2020年10月01日

◆ カリフォルニアの山火事

 カリフォルニアで大規模な山火事が発生している。これを防ぐには防火帯が有効だが。……

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 カリフォルニアで大規模な山火事が発生している。もう2カ月近くの日がたったし、そろそろ収まるかと思ったのだが、まだ収まらずに、連日、テレビで報道されている。

















 
 消火作業もなされているようだが、とうてい追いつかない。「多勢に無勢」「焼け石に水」というところだ。だからこそ、2カ月たっても火の手が猛威をふるっているわけだ。

 では、どうすればいいか? 事後的には手の施しようがないらしいので、事前に対策を取るべきだった、と言える。その方法は(延焼防止の)防火帯だ。
 まず最初にヘリコプターや飛行機で水や防火剤1を投下します。
 続いて、smoke jumperやhelitack crewと呼ばれる訓練を受けた専門家が飛行機やヘリコプターから現地に降下します2。彼らは山火事の周辺の木を切り倒し、燃えやすいものを取り払い、防火帯を作ります。防火帯は60フィート(約20メートル)ほどになります。時には迎え火を放つこともあります。
( → 山火事が悪化している三つの理由とは?消火活動や最新研究も紹介! | YouTube Magazine

 防火帯の事例の画像は、下記にいろいろと見られる。
  → Google 画像検索

 幅 10〜20メートルで、(平行する)列状、または、(直交する)碁盤の目状に、防火帯を並べるようだ。どちらにしても、防火帯の機能は果たせるだろう。

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 ここで、私は、次のことを提案したい。
 「防火帯は、碁盤の目状にはしないで、列状にする。特に、山頂から山裾に向かう方向への列状とする」


 これは、次のことを意味する。
 (1) 横方向(水平方向)の防火帯を作るぐらいなら、縦方向(上下方向)の防火帯を幅広にする方がいい。あるいは、列と列の間隔を縮める方がいい。その方が、延焼防止機能は高まる。
 (2) 仮に火災が発生したなら、防火帯に阻止されるので、横方向の延焼は食い止められる。あとは、縦方向の延焼が起こるだけだ。ここで、(火事の起こっている)防火帯内部の上の方と下の方で、新たに防火帯を設置すれば、さらなる延焼を食い止めることができる。しかも、この新たな防火帯は、(両側の防火帯によって限られているので)たいした幅ではない。かなり短い。その短い距離で、新たな防火帯を作るだけで済む。

 なお、注意点としては、次のことがある。
 (i) 山頂から山裾に防火帯を置くと、上空から見たときに放射状となる。中心の密度は高く、周辺の密度は低い。特に、山裾に近づくにつれて、列と列の間隔が広がる。これでは防火帯の密度が下がる。そこで、これを補うために、山裾のあたりでは列の数を増やす。
 (ii) 山裾のあたりでは列の数を増やすので、山裾のあたりでは短めの列が生じる。その短めの列では、防火帯となる列の頂点に、水平方向(横方向)の防火帯を入れるといい。こうすれば、隣の領域への延焼を防げる。(仮に、こうしておかないと、列の上部で列を乗り越えて、隣の領域への延焼が起こる。)(なお、その頂点部分では、防火帯が T字状 になる。)

  ──

 さて。このように列状の防火帯を作ると、重要なことに気づく。
 「このような列状の防火帯は、列状伐採をするのと同様である」


 「列状伐採」という概念については、前に述べたことがある。
 普通の間伐は、針葉樹林のあちこちを、ぽつぽつと間引く。
 その代わりに、大きな1列の空間を作るように、連続的に広く間引く。幅 20メートルで、長さ数百メートルを間引く。
 そこには、廊下状の空間ができる。すると、そこを鳥が通れる。鳥が通れば、鳥が糞を落として、種子がもたらされる。
 その廊下状の空間には、光が射す。さまざまな草や花が生え、さまざまな樹木が生える。最終的には、日本の植生に適した樹木が生える。それはたぶん広葉樹だろう。
( → 杉林の転換(列状伐採): Open ブログ

 猛禽類が森林で餌(となる小動物)を捕りやすくするために、「列状伐採」という手法がある。森林を虎刈りみたいに列状に伐採することで、細長い空間を提供し、そこでは猛禽類が滑空しながら、小動物を捕獲できる。
( → 猛禽類を増やすには?: Open ブログ

