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1919年、そのとき流行したスペイン風邪に、米国のウィルソン大統領が感染した。そのせいで、第二次世界大戦が発生して、8000万人が死亡した。……意外な歴史的事実を紹介しよう。
元ネタは、朝日新聞の天声人語だ。
パリで開かれた第1次世界大戦の講和会議の途中、ウィルソン米大統領は側近や妻と相前後してスペイン風邪にかかった。熱が引き、交渉の席に戻ると、気力がなえて発症前とは別人のよう。1919年のことである。
それまでは、敗戦国ドイツへの報復に走る仏首相と対立し、国際協調を熱く説いた。どこまでが病気のせいか判然としないものの、罹患後はあっさり仏に同調した。政治家の急病はときに歴史の流れを左右する。
( → (天声人語)トランプ氏の感染:朝日新聞デジタル )

たった一人の人間がインフルエンザに感染したせいで、世界大戦が発生したわけだ。その結果、8000万人が死亡したことになる。(死者数は、5000万人〜8500万人で、諸説ある。)
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なお、このようなことが起こるのは、「バタフライ効果」と言われる。
その本質は、次のことだ。
「事象の分水嶺においては、ほんのわずかな一歩の違いのせいで、結果には、極端に異なる大きな差が生じる」
この件は、前に詳しく述べた。
「小さな変動が大きな差異を生むのは、事象の分岐点にいる場合だけである」
モデル的に言おう。 ∧ 型の状態があったとする。
この ∧ 型の状態の左辺または右辺にいるときには、位置が少しぐらいずれても、状態に大変動は起こらない。
しかしながら、 この ∧ 型の状態の頂点にいるときには、位置が少しだけ右や左にズレることで、状態に大変動が起こる。右に落ちるか、左に落ちるか、という大変動が。
( → リビア情勢とカオス理論: Open ブログ )
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バタフライ効果というと、「小さな違いが大きな差に至る」というふうに理解されがちだ。しかしそれは、常に生じるわけではない。事象の分岐点においてのみ生じるのであって、一般的に生じるわけではない。
※ 以下は読まなくてもいい。
たとえば、「あなたは石原さとみと結婚できるか?」という問題があるとしよう。
「あなたが何か小さなことをしたら、石原さとみと結婚できる」ということは起こるか? もともとあなたが石原さとみと結婚できるようなハイスペックな男性であるなら、その可能性はある。だが、あなたがもともと石原さとみとは遠く隔たった低スペックな男性であるなら、何をしようが、どうあがこうが、しょせん、石原さとみと結婚できることはない。
もともと若くてイケメンで性格が良ければ、「宝くじで3億円を当てたら、石原さとみと結婚できる」という可能性もなきにしもあらず。しかし、もともと引きこもりでコミュ障でアニメオタクであるのなら、FX で 100億円を稼いでも無理です。
「宝くじを買う」という小さな行動の変化が、「石原さとみと結婚する」という結果に結びつくことがあるか? それは、あなたがもともと分水嶺にいるかどうかによる。(分水嶺は、最高の高みだが、通常、そこには達していない。低いところで、虫ケラのように うごめいているだけだ。)
【 関連サイト 】
→ トランプ大統領 容体の最新情報
→ Trump Covid-19(英文)
→ https://edition.cnn.com/2020/10/04/health/trump-covid-dexamethasone-serious-bn/index.html
”Trump is taking dexamethasone for his Covid-19. That could be serious, doctors say ”
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一方で、主治医らは明白な嘘をついている。
> トランプ米大統領の主治医らは4日の記者会見で、トランプ氏が5日にも退院する可能性があると説明した。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64603070V01C20A0I00000/
たとえ無症状や軽症であっても、そんなにすぐに退院することは許されない。上の話は明白な嘘だ。
あえて嘘をつく必要があるのかもしれない。(下手な嘘だが。)
……はぁ。反論の言葉も無いです。
面白い大統領ですね🤗🤗