──
これは鬼退治をする少年の成長物語。鬼(化け物・モンスター)との対決があるということで、多くの怪物ゲームと似た面がある。怪物ゲームが流行している現代の若者には親しみやすいと言えるだろう。
で、その映画が社会的な現象になるほどの大人気なのだが、実は、一般人は、その映画を見ても意味がない。なぜならこの映画は、テレビのアニメの続編であるからだ。テレビのアニメを見ていなければ、話の前提が通じないので、見ても仕方ない。
で、テレビのアニメというのは、先日放送された。
→ 鬼滅の刃 - フジテレビ
これを録画して見た人にとってのみ、(続編としての)映画は意味がある。
・ アニメが面白かったから、映画も(金を払って)見たい。
・ アニメは面白かったが、映画は(金を払ってまで)見たくない。
このいずれかとなるが、それは人それぞれだから、勝手に各人が決めればいい。(私は後者だ。)
一方、テレビのアニメを見ていない人にとっては、映画だけ見ても仕方ないので、気にしないで、うっちゃっておけばいい。見ないと損するというわけでもない。
ただ、テレビの番組は見損なっても、どうしてもみたい人向けには、Amazon Prime で見ることができる。(追加料金なし)
→ Amazon.co.jp: 鬼滅の刃 | Prime Video
────────────────
さて。私の感想はどうか?
総合評価は、こうだ。
「なかなかの秀作だが、傑作というほどではない。シンゴジラや、君の名は、という傑作のレベルには達していない。ただしジブリのアニメとは同程度だ」
技術的には、こうだ。
「原作の漫画は、絵画もコマわりもひどかった。一方、アニメの方は、絵画も脚本もしっかりしている。ストーリーも十分に魅力的だ。子供の話ではあるが、大人の鑑賞に堪える」
この点では、子供向けと言える「コナン」「ドラえもん」よりはずっと好もしい。また、「ドラゴンボール」「ワンピース」よりもずっと好もしい。これらの作品は、子供向けすぎて、大人の鑑賞に堪えないからだ。
私は思うのだが、近年のアニメのレベルは大幅に向上している。作画のレベルは言うに及ばず、脚本もしっかりしたものが多くなってきている。原作の漫画はひどいレベルのことが多いのだが、それがアニメになったり実写化されたりすると、大人が十分に鑑賞できるほどのレベルに向上している。
前に論じた「トクサツガガガ」もそうだ。
→ トクサツガガガの人気: Open ブログ
また、別に論じた「アンサング・シンデレラ」も、漫画を原則とした実写ドラマだ。これも、漫画のレベルはひどい出来であるようだが、実写化されるとハイレベルになった。
アニメ化されてハイレベルになったものというと、「進撃の巨人」がある。これも原作の漫画はひどい低レベルだったのに、アニメ化されたら作画もストーリーも一新されてハイレベルの作品になった。
→ 進撃の巨人はウルトラマン?: Open ブログ
→ シン・ゴジラは進撃の巨人だ: Open ブログ
「鬼滅の刃」も同様の感じだ。原作の漫画は決して傑作と言うほどのレベルではないし、作画もひどく下手なのだが、アニメになると、一転してきれいな絵が得られている。(キャラクターの絵はともかく、鬼や風景の絵が秀逸だ。)
近年の日本のアニメのレベルの向上が窺える。
[ 付記1 ]
映画が人気になった理由の一つには、「性的な雰囲気がないので、親が安心して子供を映画館に連れて行ける」ということがある。これはとても大事だ。コナンやドラえもんも同様だ。
だいたい、子供は金がないから、自分では映画館に行けない。親に連れていってもらうしかない。となると、親が「子供に見せてもいい」と思うような作品であることが大切だ。
[ 付記2 ]
京アニとの違いは、「女性的雰囲気でなく、男性的雰囲気で満ちている」ということだ。近年のアニメは、萌え要素の多い作品が大半なのだが鬼滅の刃は例外的に、萌え要素がない。女性キャラも、あまり萌えっぽくない。唯一、変にエロい女性キャラがいるが、いかにも馬鹿丸出しに描かれているので、作品としてはまったくエロっぽくない。
基本的には、妙に男っぽいキャラが満ちている。近年の男性向け漫画としては珍しいほど、男っぽいキャラが多い。だから、男性ファンには大きく受けているのだろう。
京アニの作品は、絵画も叙情もあるのだが、男性ファンを引きつけるほどのエネルギーがまったくない。だから、あまり客が来ないわけだ。……と、ここまで書いて気づいたが、「鬼滅の刃」には、強いエネルギーがこもっている。そこが一番の美点かもしれない。
「傑作には必要な条件」と言える「作品のエネルギー」は、十分に及第レベルにある。この点を見れば、「鬼滅の刃」は十分に「傑作」と言えるだろう。(キャラの絵の下手さはさておき。)
[ 付記3 ]
