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朝日新聞の記事。
政府は27日、文化勲章を5人に贈ることを決めた。
文化功労者には、…… 飲食店検索サイト「ぐるなび」の創業者で会長の滝久雄氏(80)…… ら20人が選ばれた。
( → 文化勲章に橋田寿賀子氏ら5人 功労者は西川きよし氏ら:朝日新聞デジタル )
しかし、ぐるなび と 食べログ と言えば、あこぎな商売で悪名高いサイトだ。食べログが特に悪名高いが、ぐるなびも似たようなものだ。
食べログは、「読者が高評価した店の点数が上がる」という建前だが、実際には「食べログに金を払った店の点数が上がる」というふうになっており、詐欺も同然だ。
→ Google 検索
ぐるなびも、似た点がある。
ぐるなび上ではとてもオシャレで雰囲気もよく、それでいて価格帯は3,000円前後という素晴らしい店に見えた。
が、実際に行ってみると壁はボロボロで、料理はパサパサで、ソファは破れ、居酒屋というか閉店間際の田舎のカラオケのような店であった。
ぐるなびの「内観」の写真は信用しない……ことを心がけてほしい
( → 食べログの評価は信用できないので、Google Mapのレビューも確認しよう - 俺の遺言を聴いてほしい )
飲食店の評価に関しては、食べログ≒ぐるなび<Google≒Retty
( → はてなブックマーク )
公取委が調査したそうだ。
公正取引委員会は飲食店情報サイトの実態調査を始めたと9日明らかにした。サイトの具体名は明らかにしていないが、「食べログ」や「ぐるなび」など大手が対象のもよう。掲載店がサイト運営会社に年会費を支払えば「口コミ評価」などその店のサイト上の評価ポイントが自動的に上がるといった状況が懸念されている。
ぐるなびは9日「公取委からの調査を受けているのは事実。掲載順について恣意的な操作をしていない」とコメントした。
( → ぐるなびなどの「口コミ評価」 公取委が実態調査 :日本経済新聞 )
こんなにも怪しい会社の会長が、どうして文化功労者になれるのか?
文化庁(公式)では、業績は以下のように紹介されている。
永年にわたり、パブリックアートや食文化、ペア碁など多分野にわたる関係団体の要職を務め、文化の振興と普及に寄与し、我が国の文化芸術の振興に多大な貢献をしている。
( → 平成30年度文化庁長官表彰名簿 )
これはまともな説明になっていない。「関係団体の要職を務め、文化の振興と普及に寄与し、我が国の文化芸術の振興に多大な貢献をしている」なんてことは、文化団体の要職を務めているにとなら誰もが当てはまるからだ。該当者は数百人にもなる。どうしてこの人だけが文化功労者になれるのか、さっぱりわからない。
別の記事には、こうある。
公益財団法人 日本交通文化協会理事長で株式会社ぐるなび取締役会長・創業者、公益財団法人日本ペア碁協会名誉会長、株式会社エヌケービー取締役会長・創業者の滝 久雄はこのたび、長年にわたりパブリックアートの普及、「1%フォー・アート」の提唱、食文化の振興、ペア碁の普及など文化・芸術活動に多大な貢献を果たしたとして、2020年度(令和2年度)の文化功労者に選ばれました。
( → 令和2年度文化功労者に滝会長 パブリックアート、食文化、ペア碁など普及・振興|公益財団法人 日本交通文化協会、株式会社ぐるなび、公益財団法人日本ペア碁協会、株式会社エヌケービーのプレスリリース )
滝久雄氏(たき・ひさお)80歳。飲食店検索サイト「ぐるなび」の創業者。若手料理人の育成などの食文化振興のほか、パブリックアートの普及、囲碁普及のため男女ペアで行う「ペア碁」を考案し「日本ペア碁協会」の設立・運営を主導するなど、文化振興に貢献している。
( → 文化勲章・文化功労者、喜びの声:朝日新聞 )
強いて独自の業績があるとすれば、「ペア碁」だろう。しかし「ペア碁」なんて、やっている人はほとんどいない。おじさんが女性と一緒になって喜ぶためのものであって、女性が喜んでやるものではないからだ。
結局、この人の業績は、「要職を歴任した」ということのほかには、ろくにないと言える。ではなぜ、この人が文化功労者になれたのか?
