2020年10月18日

◆ レムデシビルは無効?

 レムデシビルは無効だ、という研究報告が出た。
 
 ──
 
 記事を引用しよう。最近、二つの論文が発表されたそうだ。一つはこうだ。
 WHOは15日、「レムデシビルに死亡率を改善する効果はほとんどない」とする治験の結果を発表した。
 WHOは、既存薬が新型コロナに効くかどうかを試す「連帯治験」と呼ばれる国際協力の枠組みを使って調べた。3月22日から10月4日までにイタリアやブラジル、レバノンなど30カ国405の病院に入院した計1万1266人の成人が無作為に選ばれ、薬を使う人と、使わない人で、28日間の死亡率や人工呼吸器の使用率、入院期間がどう変わるのかを比べた。
 その結果、いずれの結果についても「ほとんど効果がない」とした。
 ただし、この結果は暫定的なもので、査読を受けて論文として発表される
( → (新型コロナ)GoTo東京追加、観光地の人出は 首都圏近郊で落ち込み幅縮小:朝日新聞

 以前の報告とは違って、「効果なし」「無効」と判定されたわけだ。WHO の調査であるからには、信頼性は十分だ。
 
 一方で、もう一つの論文もある。同じ記事には、こうある。
 米国立保健研究所(NIH)などの研究グループは、米国や英国、シンガポール、日本など10カ国で、新型コロナにより入院した患者計1062人を、レムデシビルを最大10日間使うグループと、プラセボ(偽薬)を使ったグループにわけて効果を調べた。
 その結果、レムデシビルを使った患者がある程度、回復するまでにかかった期間は、中央値で10日だったのに対し、偽薬を使った患者では15日だった。また、薬を使い始めてから15日目の回復度合いも、偽薬を使った患者よりもレムデシビルを使った患者の方がよかった。
 研究グループは「レムデシビルは回復までの期間を短くする効果がある」と結論づけた。 

 これも NIHの調査であるからには、信頼性は十分だ。また、これは従来の報告とも合致する。というか、この記事は、「10月の論文」としるしているが、実は4月の論文の内容そのままだ。こっちと勘違いしているのかも。
  → 米NIH 新型コロナ入院患者の回復期間 レムデシビル投与群はプラセボに比べ31%速い

 さて。この両者は矛盾しているように見える。レムデシビルは、効果があるのかないのか、どっちなのか? どうにもわかりそうにない。困った。


remdesivirvial.jpeg

 ──

 そこで、困ったときの Openブログ。うまい説明を出そう。こうだ。
 「その両者は、ともに正しい」

 これは、次のことに着目する。
  ・ 前者の治験では、無差別大量であるから、軽症者が大部分だ。
  ・ 後者の治験では、選ばれた少数の重症者ばかりだった。


 重症者という点では、次の説明がある。
 試験の対象は、新型コロナウイルスによる肺炎で入院する患者。胸部X線やCTで浸潤影やラ音が確認されることや、酸素吸入や機械的換気が必要であることなどを要件としている。軽い風邪症状や症状のない人は対象に含まれない。
( → 米NIH 新型コロナ入院患者の回復期間 レムデシビル投与群はプラセボに比べ31%速

 試験対象が「軽症者」と「重症者」に分かれるのだから、結果が異なるとしても、おかしくはない。そのどちらも正しいとすれば、結論はこうなる。
 「レムデシビルは、軽症者には無効だが、重症者には有効だ」


 この意味は、次のことだと推察される。
 「レムデシビルは、抗ウイルス剤としては無効だが、肺炎になった患者には、肺炎治療薬としての効果がある」


 これはつまり、ステロイドと同様の効果がある、ということだ。その一方で、「抗ウイルス剤としては無効だ」とも言えるわけだ。

 この結果は、特に不思議ではない。エイズ治療薬としての薬が、新型コロナには無効だった、と判明したときから、予想されていた。レムデシビルは、エボラ治療薬として開発されたが、エボラ治療薬としても効果は少ないと判明した。
 この薬は、2013年から2016年の西アフリカエボラウイルスの流行での感染を治療するために推進された。安全であることは判明したが、エボラに対してはあまり効果的ではなかった。
( → レムデシビル - Wikipedia

 肝心のエボラ治療薬としても効果はろくにないのだから、オマケの新型コロナにはなおさら効果がないだろう。……そういうふうに私は予想していた。
 となれば、「レムデシビルは新型コロナに無効だ」という結論が出ても、何ら不思議ではない。私としては「私の予想通りだった」と感じるだけだ。

 ※ だから私はこれまでずっと、アビガン推しだったわけだ。

 ──

 結論。

 レムデシビルは、重症者にとっては何らかの効果はあるらしいが、特に新型コロナの治療薬としての効果はない。つまり、抗ウイルス剤としての効果はない。だから、軽症者に投与しても意味がない。
 軽症者に投与して効果があるのは、現状では、アビガンだけだ。



 ※ アビガンの効果を弱めるものがあるとしたら、世間にいる妨害者だけだ。これらの妨害者による妨害で、死者が多大に出ることが懸念される。
  → アビガン承認への慎重論: Open ブログ (前項)

posted by 管理人 at 14:36| Comment(1) |  インフルエンザ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
報道で不思議に思ったのでココを確認しました。
明確な指南。納得しました。

併せて、腎機能障害が出る弊害は大変危険。
国のレムデシビル承認は米国忖度でしかなく、
前忖度最優先総理の勇み足。でしょうね多分。
今の総理、これを変えられるのか。
科学者ご意見番百人の指名問題が大きな地雷。
政局になりそうですね。世論が許しません。
自民党の早期の梯子ハズシの罠にハマったか。
Posted by メルカッツ at 2020年10月19日 11:02
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