 列状伐採をすることで、豊かな自然を回復することができる。ここでは、特に防火帯という概念を考えることなく、列状の伐採が推奨される。(環境のために。)
 伐採するというと、「環境破壊だ」と思われそうだが、実は、列状伐採は、環境保護のためには有益なのだ。(ただし人工林である針葉樹林が対象だ。自然林である広葉樹林は話の対象外である。理由は上記項目。→ 「杉林の転換」)

 実は、写真を見ても、防火帯の画像と、列状伐採の画像は、そっくりだ。
  → 列状伐採 - Google 検索

 ただし、幅では差がある。防火帯の幅は、10〜20メートルだが、列状伐採の幅は、5メートルぐらいのこともあって、比較的狭い事例も多い。

 ともあれ、本項では、この二つの概念(防火帯・列状伐採)が似ていることを示し、かつ、そのどちらも推奨されるということを示しておこう。
 つまり、このようなことをすれば、防火帯としての機能と、列状伐採としての機能が、同時に果たされるので、「一石二鳥だ」ということだ。これは、うまい方法だ。
 こういうふうに、うまい方法を示すのが、本サイトの真骨頂というものだ。



 [ 付記1 ]
 防火帯を作るには、人力でやると大変なので、ドローンで防火帯を作る……という方法がある。
 「ちっぽけなドローンでどうやって木を伐採するんだ?」
 と不思議に思えるかもしれない。だが、伐採するのではなく、燃やしてしまうのだ。樹木を(燃焼剤で)燃やすことで、焼き畑みたいにして、樹木のない領域を作るわけだ。
 ただし、そのせいで山火事が起こってしまっては、元も子もない。だから、実施するのは、乾燥した冬の時期ではなく、水分の多い春や初夏のころだ。また、細心の注意が必要となる。
 詳しくは下記。
  → 野山に「火を放つ」ドローン、その狙いは | ニューズウィーク

 [ 付記2 ]
 山火事を防ぐには、別途、飛行艇を使う、という手もある。特に、消防専用の飛行艇が有効だ。
 飛行艇の利点は、次のことだ。
  ・ ヘリコプターより高速で、かつ、大量の水を運べる。
  ・ 取水が超高速なので、運用の回転率が高い。
   (滑走しながら 20秒で取水が完了する。)
  ・ プロペラ機で、速度が低いので、散水が高密度だ。
   (ジェット機は高速なので、散水が低密度となる。)


 さまざまな点で、飛行艇は山火事の消火に非常に有効である。
 なお、飛行艇は、世界でも限られた国しか建造していない。中でも最優秀と言えるのが、日本の飛行艇だ。





 アメリカでは飛行艇を建造していないので、日本の飛行艇技術は非常に有益である。近年では、西側世界では日本のものしかない。(他にはカナダ製があるが、初飛行1967年という、ひどい旧式のものだ。)
 ただし、ロシアでは飛行艇技術が盛んであって、最近でもトルコに消防飛行艇が派遣された。
  → ロシアの消防飛行艇がトルコの森林火災消火任務を開始 (2020年6月17日)

 日本でも、消防飛行艇を建造するべきだし、メーカーは仕様を決めて、製造する意欲は満々である。ただし、日本政府がなかなか首を縦に振らない。380億円という費用を出せないらしい。
 こんなのは、F-35 の2〜3機分だし、イージスに比べれば圧倒的に少額なのだが、金を出さずにケチっている。情けないことだ。せめて、アベノマスクをやめて、この飛行艇を買えばよかったのだが。

 もし日本に消火専用の飛行艇があったなら、今回の山火事で、アメリカに派遣することができた。そうなったら大いに貢献することができたし、大賛美だっただろう。(さらには、将来的に、飛行艇を輸出することもできただろう。)



 【 関連サイト 】

 消防飛行艇の記事は、下記にいろいろとある。
  → 消防飛行艇の開発目指す 新明和、救難飛行艇に続き
  → 飛行艇とその活用について | 海洋政策研究所
  → 消防飛行艇、取水20秒 新明和工業、胴体に大容量タンク :日本経済新聞

 以下は PDF。
  → 世界の森林火災と航空消火について〈第2報〉
  → 消防飛行艇の概要 (新明和工業株式会社)(メーカー公式)

posted by 管理人 at 22:00| Comment(0) |  地震・自然災害 | 更新情報をチェックする
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