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察しのいい人ならば、見当が付くだろう。菅首相との癒着だ。そう疑って、ネットをググると、すぐに見つかる。
GoTo イートは、菅首相の肝いりで実現したが、店は、ぐるなびのようなサイトに高額の手数料を払うので、あまり儲からない。儲かるのは、ぐるなびのようなサイトばかり。
「ぐるなび」「食べログ」など10の大手サイトは店から手数料を徴収する。手数料は予約客1人につき昼食で50〜100円、夕食は200円程度が多い。
飲食業界の関係者は「飲食業は薄利で、利益率が1割もあれば優良店」と強調。「客単価が3000円とすれば利益が300円あれば御の字。100円、200円の手数料負担は大きい」と漏らす。予約サイトは以前から店に手数料を求めており、東京都渋谷区の居酒屋店主は「個人店には負担が重く契約を解除した」と明かす。
( → 「Go To イート」登録で重い手数料負担 参加見送りの飲食店も:東京新聞 TOKYO Web )
ざっと見たところ、普通の飲食店は参加せず、客単価の高い酒場ばかりがやたらと参加している感じだ。手数料200円を払っても、客単価が 4000円ならばペイする、ということらしい。
というわけで、たいていの飲食店は参加しないので、救済はされない。GoTo イートと言っても、儲かるのは、ぐるなびのようなサイトばかりだ。
グルメサイトに予約人数ごとの予約手数料などを支払わなくてはならないため新たな負担となったり、そもそも客単価の低い飲食店では割に合わなかったり、といった理由で、キャンペーンへの参加そのものができていない飲食店も少なくない。
実際、飲食店からは「儲かるのはグルメサイトだけ」「オンライン予約よりも食事券のほうがいい」など不満の声も上がっている。
コロナの影響で飲食店が大きな打撃を受けていて支援が必要なことは、誰も異論はない。問題は、この「GoToイート」キャンペーンが飲食店に直接支援が投じられているのではなく、グルメサイトを通すという方法をとっていることだ。
飲食店を支援するための「GoToイート」でなぜ、こんなグルメサイトだけを儲けさせるような手法がとられることになったのか。
「GoTo」キャンペーンは、菅義偉首相が官房長官時代から主導して進めている政策だが、実はその菅首相には「GoToイート」事業に参加しているグルメサイト経営者との濃厚な関係が指摘されている。それは「ぐるなび」の創業者で現会長の滝久雄氏だ。
「GoToイート」事業には、事務委託費として最大469億円、オンライン部門には約61億円が投じられており、事業者の企画競争入札には18社が応募し、13社が選ばれている。「ぐるなび」はその13社のなかでも高額の委託費が配分されているとみられている。
だが、その「ぐるなび」の滝会長は古くから菅首相の有力なパトロン・後援者といわれているのだ。実際、菅氏が初当選した1996年から2012年にかけて、滝氏が会長を務める電車の中吊りなどを扱う広告代理店「NKB」や同社の子会社が、菅氏の政治団体に多額の寄付をおこなってきた。「週刊文春」(文藝春秋)9月24日号は菅首相と滝会長の関係について「菅氏が困った時に頼るのが滝氏」という証言を掲載している。
いずれにしても、菅首相とぐるなびの滝会長がかなり昵懇な関係にあり、これまで菅首相がさまざまな協力・支援を受けてきたことは疑いようがない。
( → 欠陥だらけ GoToイートが飲食店よりグルメサイトを儲けさせる制度なのは、菅首相と「ぐるなび」会長の特別な関係が影響か|LITERA/リテラ )
こうして癒着の事実が明らかになった。
そして、それこそが、滝会長が文化功労者になったことの新の理由なのである。
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学術会議では、首相が気に入らない6人を排除した。
文化功労者では、首相のお友達が(分不相応にも)選ばれた。
安倍首相の「桜を見る会」と同様の、「お仲間の優遇」であり、「政治の私物化」と言える。
ここには重大な問題がある。
マスコミは、テレビも新聞も、このことを報道しない。そこで私が、「こういう大きな問題がある」と指摘する。
※ ぐるなびと菅首相との癒着を報道したマスコミはあるが、この癒着と文化功労者の関係を指摘したのは、本サイトだけだ。独自スクープ。
[ 付記 ]
別件だが、次のことも指摘しておこう。
第1に、「高速道路の耐震補強工事で、鉄筋を入れずに手抜き工事をしている」という報道があった。週刊文春のスクープ記事。
→ 「鉄筋不足で崩落の恐れ」中央自動車道の手抜き工事を下請け会社が実名告発 | 文春
第2に、その記事で報じられた現職副大臣というのは、宮内秀樹・議員のことだが、この人は前から土木産業との癒着が報道されていた。
→ https://bit.ly/3moM7do
→ https://bit.ly/3oAAjGG
→ https://bit.ly/2JfG24K
→ https://bit.ly/3mz9fGi
宮内秀樹・議員は、二階派なので、「菅首相 − 二階派」という形で、首相とも(間接的に)関係していることになる。二階派経由で、悪質土木会社の金が、菅首相に流れている可能性もある。