるので、市中での感染が急激となる。そのせいで、高齢の感染者も多くなる。かくて、大阪では重症者が増える。
 そして、こうなった根源は、大阪では維新の「予算削減」という効果が出ているからだ。保健所などの予算が徹底的に削られた。そのせいで、PCR 検査機も足りないし、保健所員の数も足りない。
 医療というものは、もともとある程度の余裕が必要なのだが、それを必要最小限の数にまで減らすと、いざというときに医療の能力が大幅に減ってしまって、多大な死者を出す。……それは、イタリアで実際に起こったことだが、日本では大阪で起こっているのだ。

 「感染の拡大を防ぐには、大量の PCR 検査によって、早期発見と隔離をすることが大切だ」
 という趣旨の話は、前に述べた。
 この方針とまさしく正反対の方針を取っているのが、大阪府だ。だから、重症者が急増する。
( → 大阪で重症者が増加(コロナ): Open ブログ

 簡単に言えば、次の図式だ。
  大阪都構想 ⇒ 予算削減 ⇒ 医療資源削減 ⇒ 患者・死者の増加

pcr-num.gif
 一方、検査機器の不足については、別の項目で示した。
  → 検査能力の限界: Open ブログ (右図も)

 ここから、一部抜粋しよう。
 「病床不足・宿泊施設不足」と先に述べたが、他に、「検査機器の不足」もある。

  ・ 大阪と愛知は、大都市圏なのに、下位レベル。


 (感染者数と比べた)不足の程度では、東京都がひどい。だが、数字そのものでは、大阪と愛知が最悪レベルだ。この二つの府県では、知事の人気がけっこう高いのだが、コロナ対策という面では、最悪レベルにある。ひどいものだ。

 グラフを見ればわかるように、大阪の PCR 検査能力は非常に低い。人口比ではまったく足りていない。医療予算削減の効果がはっきりと出ている。

 以上が、すでに述べたことだった。

 ──

 さて。このたび、上記の話を具体的に裏付ける情報を新たに得たので、補充する形で紹介しておこう。

 大阪の医療予算が削減されたのは、具体的には、大阪府立公衆衛生研と大阪市立環境科学研が統合されたことだった。二つの似た組織があるので、これを「二重行政だ」と称して、一本化した。さらに、「無駄の削減」と称して、独立行政法人にする形で、民営化した。職員は、公務員から、民間人となった。( 2017年 )
  → 大阪府立公衆衛生研と大阪市立環境科学研を集約へ:朝日新聞

 しかるに、これによって多くの問題が発生した。

 まずは、量的に規模の縮小が起こって、能力が低下した。
  → 統合・独法化された大阪健康安全基盤研究所「PCR」など感染症部門の更なる充実を - 大阪府保険医協会
 新型コロナが出始めたとき、PCR検査機は2台しかありませんでした。途中から国と府の補助金で新たに1台追加し、現在3台が稼働しています。

 ※ 大阪のような大都会で、「 PCR検査機は2台しかありませんでした」ということなのだから、いかに検査体制が貧弱だったかわかる。

 また、質的には、両者は似て非なる組織なのに、無理やり統合したせいで、水と油を混ぜ合わせるような結果となり、意思の疎通や機能が不全になった。
 組織の一体化がなされないまま、現場はほとんど大混乱らしい。
  → やはり、二重行政はなかったB研究所統合 | 都構想ポータル|立憲民主党大阪府連

 このようなことが起こるので、統合はもともと間違いだ、ということは、事前に指摘されていた。
  → 環境科学研究所の廃止・独法化・統合への北山議員の反対討論(2014年12月19日)
  → 市立環境科学研究所と府立公衆衛生研究所の統合に反対する井上議員の討論(2016年3月29日)
  → 府立公衆衛生研究所と市立環境科学研究所の統合と独立行政法人化の問題点

 これらの経緯を歴史的にまとめたページもある。ここでは、「検査体制の不備」が指摘されており、将来のコロナの検査機器不足も予言されていた形だ。
  → まとめページ。「大阪市立環境科学研究所」「大阪府立公衆衛生研究所」の統合・独法化問題 - 環科研・公衛研まもれ@大阪
 
 結論。

 大阪都構想では、「二重行政の解消」を名分として、大阪府立公衆衛生研と大阪市立環境科学研が統合され、独立行政法人となった。(民営化)
 それによって「コストの削減」という成果を得たが、同時に、医療の体制の低下という難点が発生した。そのせいで、大阪は全国でも最悪レベルの検査体制となり、大量の重症者と死者を発生させることになった。

 これが、大阪都構想とコロナとの関係だ。

posted by 管理人 at 14:26| Comment(1) |  インフルエンザ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
吉村府知事のパフォーマンスは、一見、人の関心を引くけど、中身の無い表面だけの言動だということでしょうか?

大阪の文化は大好きなのですが、橋下徹が持ち出した都構想は反対だし、何より大阪市長の風貌が胡散臭い(笑)
Posted by Hidari_uma at 2020年10月31日 21:42
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