とはいえ、「見た方がいいか?」と問われれば、「別に見なくてもいい」と答える。この程度の作品なら、他にも似たようなものがいっぱいある。見ないからといって、困るわけじゃない。
「君の名は」なら、「人生を潤わすので、ぜひ見た方がいい」と答えるが、「鬼滅の刃」なら、「見ても見なくても、人生には何の影響もないので、見なくてもいい。ただし楽しみにはなるので、楽しい暇つぶしにはなる」と答えよう。
基本的には、子供向けの怪物アニメだ。大人が喜んで見るようなものじゃないね。ただし、迫力ある場面が多いので、十分に楽しめることは事実だ。
※ この作品よりもつまらない映画なら、山のようにたくさんある。凡百の駄作に比べれば、この作品ははるかに上のレベルだと言える。芸術性にこだわらず、エンターテインメントとして楽しむだけなら、非常に高い点数が付けられるだろう。特に、子供向け作品としては。
[ 補足 ]
この作品は全般的には、高橋留美子の「犬夜叉」によく似ている。どちらも怪物退治の話だ。ただし、犬夜叉よりも、鬼滅の刃の方が、怪物はパワーアップしているようだ。(物真似ではあるが、ただの二番煎じとは違う。)
作品のレベルで言うと、漫画では「犬夜叉」の方がずっと上だったが、アニメでは「鬼滅の刃」の方がずっと上だ。これは、アニメ業界のレベルが大幅に向上したことによる。
ただ、犬夜叉は、高橋留美子の作品としては、あまり良い評価を与えられない。連載が長々と続いている間、私は「早く連載を終了してくれ」と思っていた。「うる星やつら」や、「めぞん一刻」の方が、私の好みだった。
なかでも「めぞん一刻」は、特別レベルの傑作だ。(アニメ版は別だが。)
こんなに短いダイジェストでも、大きな感動を与えてくれる。
参考:歌手のノラ・ジョーンズが、アニメ「めぞん一刻」とまさかのコラボ | ARBAN
はてなブックマークによると、「 マンガワンで読めます(無料) https://manga-one.com/title/463 」とのこと。ただしスマホ版。
恋愛要素がある→大人向け
それ以外→子供向け
という人なので鬼滅の刃のファンの人はいちいち怒らないように
個人的な意見だとうる星やつらはなにが面白いかよく分からなくて印象に残ってない。同時期のアニメだとタッチに完全に食われていて印象が薄い。
犬夜叉は前半は面白かったけど後半だれたねという印象。
鬼滅の刃はジャンプではるろ剣以来の明治 大正ものという印象。
るろ剣もジャンプが暗黒時代じゃなかったら鬼滅と同じくらい人気が出ただろうね。
後、鬼滅の原作が荒いのは週刊誌だから。週刊誌で原画のクオリティを維持しようとすると、作者、過労死するね。
原作とアニメのクオリティが高かったのは個人的にはARIAとアニメの第3期だが、あれは月刊で連載されていた。月刊連載じゃないと原画のクオリティって維持できないと思う
ドラマの脚本にアニメの人もみかけるし、逆もまた然り
そうじゃなくて、まだ若いからだと思います。
高橋留美子も、めぞん一刻の第1巻を書いたころは、絵が下手くそだった。それが成熟するにつれて、とても上手になった。
鬼滅の刃の人も、経験を積むにつれて、だんだん上手になるでしょう。
> 面白かったけど半分以上が小学生くらいでなんか恥ずかしかった
> 鬼滅の刃映画小学生以下多くない?
https://genkimorizou.com/kimetsu-movie-when/
明らかに子供向けの作品ですね。
※ PG 12 指定なので、子供は保護者同伴が必要。つまり、子供とその親で大部分を占めていて、大人が単独で行く例は少ない。
このあと何度も何度も映画化されるはずで、そのたびに(映画の分も含めて)過去の分がテレビ放送されるはずだ。ちょうど、ジブリの新作映画が公開されるたびに、旧作がテレビ放送されたように。
だから、今回のテレビ放送を見損なっても、大丈夫。今後も、何度も何度も、過去の分がテレビ放送されるだろう。
あと5年ぐらい、毎年のように夏休みに、鬼滅の刃は、新作の映画公開と旧作のテレビ放送がなされるはずだ。
週刊少年サンデーの、うる星やつらはリアルタイムで見てたけど、めぞん一刻は単行本の立ち読みでしたね・・・
管理人さんが管理人さんに萌えてた頃でしょうか?(笑)
紫綬褒章は、あまり偉くない。しりあがり寿はもっと前にもらっている。
高橋留美子は、文化功労者にふさわしいのだが、菅首相のお友達の方が優先された。別項参照。
http://openblog.seesaa.net/article/478181433.html
大スクープいただきました(笑)
当時は、若さゆえの過ちで、ストーリーもよく分からずに読み進めていましたが、
今、読み返すと秀逸な感性が溢れていて、楽しめるかもしれません!
みかんのPRが終わって、これから何を押していくか?
夕日が沈むまで3jikan