2020年10月17日

◆ アビガン承認への慎重論

 アビガンが承認される見込みとなったが、慎重論者がいる。これは「科学的真実のためには、大量の死者が出ても構わない」というマッドサイエンティストも同然だ。

 ──

 何事であれ、プロは自分の分野を最優先するものだ。しかし、「そのためには大量の死者が出ても構わない」というのは、もはや狂人に近い。そういうマッド・サイエンティストみたいな人々が、アビガン承認の場に出現する。

 まずはアビガン承認の記事がある。
 新型コロナウイルスの治療薬候補「アビガン」について、富士フイルム富山化学は16日、厚生労働省に製造販売の承認を申請した。今後、厚労省が審査する。
 政府関係者らによると、11月にも承認される見通しだ。
 一方、数日早く熱が下がることなどにそれほど意味があるのか、疑問視する声もある。
( → 「特別扱い」アビガン、専門家はどう見る 来月にも承認 :朝日新聞

 「疑問視する声もある」というのは、次のことだ。
 慶応大の磯部哲教授(行政法・医事法)は言う。「未曽有の衛生上の危機といっても、安全性と有効性の慎重な評価は手放すべきではない。迅速性と科学的評価は両方大事。スピードのために科学的評価を少しでも損なうことがないように進めてほしい」
( → アビガン、承認を申請 コロナ治療に適応拡大、来月にも 製薬会社幹部「治験結果、満点ではない」:朝日新聞

 「スピードのために科学的評価を少しでも損なうことがないように進めてほしい」
 とあるが、これは次のことと等価だ。
 「科学的評価を少しでも損なうことがあるなら、スピードを遅らせてもいい」
 これは論理的には、次のことと等価だ。
 「科学的評価を少しでも損なうことがあるなら、承認を遅らせてもいい。その遅れのせいで、感染者や死者が大量に出てもいい」
 その意味は、こうだ。
 「科学的真実の正確さを追求するためであれば、(結論に差がないとわかっていても無駄な正確さを追求する時間をかけるために)大量の死者が出てもいい」

 これはどういうことか? 慎重論者の主張することは、「アビガンの効果を確認する」ということと、「アビガンの副作用がないことを確認する」ということだ。
 しかし前者(効果の確認)は、今回の治験で実用レベルに判明している。他国の治験の結果からも、同様の結果が出ている。逆に、「アビガンの効果は疑わしい」というような結果は一度も出ていない。これらの点で、効果は疑いようがない。(大きな効果が見込めるわけではない、ということも判明している。抗インフルエンザ薬の3分の1ぐらいの効果か。)
 また後者(副作用のなさ)は、同様にして判明している。各国の治験でも、アビガンの最初の治験(抗インフルエンザ薬としての治験)のときでも、副作用の点では問題がないと確認されている。(催奇性の危険があるだけだ。これは使い方で回避できる。)

 以上の点からして、アビガンについては問題がないことがすでに実用レベルで確認されている。
 なのに、これ以上の高度の正確さを求めても、結果は変わらないのに、無駄な時間をかけるだけとなる。
 そして、無駄な時間をかければ、大量の死者が出るのだ。これまですでに全世界で 100万人以上もの人々が死んでいる。このあとの冬ではさらに 100万人以上の死者が見込まれる。それにもかかわらず、「科学的正確さが最優先される。そのためには大量の死者が出てもいい」という言い張るわけだ。
 これはもう、狂気というしかない。マッドサイエンティスト。そういう意見を、朝日新聞は堂々と掲載したわけだ。

 朝日新聞のこの方針は、今回に限ったことではない。前からそうだ。
 このため、新型インフル発生時の「切り札」というイメージを持たれているが、現実は、そもそも効果があるのかどうかさえはっきりしていない。
( → アビガン、コロナへの効果は不明 専門家が「待った」:朝日新聞

 「効果がはっきりしない」という否定的意見ばかりを集めて、「専門家が待ったをかけた」という趣旨の記事を書く。たぶん、安倍首相が「アビガン承認を急ぎたい」と言ったので、その反発で、批判しようとしたのだろう。視界そのせいで、大量の生命が犠牲になるわけだ。

 また、「効果がない」という主観的な意見については詳しく紹介するくせに、「効果がある」という客観的な治験についてはまったく報道しないで無視する。(バングラデシュの治験。前出。)
  → アビガンの有効性が証明 1: Open ブログ(2020年07月12日)

 また、今回でも「安全性と有効性の慎重な評価」というような言葉で、安全性を極度に求めようとしているが、コロナは大量の人を死なせるということを失念している。過度な安全性を要求して、薬を承認しなければ、返って大量の死者が出てしまうのだ。そのことをまったく理解できていない。

 それどころか、既存の薬との比較もできていない。レムデシビルにはかなり大きな副作用があると判明している。(だから命の危険のない軽症者には適用できず、死にそうな重症者に使われるだけだ。)また、ステロイドは、一般的に副作用の危険があるので、過度な利用は慎重にするべきであって、これも重症者にしか使えない。この2薬は、はっきりと副作用の危険があるのに承認されている。なのに、はるかに副作用が少ないと判明しているアビガンに過度に慎重になるのは、馬鹿げている。

 これに対しては、反論も予想される。
 「レムデシビルとステロイドは、命の危険に関わる重症者について承認されているだけだ。命を救うためなのから、副作用があってもいいんだ」

 と。しかし、アビガンだって、軽症のうちに対処することで重症化を防ぐのだから、違う経路をたどって、命を救う。命を救うという点では同様なのだ。
 なのに、そこを理解できないで、「命を救う」という点を無視する。そのあげく、「大量の人々を死なせてもいい」と主張する。……それが、慎重論者であって、それを擁護するように報道するのが朝日新聞だ。

 マッド・サイエンティストと、マッド・新聞社。



マッド・サイエンティスト

posted by 管理人 at 16:20| Comment(0) |  感染症・コロナ | 更新情報をチェックする
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